JRA大器ダノンスコーピオン「春全休」に疑問の声!? 川田将雅「間に合ってない」も共同通信杯(G3)出走で惨敗…「初めてダービーに管理馬を」安田隆行厩舎は2年連続の無念
先月の共同通信杯(G3)で7着に敗れたダノンスコーピオン(牡3歳、栗東・安田隆行厩舎)が、春全休の見込みであることがわかった。陣営によると近日中に放牧に出されるようだ。
ダノンスコーピオン“使い捨て”でも陣営が「確認」したかったもの
昨年、デビュー戦を単勝1.3倍の人気に応えて完勝し、続く萩S(L)で負かしたキラーアビリティは後のホープフルS(G1)の勝ち馬。朝日杯フューチュリティS(G1)こそ3着に敗れたが、共同通信杯では完全に格上の存在といえた。
しかし、フタを開けてみれば最終的に4番人気と考えられない低評価だった。
それもそのはず、実は直前の追い切りに跨った川田将雅騎手から「いい頃の動きがまだできていない」「動きとすると、間に合っていない」という厳しいジャッジが下されていたのだ。
そんな主戦騎手の“予言”通り、末脚不発に終わったダノンスコーピオン。レース後、川田騎手は「現状、精一杯の走りですね」と相棒を庇ったが、やはり不完全な状態で出走した代償は大きかったと言わざるを得ない。ネット上の一部のファンからもSNSや掲示板などで「なにやってんだ」「無理して出るから」と安田隆厩舎ら、陣営の選択に疑問の声が上がっている。
■ダノックス×川田騎手×安田隆厩舎は2年連続の無念
「自分にとって(調教師として)初めてダービーに管理馬を出せそうという期待があったので、本当に残念です」
これは安田隆調教師の言葉だが、報道されたのは昨年のことだ。当時も安田隆厩舎には期待の「ダノン」がいた。2歳時にホープフルSを制し、最優秀2歳牡馬にも選出されたダノンザキッドである。
3連勝でホープフルSを制したダノンザキッドは、皐月賞(G1)の王道トライアル・弥生賞ディープインパクト記念(G2)から始動したものの、まさかの3着。キャリア初の敗戦で単勝1.3倍を裏切ってしまった。
その後の皐月賞で再び1番人気に推されたダノンザキッドだが、今度は見せ場すら作れずに15着に大敗……。主戦の川田騎手も「今日は能力を出せずに終わってしまいました」と肩を落とす他なかった。
その後、調教中の骨折が判明し、安田隆調教師が「初めてダービーに管理馬を出せそうという期待があった」と話したのは、レースから約1か月後のことだった。
「ダノックス×川田騎手×安田隆厩舎にとっては昨年のダノンザキッドに続いて、本当に残念な結果になってしまいました。安田隆調教師も『立て直しに時間が掛かる』と話しており、こうなった以上、やはり無理して共同通信杯を使ったダメージとの関係性を意識せざるを得ません。
騎手としては1991年にトウカイテイオーとのコンビで日本ダービー(G1)を制した安田隆調教師ですが、一流の厩舎としては不思議なくらいダービーと縁がない状況です」(競馬記者)
先週の中山記念(G2)で1番人気ながら7着に敗れたダノンザキッド。レース後、川田騎手が残したのは「馬に中山に嫌な記憶が残っているのか、全く走る気になってくれなかった」という昨年の苦い思い出を想起させる言葉だった。
「将来があるので、今は無理をしない」
昨年、骨折で休養となったダノンザキッドと異なり、ダノンスコーピオンの休養については将来を見据えての判断であることを強調した安田隆調教師。共同通信杯の出走は「先々を見据えての東京1800」という言葉通り「東京」を経験させるためのものだった。
だが、その代償はあまりにも大きかったのかもしれない。
(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。
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