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JRA【大阪杯(G1)展望】王者エフフォーリアVS超新星ジャックドール! 盤石の現役最強馬の前に突如現れた5連勝合計「12馬身半差」の刺客

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JRA【大阪杯(G1)展望】王者エフフォーリアVS超新星ジャックドール! 盤石の現役最強馬の前に突如現れた5連勝合計「12馬身半差」の刺客の画像1
エフフォーリア 撮影:Ruriko.I

 4月3日、阪神競馬場では第66回大阪杯(G1)が行われる。G1に格上げされて6年目の今年は、18頭がエントリーした。4年ぶりにフルゲート16頭による戦いが見られそうだ。

 登録18頭のうちG1馬は4頭だけ。そのうち唯一G1を2勝以上しているのが大本命のエフフォーリア(牡4歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)だ。

 7戦6勝、うちG1が3勝という実績から、27日現在『netkeiba.com』の予想オッズでは1.3倍という断然人気に支持されている。

 昨年は無傷の4連勝で皐月賞(G1)を制覇。2冠を懸けた日本ダービー(G1)はシャフリヤールにハナ差負けを喫したが、秋には古馬を相手にG1を2連勝。特に“現役最強馬決定戦”と呼ばれた天皇賞・秋(G1)では、コントレイルとグランアレグリアを寄せ付けない完勝だった。

 前走の有馬記念(G1)は、エフフォーリアにとって決してベストとはいえない距離だったが、ディープボンド以下を力でねじ伏せて、令和の歴史的名馬への道を歩んでいる。

 古馬になっての初戦は予定通り、大阪杯から始動。順調なら次走は宝塚記念(G1)を視野に入れている。前走後はノーザンファーム天栄でリフレッシュ。今月4日に美浦トレセンに帰厩し、調整が進められてきた。

 26日までに美浦坂路と南ウッドで、3本ずつ速い時計を出しており、至極順調。ただし、1週前追い切りに跨った横山武史騎手は『日刊スポーツ』の取材に対し「時計だけ見たらすごくよく見えるんですけどね。もっとすっと動けるはず、という気がします」と、愛馬に求めるレベルは高い。

 それも当然だろう。「どの馬とも負けたくないですけど、この馬とはより一層負けたくない」とも語っているように、有力馬が次々と引退した今、簡単に負けることは許されない立場にいる。

 ただ、不安要素が全くないというわけではない。管理する鹿戸調教師は19日に掲載された『Number Web』のインタビューで不安に感じている部分を聞かれ、こう答えている。

「強いていえば初めての長距離輸送になる点でしょうか。放牧の際も最初の頃は多少ガタガタしていましたから」

 初の長距離輸送に加え、7戦というキャリアは4歳馬としては浅い部類。古馬初戦で更なる伸びしろを見せることはできるのか。それとも長距離輸送が落とし穴になる可能性はあるのか。その走りに注目が集まる。

 打倒エフフォーリアに燃える最右翼がジャックドール(牡4歳、栗東・藤岡健一厩舎)だ。

 デビューからの9戦すべてが2000mという“スペシャリスト”で、阪神コースも2度経験。昨年4月の未勝利戦では9馬身差の圧勝を収めている。

 ジャックドールが本格化の兆しを見せたのは昨秋だった。9月の1勝クラスで2勝目を挙げると、前走・金鯱賞(G2)まで破竹の5連勝。その5戦で2着馬につけた「12馬身半」という着差からも目下の充実ぶりがわかる。

 特に重賞初挑戦となった前走はマイペースの逃げを打つと、最後まで後続に影を踏ませず。勝ちタイムの1分57秒2は、従来の記録を1秒1も更新する衝撃的なレコードだった。

 父モーリスは古馬になってから本格化。4歳春に4連勝で安田記念(G1)を制覇すると、その後もマイルCS(G1)、香港マイル(G1)、香港のチャンピオンズマイル(G1)まで7連勝した。ジャックドールも父と同じく連勝の勢いに乗って戴冠を遂げたい。

 近4走はすべて逃げ切っているジャックドールだが、当然マークはこれまで以上に厳しくなるだろう。鞍上を務める藤岡佑介騎手は前走後「出し切ればこれくらいの能力はありますし、楽にゴールへエスコートするのが私の仕事です」と話していたが、今回も愛馬を先頭でゴールに導くことはできるか。

 1年前の当レースを、デビューから無傷の6連勝で制したのがレイパパレ(牝5歳、栗東・高野友和厩舎)だ。

 昨年は無敗での挑戦ながら、コントレイル、グランアレグリア、サリオスから離された4番人気という評価だった。初の重馬場は420kg台だった小柄なレイパパレには厳しい条件かと思われたが、積極果敢にハナを奪うと、道悪を味方につけて圧巻の4馬身差逃げ切り勝ちを収めている。

 しかし、その後は宝塚記念で初黒星を喫すると、6連勝の勢いから一転して5連敗中と苦しんでいる。

 2走前の香港C(G1)では久々に中団に控える競馬を試みたが、直線伸びきれず6着。そして前哨戦の金鯱賞は好位4番手からしぶとく伸びて2着に入ったが、ジャックドールには2馬身半突き放された。

 前走で3戦ぶりに手綱を取った川田将雅騎手は「久しぶりにこの馬らしい良い内容で走れた」と手応えを口にしていたが、そこから中2週で果たして上がり目はあるか。今年も道悪になるようなら、昨年の再現を狙って積極的にハナを奪いにいく可能性も考えておきたい。

 昨年の香港Cでレイパパレに先着し、ラヴズオンリーユーとアタマ差の2着に健闘したのがヒシイグアス(牡6歳、美浦・堀宣行厩舎)だ。今年の始動戦は4月の香港を予定していたが、コロナ禍で海外馬の参戦が不可能となったため、急遽矛先をここに向けてきた。

 エフフォーリアとは昨年の天皇賞・秋で対戦し、0秒8差の5着と完敗を喫しているが、その時は8か月ぶりの休み明けだった。2度目の対戦で王者との差を詰めることはできるか。

 エフフォーリア世代の隠し玉的存在がアリーヴォ(牡4歳、栗東・杉山晴紀厩舎)だろう。

 前走・小倉大賞典(G3)は荒れた外差し馬場も味方につけて、中団から大外一気の差し切り勝ち。これまで小倉で全5勝を挙げているが、阪神でも未勝利戦3着と菊花賞(G1)7着がある。今年JRAの重賞でいまだ勝利がないC.ルメール騎手を鞍上に、大駆けはあるか。

 5歳牝馬の2頭も侮れない。

 昨秋のエリザベス女王杯(G1)を10番人気で制したアカイイト(牝5歳、栗東・中竹和也厩舎)は、その後も有馬記念7着、金鯱賞3着と牡馬相手に健闘している。休み明けを叩かれ、狙いすました一戦で再びの激走があっても驚けない。

 重賞3勝の実績馬ウインマリリン(牝5歳、美浦・手塚貴久厩舎)は、前走エリザベス女王杯がブービーの16着。ただし、敗因は明確で、中間に右肘が腫れ熱発するなど本調子からは程遠い状態だった。久々で万全なら巻き返し必至だろう。

 前走で重賞勝利を収めた2頭も怖い存在だ。

 骨折明け3戦目でAJCC(G2)を制したキングオブコージ(牡6歳、栗東・安田翔伍厩舎)は、横山典弘騎手を背にG1に初挑戦。打倒エフフォーリアへ、大ベテランに秘策はあるか。

 前走の京都記念(G2)をまんまと逃げ切ったアフリカンゴールド(セ7歳、栗東・西園正都厩舎)は、父ステイゴールドと同じく7歳にして充実の1年を迎えたい。

 この他にも2年ぶり4度目の大阪杯出走を果たすマカヒキ(牡9歳、栗東・友道康夫厩舎)、そして良血馬ポタジェ(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)の「友道調教師×金子真人オーナー」コンビ2頭も不気味だ。

 エフフォーリアの黄金期は今年も続くのか。それとも初対戦のジャックドールが一泡吹かせるのか。はたまた、ノーマークの伏兵が王者の足をすくうのか。注目の大阪杯は4月3日15時40分に発走を予定している。

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