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JRA キズナ産駒は「古馬」こそ熱い!? 大阪杯(G1)人気上位3頭に黒星喫したアノ馬が得意の阪神で「逆襲」へ

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 27日に行われた高松宮記念(G1)を皮切りに、いよいよ春のG1シーズンが幕を開けた。続く4月3日に行われるのが大阪杯(G1)だ。

 古馬限定の王道中距離G1とあって、出走を予定しているメンバーもハイレベルだ。重賞ウィナーも多い中、特に人気を集めそうなのはやはりエフフォーリアだろう。破竹の5連勝を遂げ、派手な逃げ戦法で話題を集めたジャックドール、昨年の大阪杯覇者のレイパパレの連覇達成なるかにも注目が集まる。

 とはいえ上位人気が予想される3頭には、それぞれ不安要素がない訳ではない。

 レイパパレが大阪杯を制した昨年の阪神は、雨が降りしきる重馬場だった。勝利へと導いた川田将雅騎手自身が、「馬場が味方をしてくれたのは間違いないです」「もし良馬場だったら、少なくともあのメンバーを相手に、あの着差で勝つことはあり得ないと思います」(『netkeiba.com』インタビューより)と語っている。1週間前の天気予報では、今年は恵みの雨は望めなさそうだ。

 ジャックドールはレコード勝ちの前走から中2週での出走となる。激走の反動に加えて、初の57kg、初のG1と初物尽くしとなるのは気になるところだ。前述のレイパパレの他、最近はすっかり逃げ先行脚質に転じたアフリカンゴールドら同型からのマークもより厳しくなることが想定される。ハナ争いをするようなことになれば、いくら逃げて強しと言えど、どう転ぶかわからない。

 エフフォーリアは有馬記念(G1)の1着以来、満を持しての出走で一見隙はないようだが、意外にも関西圏への輸送は今回が初となる。新馬戦は札幌デビューだが、前乗りしての滞在競馬だったので、大阪杯は初の長距離輸送の影響がどう出るかは注意したいところだ。また、エピファネイア産駒の古馬重賞勝ちは未だ1度きりと、古馬になってイマイチ戦績が冴えないのも気にかかる。

 前置きが長くなったが、上記3頭に近戦で「負けている」馬こそが、人気の盲点となり狙い目かもしれない。特に面白そうなのが、金鯱賞(G2)3着で大阪杯へ駒を進めてきたアカイイト(牝5歳、栗東・中竹和也厩舎)だ。

 昨秋のエリザベス女王杯(G1)で10番人気1着と激走し、単勝64.9倍の大穴配当をもたらしたことは記憶に新しい。次走の有馬記念では勝ち馬エフフォーリアから1.1秒差の7着に敗れたが、過去に走った中山の1勝、2勝クラスでも着内がなかったことから得意なコースではないのだろう。

 前走の金鯱賞では3着と、こちらもジャックドールとレイパパレに後塵を拝した。ただ、レース前の陣営コメントでは「前哨戦としては申し分のない仕上がり。休み明けから動けるタイプではない」と、あくまで照準は次の大阪杯に合っていたことが伺える。

 OP入りを果たしたのは4歳夏で、どちらかと言えば晩成タイプ。古馬になってからはエリザベス女王杯含めて阪神コースでは「2-1-1-0」と、大阪杯の舞台では着内を外していない。差し、追い込み脚質なので、前がハイペースで潰しあうような展開になればチャンス到来だ。

 また、アカイイトは種牡馬キズナの初年度産駒となるが、キズナ産駒はこれまでのところ古馬になってからの成績が良好である。芝コースに限ると5歳馬の単勝回収率は100%超え、複勝回収率は200%超え(21日時点)と成績良好なのも、馬券購入者にとっては嬉しいポイントだ。

 負けた相手に前走、前々走の借りを返せるか。得意の舞台で条件は整った今、アカイイトの思わぬ逆襲に期待していいかもしれない。

(文=大井ふみ)

<著者プロフィール>
競馬にハマって3、4年。周りの女性陣に布教活動を試みるもうまくいかず、おじさんの競馬仲間だけが増えていく。大井競馬場でビール片手にナイター観戦にいそしんでいたが、最近はそれすら叶わず自宅観戦の日々。

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