JRA D.レーン来襲でナミュール、キラーアビリティに早くも「乗り替わり」の噂…春G1連敗の横山武史を襲う「転落」のシナリオ
3日行われた大阪杯(G1)は、昨年の年度代表馬エフフォーリア相手に5連勝中のジャックドールがどれだけやれるのかが焦点だった。2頭が人気を分け合ったオッズ的にも、一騎打ちムードが濃厚と見られていたが、共に馬券圏外に沈む大波乱となった。
最後の直線を迎えても、エフフォーリアはとても届きそうにない後方のまま。馬群でもがく大本命に現場から悲鳴にも似た声が上がる敗戦だった。レースを終えて、鹿戸雄一調教師からゲートで顔をぶつけたなどの敗因が挙げられたものの、これまで1度も大崩れをしたことになかった馬。力負けとは到底思えない内容だけに、あまりにも不甲斐ない負け方は気になるところだ。
ただ、横山武史騎手の調子がなかなか上がってこないのも心配である。
高松宮記念(G1)を敗れたレシステンシアは、休み明けでプラス18キロのデビュー最高体重も無関係ではなさそう。エフフォーリアの凡走はさすがに想定外とはいえ、結果的に2週続けて1番人気を馬券圏外に飛ばしてしまった。
しかし、いずれもノーザンファーム系一口クラブであるキャロットファームの所有馬。馬の状態に敗因が考えられるのなら、ジョッキーに責任はないという見方も可能だろうが、注目度の高いG1で連敗した事実は、思いのほか印象が良くない。
春のクラシックでも桜花賞(G1)のナミュール、皐月賞(G1)のキラーアビリティといった有力馬で参戦を予定しているが、もし全敗するようなら、これまで築いた信頼を失うことにもなりかねない。
なぜならその翌々週の天皇賞・春(G1)から、D.レーン騎手が再び来日するのではないかと噂されているからだ。
コロナ禍に揺れたここ約2年の間は、短期免許の外国人ジョッキーが不在の状況ということもあり横山武騎手に限らず、仮に結果を残せなかったとしても、もう一度チャンスが与えられる事が多かった。
だが、現在は収束に向かいつつあるため、徐々に制限も緩和され始めている。このまま緩和が進むと、かつてのように短期免許で来日する外国人ジョッキーへ有力馬が集中する可能性も高くなる。現実問題、今年の年頭は昨年12月から1月に短期免許で来日したC.デムーロ騎手が席巻したばかりだ。
キャロットファームのリスグラシューやメールドグラースで結果を残しているレーン騎手は、ノーザンファームの信頼が非常に厚い。最悪の場合、結果を出しても平然と乗り替わりを告げられるケースも出てくるだろう。
「ナミュールやキラーアビリティにも、5月のオークス(G1)や日本ダービー(G1)で乗り替わりがあるかもしれないという噂も聞きました。既に水面下ではそういう話も出ているみたいですね。
サウジアラビアやドバイの活躍を見て、日本に注目している各国のトップジョッキーが増え、今年は多くの短期免許の申請が予定されているようです。まだ名前こそ挙げられませんが、段取りがスムーズに運べば初めて日本で乗る予定の騎手もいますよ」(競馬記者)
コロナ禍が落ち着いてきたからこそ、これまで以上に外国人旋風が巻き起こる未来も現実味を帯びてきた。
勿論、これは横山武騎手に限らず、ノーザンファーム系の有力馬を任されることが多いC.ルメール騎手や川田将雅騎手、福永祐一騎手なども例外ではない。外国人ジョッキー不在を追い風に頭角を現した中堅、若手騎手にとっても大きな脅威となるはずだ。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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