桜花賞(G1)武豊ウォーターナビレラ「絶好枠」で好戦必至! ナミュール、サークルオブライフは苦戦免れず…一発狙える内枠の穴馬も軽視は厳禁
10日に行われる桜花賞(G1)の枠順がJRAより発表された。先週の大阪杯(G1)を制したポタジェは、道中でインをロスなく走って直線だけ外に出す競馬。2着のレイパパレも前々で粘り込んだように、「内前」のコース取りが大きかった。
馬場の傷みが目立ち始める最終週でも、内を通った馬に大きな割引とはならなかった阪神競馬場のAコース。今週からBコースへと替わるが、逃げ先行馬にとってさらに有利な馬場状態となる可能性が高い。それだけに、桜花賞に出走する各馬もできることなら外枠を引きたくなかったに違いない。
そこで各馬の枠を見てみると、2歳女王サークルオブライフが8枠16番で、チューリップ賞(G2)を勝ったナミュールはなんと大外の8枠18番。上位人気を予想される2頭は、非常に厄介な枠を引いたといえよう。
2007年から現在の外回りの芝1600mで開催されるようになった桜花賞。それまでより外枠の不利が軽減され、実力のある馬なら苦にしないとも言われているものの、大外18番から見事勝利したのは07年ダイワスカーレットと14年ハープスターの2頭のみ。
昨年、ソダシのクビ差2着に敗れたサトノレイナスに騎乗していたC.ルメール騎手も「18番は厳しかったかもしれません」とコメント。マイル戦だけに、距離のロスを避けられない外枠は、歓迎とはいえなさそうだ。
これに対し、武豊騎手がコンビを予定しているウォーターナビレラは3枠6番。先述した2頭に比べて、「内過ぎず外過ぎず」でロスなく走れる絶好枠を引き当てた。最多5勝を誇る「桜花賞男」の6勝目もあるか。
また、先週まで使用されていたAコースにしても、内枠有利の状況が顕著だったことに触れておきたい。以下は、今年の阪神芝1600mで行われた特別以降のレース成績だが、サンプル数は多くないものの、外枠不利の傾向となっている。
■2020年、阪神芝1600mの枠番別成績(特別以降)
枠番、着別度数、勝率
1枠【0- 2- 2- 5/ 9】0.0%
2枠【0- 1- 1- 8/10】0.0%
3枠【2- 1- 1- 6/10】20.0%
4枠【1- 0- 0- 9/10】10.0%
5枠【1- 2- 0- 8/11】9.1%
6枠【3- 0- 3- 5/11】27.3%
7枠【0- 1- 0-11/12】0.0%
8枠【0- 0- 0-14/14】0.0%
この数字は枠で集計したものであり、頭数の少ないレースもあった。にもかかわらず、それでも7枠や8枠の馬が苦戦を強いられている。フルゲートの桜花賞ではさらに不利になることも注意したい。
これらを踏まえた上で、一発の期待が持てそうな穴馬もピックアップしてみたい。
筆頭に挙げたいのは1枠1番のナムラクレアだ。単勝1.7倍を裏切る格好となった前走のフィリーズレビュー(G2)で2着に惜敗したが、出負けして外を回して追い上げた末脚は見どころ十分。休み明けで12キロ増の余裕残しも響いただろうが、使われて一変の気配がある。距離延長の不安はあれど、内で脚を溜めることが出来れば勝ち負けの期待もできるのではないか。
次に2枠3番のアルーリングウェイ。万両賞(1勝クラス)では、マテンロウオリオンのクビ差2着に敗れるも、相手はシンザン記念(G3)を制した。前走のエルフィンS(L)を快勝した勢いも怖い。ジャックドールで大阪杯を敗れた藤岡健一調教師&佑介騎手の親子コンビだが、1週遅れのG1制覇にも期待だ。
最後に3枠5番のピンハイ。ノーマークに近い存在とはいえ、13番人気で2着に食い込んだチューリップ賞でサークルオブライフやウォーターナビレラに先着した。キャリア2戦で一線級相手に互角の勝負を演じた実力は侮れない。
勿論、外枠を引いたとしても、ナミュールやサークルオブライフがあっさり勝つことも普通にあるだろう。ウォーターナビレラが勝てば、武豊騎手と幸四郎調教師の兄弟タッグで初G1制覇ともなる。
いずれにしても楽しみな今年の桜の女王決定戦となった。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。
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