JRA皐月賞(G1)武豊「大失態」が露呈したドウデュースの限界!? イクイノックス、ダノンベルーガが敗れた3歳世代に漂う「ガッカリ感」の正体

5番人気のジオグリフが勝利した今年の皐月賞(G1)。7番人気のスターズオンアースが桜の女王に輝いた桜花賞(G1)だけでなく、2週連続で伏兵が勝利の美酒に酔った。
桜花賞では、前日に行われた古馬牝馬の阪神牝馬S(G2)の1分32秒8と0秒1差の1分32秒9をマークした。3歳牝馬は、トライアルレースでも古馬の重賞と遜色ない優秀な勝ち時計が続出していた。混戦には違いないものの、全体のレベルを考えると平均点が高い世代といえよう。
これに対し、3歳牡馬の場合はまだまだ時計的な裏付けは乏しい。
皐月賞前のステップレースで目を引くようなレースだったのは、ダノンベルーガの共同通信杯(G3)程度。そのダノンベルーガも皐月賞で4着に敗れてしまった。
勝ち時計1分59秒7(良)にしても、稍重で開催された3回を除けば、過去10年の皐月賞で最も遅かった。前日の山藤賞(1勝クラス)を勝ったローシャムパークでさえ、稍重を2分0秒3で走破しているのだから、馬場差を考えると、1勝クラスと0秒6差のG1レースのレベルが高かったとは言い難い。

1番人気を裏切ったドウデュースにしても、武豊騎手が道中で後ろに下げ過ぎたことも響いて3着に敗れた。大失態にも映るレース内容について「結果的に後ろだったかもしれません」と悔やんだものの、本当に強い馬ならそれでも差し切れたかもしれない。
つまり、2歳時に朝日杯フューチュリティSでG1を勝っているとはいえ、ドウデュースがそこまで抜けた存在ではなかったということだ。前走の弥生賞ディープインパクト記念(G2)は、「展開のあや」で敗れたという声もあったが、無敗が途切れた時点で既に能力の限界が見えていたのかもしれない。
そういった意味では、勝ち馬のジオグリフにしても同様のことがいえるだろう。
こちらはドウデュースが勝った朝日杯FSを5着に敗れ、続く共同通信杯(G3)でも2着に敗れていた馬。皐月賞を勝てたのは新たにコンビを組んだ福永祐一騎手による好騎乗の賜物だったようにも感じる。
また、既に敗れていた前述2頭と遜色ない期待感を持たれていたのは、2番人気ダノンベルーガと3番人気イクイノックスの2頭である。
いずれも2戦2勝のキャリアながら、重賞レースでポテンシャルの高さを証明していた素質馬。どちらかが優勝していれば、3戦無敗のG1馬が誕生することとなり、大本命として日本ダービー(G1)の主役を務めていた可能性もあっただろう。
しかし、2歳戦が施行されるようになった1946年以降、キャリア2戦の馬が皐月賞を制した前例はなく、「76年という歴史」の壁に跳ね返される結果に終わった。
2着に敗れたイクイノックス、4着のダノンベルーガは未経験の中山コースと、大目標の日本ダービー(G1)を見据えた仕上がり。東京に替わる「本番」で本領発揮となりそうだ。

3歳世代に漂う「ガッカリ感」の正体
別路線組で期待の大きかったドゥラドーレスも、毎日杯(G3)で賞金加算に失敗した結果、ダービーへの出走が絶望的となって春全休。もし出走していれば惑星となり得る存在だったが、戸崎圭太騎手の取りこぼしは痛かった。
レース後のコメントで「追い出しが遅くなりました。申し訳ありませんでした」と謝罪していたが、1頭の馬の将来を左右した戸崎騎手の責任は大きい。
とはいえ、世代レベル全体を考えると、3戦3勝で挑んだデシエルトも含め、無敗馬がいなくなった皐月賞の結果には、どことなくガッカリ感を覚えたのも事実。こういった感情の根底にあるのは、「この馬は一体どこまで強いのか」と感じた昨年のエフフォーリアのようなワクワクよりも、レースをやり直すたびに勝ち馬が変わりそうな力関係だ。
このままだとダービーも皐月賞上位4頭のボックスを買えば、馬券を的中出来そうな雰囲気すらあるものの、例年に比べれば馬よりも騎手の巧拙が明暗を分けた皐月賞だった印象が残った。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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