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JRAヴィクトリアマイル(G1)デアリングタクトに松山弘平が感じた違和感…「中363日」トウカイテイオー復活劇の再現が難しい理由とは

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デアリングタクト

 15日、東京競馬場で行われるヴィクトリアマイル(G1)は豪華メンバーが揃い踏み。白毛のG1馬ソダシをはじめ、アカイイト、レイパパレ、レシステンシアといった一線級の牝馬たちが出走を予定している。

 中でも大きな注目を集めるのが、2年前に「無敗の牝馬3冠」を達成したデアリングタクト(牝5歳、栗東・杉山晴紀厩舎)である。

 昨年に香港のクイーンエリザベス2世C(G1)に出走した後に故障が判明。今回は約1年ぶりの復帰戦であり、歴史的偉業を成した名牝が再びターフを駆ける姿に大きな期待が寄せられる。

 前走からのレースの間隔は「中385日」となり、仮に復活勝利を遂げた場合はトウカイテイオーの「中363日」でのG1最長勝利間隔の記録を塗り替えることとなる。大きな怪我を乗り越えての奇跡の復活を願うファンも多いはずだ。

 しかし「奇跡」は簡単には起こらないようで、デアリングタクトの復活劇には早くも暗雲が立ち込めている。

トウカイテイオーが成し遂げた「奇跡」の復活

 

 4月27日に行われた2週前追い切りでは、主戦の松山弘平騎手が騎乗。無敗の牝馬3冠の偉業を達成した「相棒」が久しぶりにデアリングタクトに跨ることとなった。栗東のWコースで追い切られ、馬なりで6ハロン79.9-11.8秒の好タイム。復帰戦へ体制は整っている様子だが、松山騎手は「歩幅が小さくなって…これだけ休んだので昔の感じはなかった」と不安気なコメント。デアリングタクトの背中をよく知る主戦騎手は、タイムには表れない部分でブランクの影響を感じ取ったようだ。

 今回の長期休養は「全治9か月」の大怪我を負ってのものであり、競走能力への影響が全くないと考える方が難しい。トウカイテイオーの有馬記念(G1)さながらの「奇跡の復活」を期待したいが、実はこの2頭の「1年間のブランク」の中身は大きく異なる。

 トウカイテイオーは確かに1年間の休養を挟んだが、実はその途中に宝塚記念(G1)への出走を予定していた。

 当然、レースに向けて入念な仕上げが施されていたが、直前に骨折が判明。この怪我が原因で、出走を断念することになった経緯がある。後の有馬記念での勝利は「1年ぶり」の復活と世間では認知されているが、実際は半年前にしっかりと調教を積めていた状態だった。

 また、このときの怪我は「左前トウ骨の剥離骨折」というもので、これは競走能力に大きな影響を及ぼす程の怪我ではない。近年ではダノンザキッドが同様の怪我を負ったが、約半年の休養を経て完治し、マイルCS(G1)では3着に好走してみせた。1年ぶりの有馬記念での勝利を「奇跡」と呼ぶ声も多いが、トウカイテイオー自身に怪我による力の衰えはなく、復活勝利はある意味「必然」だったといえる。

 一方でデアリングタクトの怪我は「右前肢の繋靱帯炎」であり、全治9か月を要する大怪我。かつてはアドマイヤベガ、シーザリオ、ハープスター、近年ではフィエールマンが同様の怪我で引退を強いられており、競走能力への影響も十分に考えられる。

 当然だが治療中は本格的な調教を積めておらず、外厩先のチャンピオンヒルズに入厩したのは2月の半ばになってから。同じ「1年間」のブランクだが、怪我の程度も小さく半年前に一度仕上げられていたトウカイテイオーとは、1年間の「中身」が大きく異なっている。

「奇跡の復活」が期待されるデアリングタクトだが、繊細なサラブレッドにとって、大怪我を乗り越えて復活を遂げることは簡単ではない。復活を願いながらもデアリングタクトの現在の力を過信しすぎず、まずは無事にターフを駆け抜け、レースを終えることを願いたい。

(文=エビせんべい佐藤)

<著者プロフィール>

 98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。

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