JRA【オークス(G1)予想】川田将雅×アートハウスは断然の消し! ◎は本命視されているアノ馬ではなく、買うだけの理由がある穴馬!
今回は牝馬クラシック2冠目、オークス(G1)を予想していきたいと思う。
まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていきたい。
桜花賞 16頭
フローラS 8頭
忘れな草賞(OP) 3頭
皐月賞、スイートピーS(L)、矢車賞(1勝クラス) 各1頭
となっている。半数以上が桜花賞組で桜花賞上位入線馬が好成績を挙げているが、桜花賞大敗からの巻き返し例もあるので、着順だけではなく多角的に見る必要はある。次いでトライアルのフローラS(G2)からの臨戦馬が多く、この2戦で大半を占めている。注目の忘れな草賞組は3頭であるが、うち2頭は上位人気に応えて勝利している。
続いて人気順の成績を見てみよう。
1番人気 5-2-1-2
2番人気 1-3-3-3
3番人気 3-0-1-6
4~6番人気 0-3-2-25
7~9番人気 1-1-1-27
10番人気以下 0-1-2-85
となっている。1番人気は信頼に値する成績と言えよう。昨年こそ勝利を逃しているが、距離不安があったソダシだったので度外視していいだろう。これを除くと近5年で4勝と実績は断然。2番人気も近5年なら20年こそ馬券圏外に飛んでいるが、それ以外の年は馬券に絡んでいるので、こちらも重視すべきか。注目は10番人気以下。3年連続で馬券に絡んでいるので、吟味しておく必要がありそうだ。
これらを踏まえて「◎」は思いのほか人気がなさそうな9番エリカヴィータとしたい。
前走はフローラS。終始4番手を進み、直線で前の馬を交わして勝利を挙げた。この馬はまだキャリア3戦で、19年のラヴズオンリーユーと同じく最少キャリアで臨んでいる。もっともラヴズオンリーユーは歴史に残る名牝。オークスでも3戦無敗で臨んでいたので、単純比較はできないが、こちらは東京2000mの重賞を制している分、他馬より距離に見通しが立っているのは確か。
陣営も前走で立て直しが成功し、実力をいかんなく発揮できたと称賛。デキの良さをアピールしている。この国枝厩舎は近5年で3頭馬券内に送り込むなどオークスとの相性もいい。またフローラS組は昨年、一昨年と馬券に絡んでいるほか、枠順も好成績を残している5枠を引いたなど、恵まれている感が強い。
素直に勝てるかどうかは疑問が残るが、3着内に入る可能性は高いと見て「◎」を打つ。
「○」は本命視されているが、6番サークルオブライフを推す。
前走は桜花賞で、大外枠から後方待機策を採って直線上がり最速の鬼脚を繰り出すも届かず4着だった。
詳しくは本サイトのこの記事を参照してほしいが、データ的には後押しするものが揃っている。臨戦過程も17年に勝利したソウルスターリングと酷似しており、桜花賞の鬱憤を晴らすチャンスと見ている。
ただし、後押しするデータだけでは当然ない。まず、入った3枠だが過去10年で3着が2回あるだけのいわゆる「死に枠」。加えてご存じの通り今年のG1で1番人気が8連敗中という流れもある。ただ、陣営もデキの良さを強調しているだけに3着内を外すことは考えにくいということで「○」とした。
「▲」は人気薄だが15番ピンハイを挙げる。
前走は桜花賞。中団より後ろにつけてレースを進め、直線では内からいい脚を使って上がってきたものの、前が壁になるなど進路が開かず脚を余した格好の5着だった。
この馬もキャリア3戦で臨むわけだが、2戦目のチューリップ賞(G2)が人気薄で2着に入りオープン入り。ただ、この1戦がフロック視されて桜花賞でも人気がなかったわけだが、3着以下10着までハナからアタマ差の中に収まる大激戦で5着に入っており、実力のほどは証明してみせたと言えよう。
初の長距離輸送や2400mの距離など克服する課題はあると陣営も認めているものの、少なくとも今回は外枠を引いたことと脚質を考えれば前走のように脚を余すことはないだろう。また7枠は5枠以上に成績のいい枠だけに、まさに好枠を引いたと言える。
ただ、こちらも不安点がある。まず血統的なところで、父ミッキーアイルは自身もスプリントからマイルで実績を残しているが、産駒も1800m以上にまったく実績がない。重賞もメイケイエールやナムラクレアが勝ち星を挙げているが、どちらも短距離重賞によるもの。2400m戦になってどう出るか。加えて、2戦目、3戦目と馬体重を減らしているのも気にかかる。元々小柄な馬だが、前走は406kgとデビュー時から14kgも少ない馬体重で出走している。これ以上、馬体重が減った状態で出走するとなると疑問符がついてくる。
ただ、潜在能力の高さは疑いようがないので、そこを買って「▲」とした。
「△」は1番ウォーターナビレラ、8番ナミュール、18番スターズオンアースと人気どころ3頭としたい。
ウォーターナビレラに関しては、前目で競馬して残れれば可能性が高いと見ている。ナミュールの桜花賞10着は負けすぎの感もあるが、出遅れが響いたのは確か。上手くスタートを切れて中団につけられればチャンスはあると考える。スターズオンアースは大外枠を引いてしまったが、ロスなく好位置を掴めれば可能性は十分あるだろう。
ただ、3頭それぞれに不安点があり、ウォーターナビレラは血統面から来る距離不安。シルバーステート産駒で2000m以上に勝ち鞍がなく、辛うじて2着、3着が一度ずつあるだけなので、800mの距離延長に対応できるかどうか。
ナミュールは上記の通りスタートが悪いことと、春先に比べていくらか調子を取り戻しつつあるが、鞍上の不調が気がかりである。それはスターズオンアースのC.ルメール騎手も同様で、先週のヴィクトリアマイル(G1)ではファインルージュを2着まで持ってきたが、依然重賞の勝ち星がない。
加えて、スターズオンアースについては2冠の器かどうかということもある。正直、過去の2冠牝馬に比べてスケールの面で大きく見劣りするのは否めないが、勝ち星はなくとも馬券圏内ならあるとは見ている。
人気どころを大方押さえてしまったが、注目のアートハウスは切りとする。
前走は忘れな草賞(L)。4番手からの競馬で、直線で上がり最速の脚を使って前を交わし、3馬身差の完勝だった。
こちらもキャリア3戦での臨戦であるが、3戦とも2000m戦を使ってきたため、距離不安はほぼないと考えていいだろう。消す理由としては、2戦目に負けたエリカ賞(1勝クラス)のレースレベル。勝ったサトノヘリオスが皐月賞(G1)で好走しているようであれば、評価もできるが、ブービー負けと大敗を喫している。そのレベルの馬に0.9秒差で負けているとなるとオークスの舞台で通用するか疑問が残る。
あと、陣営のコメントがまったく奮わない。人気している馬とは思えないほど弱気なコメントが出ており、課題ばかりが目に付く。鞍上の川田将雅騎手のコメントも辛口で、正直なところ勝ち負けはおろか、馬券圏内すら怪しいとさえ思える。メンバーは揃っているので、ここでは黙って消しだろう。
ということで、今回は1番、6番、8番、9番、15番、18番の6頭から3連複BOX20点勝負とする。
手堅い目を狙ったわけではなく、昨年の16番人気ハギノピリナ3着のようなケースも想定したのだが、どうもしっくりくる穴馬がいなかった。とは言え、◎と▲は穴馬なので、印通り来れば高配当は十分期待できる。
(文=トーラス神田)
<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。
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