JRA武豊ドウデュースの「現地評価」は真っ二つ!? 凱旋門賞(G1)「行きます」宣言も消えぬ不安
自身6度目の日本ダービー(G1)制覇を遂げた武豊騎手が、興奮冷めやらぬレース当日夜、グリーンチャンネルの『G1 NIGHT FOCUS 第89回日本ダービー』に電話で生出演。ドウデュースを管理する友道康夫調教師とともに勝利したときの心境や今後の展望について率直に語った。
MCを務めた小堺翔太アナから次々と繰り出される“質問攻め”に小気味よく回答した武騎手。凱旋門賞への挑戦については、「夢は広がりますね」と前向きな発言をしてファンを喜ばせた。
ドウデュースの凱旋門賞挑戦はもはや既定路線といえる。ダービー終了後、所有するキーファーズの松島正昭代表も『中日スポーツ』の取材に、「(凱旋門賞に)行きます。友道調教師にお任せして、どこでも行きます。絶対に行きます」と宣言した。
海外の主要ブックメーカーはダービーの結果を受けて、早速最新のオッズを更新。5月4日時点で、『ウィリアムヒル』と『bet365』の英国大手ブックメーカー2社はともに33倍をつけていたが、ダービー後は前者が14倍に、後者は21倍へと上方修正した。
30日現在、両社とも1番人気は昨年の3着馬ハリケーンレーンで一致しているが、ドウデュースへの評価はその数字を見ても分かる通り、若干違っているようだ。それは他の日本馬のオッズと比較しても明らかである。
ドウデュースの「現地評価」は真っ二つ!?
「『ウィリアムヒル』の14倍というオッズは驚きましたね。12番人気から一気に4番人気まで急浮上しました。20倍で並ぶシャフリヤールとタイトルホルダーを追い抜いたことになりますね。
一方で、『bet365』については、33倍から21倍とやや控えめでした。エフフォーリアとシャフリヤールが17倍、タイトルホルダーが同じ21倍なので、日本馬の中では3番人気タイということになります。『ウィリアムヒル』とは評価が分かれましたね」(競馬誌ライター)
もちろん日本の競馬ファンなら『bet365』のオッズに妙味を感じるだろう。ダービーの直線で見せた瞬間移動さながらのキレ味を見ても、ファンの期待は高まるばかりだ。ところがドウデュースの最大の武器が逆にネックになる可能性が高いという。
「数十年来の競馬ファンには当然の話ですが、日本とフランスは同じ芝でも全く別物です。軽い日本の芝は高速馬場ともいわれ、スピードとキレが問われます。一方、フランス(ロンシャン競馬場)は重く深い洋芝で、とにかくタフさが求められます。東京とロンシャンでは同じ2400mでもタイムは10秒近く違うこともありますからね。求められる能力が全く違います。
今年は2分21秒9というダービーレコードが出たようにかなりの高速馬場でした。あれだけのキレを見せた馬だけに逆にロンシャンの芝は合わない可能性も考えられますね」(別のライター)
ドウデュースはこれまで洋芝経験どころか道悪で走ったこともない。ロンシャンで好走できるかどうかは全く未知数といえるだろう。
気になる今後だが、洋芝を経験させるなら、8月の札幌記念(G2)も選択肢の一つになるかもしれない。現地の前哨戦を使うことも当然視野に入るだろう。いずれにしても次走が本当の意味で試金石となりそうだ。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
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