JRA【エプソムC(G3)展望】横山典弘「やはり走る馬」ジャスティンカフェVS岩田康誠「思い入れがあんねん!」ノースブリッジ! 注目馬2頭が激突
12日には東京競馬場でエプソムC(G3)が行われる。出走していれば1番人気も予想されたプログノーシスが右トモの疲労を理由に回避。主役候補の1頭が不在となり混戦模様を呈している。
重賞勝ち馬も少なくない中、あえて2勝クラス、3勝クラスを連勝中の上がり馬を最初に取り上げてみたい。昨年4月のアーリントンC(G3)以来、1年2か月ぶりの重賞となるジャスティンカフェ(牡4歳、栗東・安田翔伍厩舎)だ。
陣営は5日の安田記念(G1)にも登録を行っていたが、賞金不足により無念の除外。1週スライドしての一戦で3連勝を狙う。
これまで「4-3-1-1」と安定した成績を残しているジャスティンカフェにとって唯一の馬券圏外が重馬場で行われたアーリントンCでの13着だった。デビュー戦は不良馬場で勝利しているが、自慢の切れる末脚は良馬場でこそ。良馬場で走った7戦は全て33秒台以下の上がり時計をマークしているように、高速決着が目立つ今の東京なら十分勝負になるだろう。
2走前から手綱を取り、連勝に導いたのは大ベテランの横山典弘騎手。湘南S(3勝クラス)では、後方2番手という位置取りから32秒9の末脚を引き出し、14頭をごぼう抜きした。逃げ粘るウインシャーロットを3馬身突き放した圧巻のパフォーマンスに「やはり走る馬ですね」とコメント。試金石となる昇級初戦でも強烈な末脚を引き出してくれるか。
同じく前走の3勝クラスを勝利し、オープン入りしたノースブリッジ(牡4歳、美浦・奥村武厩舎)にも注目だ。
前走は稍重で行われた2月のアメジストS(3勝クラス)。久々に逃げの手を打つと、1000m通過61秒2のスローペースに落としてまんまと逃げ切った。
前走後は無理をさせず、じっくり休養し、これが4か月ぶりの実戦。これまで3歳限定の重賞を3回走っているが、ラジオNIKKEI賞(G3)の3着が最高着順で、青葉賞(G2)とセントライト記念(G2)では2桁着順に大敗している。ただしその2戦は2400mと2200mと距離もやや長かった。1800mの今回はいきなり通用しても不思議はない。
手綱を取るのは8戦中6戦で鞍上を務める岩田康誠騎手。過去には「思い入れがあんねん!」(週刊Gallopのツイート)とコメントしたとか。思い入れのある馬と臨むセントライト記念以来の重賞で、飛躍のきっかけをつかむことができるか。
3勝クラスを勝ったばかりのジャスティンカフェとノースブリッジに対し、重賞2勝の実績を誇るのがザダル(牡6歳、美浦・大竹正博厩舎)だ。
重賞初制覇を果たしたのは昨年の当レースで、サトノフラッグとの接戦をクビ差で制した。その後は2戦続けて凡走するも、今年初戦の京都金杯(G3)で重賞2勝目をマーク。前走のダービー卿CT(G3)は58kgの酷量も堪えたか10着に終わった。別定戦の今回も58kgを背負うことになるが、克服できるだろうか。
ザダルの鞍上を務めるのは4日の鳴尾記念(G3)をヴェルトライゼンデで制したD.レーン騎手。外国人騎手は一度調子に乗ると手が付けられなくなるだけに、その騎乗ぶりには要注目だ。
2年前の共同通信杯(G3)勝ち馬ダーリントンホール(牡5歳、美浦・木村哲也厩舎)は、C.ルメール騎手と2度目のコンビで重賞2勝目を狙う。
1番人気に推された前走のダービー卿CTは、前崩れの展開のなか、中団からしぶとく伸びて3着を確保。久々の距離延長となるが、2000m未満の距離では大崩れしておらず、ここでも上位争いは必至。やや時計のかかる湿った馬場になればチャンスはさらに広がりそうだ。
11番人気で臨んだダービー卿CTを直線一気の競馬で制したタイムトゥヘヴン(牡4歳、美浦・戸田博文厩舎)も侮れない。
前走の京王杯SC(G2)も5番人気で3着と連続好走し、安田記念にも登録があったが、除外の憂き目に遭っていた。一皮むけた感のある今なら1800mで通用してもおかしくない。
この他にも、芝1800mの重賞勝ち馬が3頭出走を予定している。
2年前のスプリングS(G2)を勝ったガロアクリーク(牡5歳、美浦・上原博之厩舎)は石橋脩騎手と、2年前のきさらぎ賞(G3)覇者コルテジア(牡5歳、栗東・鈴木孝志厩舎)は三浦皇成騎手とそれぞれ新コンビを結成。昨年の府中牝馬S(G2)を勝ったシャドウディーヴァ(牝6歳、美浦・斎藤誠厩舎)は、坂井瑠星騎手と2度目のコンビで臨む。
今年のエプソムCは3勝クラスを勝ったばかりの上がり馬が勢いを見せるのか、それとも実績馬が意地を見せるのか。発走は12日、15時45分を予定している。
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