JRA C.ルメール「鬼門」安田記念で悪夢の連敗…グランアレグリアやアーモンドアイで取りこぼしも、絶対に覚えておきたい「軽視厳禁」の実力
5日、東京競馬場で開催された春のマイル王決定戦・安田記念(G1)は、池添謙一騎手の4番人気ソングラインが優勝。コンビにとっても1年前のNHKマイルC(G1)でハナ差2着に敗れた因縁の相手シュネルマイスターにリベンジを決めた。
本命馬が悉く不可解な敗戦をすることで有名な、お笑い芸人「霜降り明星」の粗品が扮するマイ億君に指名されたため、多くのファンから「呪い」を危惧されたものの、見事に跳ね返した。
これに対し、2番人気に支持されたシュネルマイスターは、あと一歩のところで敗れ、勝ち馬からクビ差の2着。騎乗していたC.ルメール騎手は、「この馬の能力が戻ってきました。ラスト150mではすごく良い脚を使ってくれました。次走も楽しみです」と前向きに振り返っている。
同馬の本来の実力を考えれば、大本命に推されても不思議ではない実力の持ち主ではあるが、期待の大きかった前走のドバイターフ(G1)で8着に凡走したことや、陣営から太目残りを懸念するコメントが出ていたことも影響したか。
とはいえ、ルメール騎手が「休み明けでもすごく良い状態」と話していたなら、実力を発揮できる状態にあったということだろう。
絶対に覚えておきたい「軽視厳禁」の実力
その一方で触れなければならないのは、ルメール騎手が安田記念で4連敗を喫しているという事実である。2018年に9番人気の穴馬モズアスコットを勝利に導いて以降、アーモンドアイやグランアレグリアなど単勝1倍台の大本命馬でも取りこぼしている。こういった結果を考えると、ルメール騎手にとっての安田記念は鬼門といえるのかもしれない。
しかし、東京芝1600mのG1として考えた場合、ルメール騎手がいかにこの条件を得意としているのかも分かる。
先述したモズアスコットの前にも2016年NHKマイルCのメジャーエンブレム、17年ヴィクトリアマイルのアドマイヤリードで優勝。16年からの5年間で6勝を挙げているように、相性は決して悪くない。以下は、2019年安田記念以降の東京マイルG1におけるルメール騎手の成績である。
■C.ルメール騎手、東京芝1600m(G1)の成績
(安田記念=安田記、NHKマイルC=NHK、ヴィクトリアM=ヴィク)
19年安田記 アーモンドアイ 1番人気3着
20年NHK レシステンシア 1番人気2着
同年ヴィク アーモンドアイ 1番人気1着
同年安田記 アーモンドアイ 1番人気2着
21年NHK シュネルマイスター 2番人気1着
同年ヴィク グランアレグリア 1番人気1着
同年安田記 グランアレグリア 1番人気2着
22年ヴィク ファインルージュ 3番人気2着
同年安田記 シュネルマイスター 2番人気2着
1番人気6頭、2番人気2頭、3番人気1頭と馬質に恵まれていることは確かだが、騎乗機会9回で【3.5.1.0/9】と抜群の好成績。少なくとも直近9回の東京のマイルG1でルメール騎手から流せば、すべて馬券の対象になっているのだ。
安田記念の前に教えてくれという叱責は覚悟しているとはいえ、次回以降で思い出して頂ければ幸いというところ。「東京マイルはルメールから買え」は、これからも絶対に覚えておきたい。
また、今年のG1勝利がオークスのスターズオンアースの1勝のみとはいえ、8鞍に騎乗して【1.4.0.3/8】なら十分な好成績といえる。これは全騎手中でもトップとなる馬券圏内の突入率である。
26日の宝塚記念(G1)でもオーソリティとのコンビを予定しているルメール騎手の軽視は厳禁。終わってみれば、「やっぱりルメールを買えばよかった」というオチは、これからもまだまだ続きそうな雰囲気だ。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。
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