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JRA C.ルメールも絶賛した「元怪物候補」がぶっちぎりの最下位……競走中止レベルの自滅も「期待の新星」を結果的にアシスト!?

JRA C.ルメールも絶賛した「元怪物候補」がぶっちぎりの最下位……競走中止レベルの自滅も「期待の新星」を結果的にアシスト!?の画像1
C.ルメール騎手

「秋が楽しみです」

 19日、東京競馬場で行われた8Rの1勝クラスは、C.ルメール騎手の1番人気パラレルヴィジョンが2着に3馬身差をつける快勝。デビューが遅れた期待の新星が”文字通り”飛躍の秋へと胸が膨らむ2連勝を飾った。

競走中止レベルの自滅も「期待の新星」を結果的にアシスト!?

 その一方で、人気を分け合った2番人気のウィズグレイス(牝3、美浦・国枝栄厩舎)はまさかの最下位に完敗。勝ち馬から実に5秒も離された惨敗に、一部ファンからは故障を心配する声も上がったほどだ。

 昨年11月に同舞台で行われた未勝利戦では、2歳日本レコードの勝ち時計で2着に6馬身差をつける衝撃的な逃げ切り勝ち。当時、鞍上を務めたルメール騎手も「強かったね。ビックリ!」と絶賛したほどの逸材である。

 その圧巻の内容から一躍クラシック候補へと名乗りを上げたが、圧倒的人気を集めた次戦のセントポーリア賞(3歳1勝クラス)で2着、続く前走のアネモネS(L)でも1番人気に推されるも9着に敗れ、桜花賞(G1)出走は残念ながら叶わず。今回はそれ以来、改めて真価が問われる仕切り直しの一戦だった。

 これまで東京コースでの良績が目立っていたウィズグレイス。事実、初戦や前走の中山コースで結果を残せず、主戦だったルメール騎手の過去のコメント「次の東京で勝てる」(新馬戦5着後)、「距離も2000mの方がいい」(セントポーリア賞2着後)などからも、今回の東京芝2000mへのコース変わりは巻き返し必至との見立ても多かった。

 ところが、肝心のレースではかつての衝撃的な走りは見られず。

 9頭立ての芝2000mで行われたレースは6枠6番からスタートを切ると、内目からハナを主張したサイモンベラーノに競りかけるような激しい先頭争いを繰り広げる。競り合いのすえ道中は2番手に控えるも、前半1000m通過タイム58秒0のハイペースを作り出してしまう。

 その影響もあってか、最後の直線に入ってからはすでにお釣りがなく、力尽きたようにズルズルと後退。同舞台の衝撃的な未勝利戦とは対照的ともいえるシンガリ負けを喫した。

「直線に入って手応えがなくなったのを察した戸崎圭太騎手も後ろを確認して追うのをやめていましたが、それにしても負けすぎ感は否めないですね……。勝ち時計の1分58秒0は十分好タイムですが、未勝利勝ちの時に1分58秒5を記録したウィズグレイスにしてみれば、どうしたものかと敗因が気になります」(競馬誌ライター)

 さらに、このレースを制したのは前述した同じ国枝厩舎のパラレルヴィジョン。スタートではやや立ち遅れて最後方からの追走となったものの、ウィズグレイスらのハナ争いからペースが流れたことで結果的に差し馬有利の絶好の展開。結果的にライバルでもある僚馬に”ナイスアシスト”を決めてしまった。

 いずれにしても仕切り直しとなった得意の東京コースで、ぶっちぎり最下位の屈辱を味わったウィズグレイス。元怪物候補が再びターフで輝きを取り戻す日は、果たしてやってくるのだろうか。

(文=ハイキック熊田)

<著者プロフィール>
 ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

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