
ナリタブライアン、サクラローレルらと渡り合った馬が「不治の病」から奇跡のカムバック!JRAオールカマー史に残る「涙の復活劇」

いよいよ秋のG1戦線が近づいてきた先週、悲しいニュースが飛び込んできた。
昨年の阪神JF(G1)の勝ち馬で、10日の紫苑S(G3)で4着だったサークルオブライフ(牝3、美浦・国枝栄厩舎)が屈腱炎により長期休養、予定していた秋華賞(G1)を回避する事が陣営から発表された。完治まで9ヶ月以上要すると見込まれており、復帰できるとしても来年の夏以降になりそうだ。
オールカマーの歴史に残る、不治の病から奇跡のカムバック
25日、中山競馬場でオールカマー(G2)が行われるが、67回の歴史を数えるこのレースで屈腱炎による長期休養から奇跡の復活を果たした馬がいる。1999年に同レースで優勝したホッカイルソーだ。
ホッカイルソーといえばフジキセキ(朝日杯3歳S・G1)やタヤスツヨシ(日本ダービー・G1)などと同期。クラシック三冠全てに出走し、皐月賞(G1・4着)や日本ダービー(4着)、菊花賞(G1・3着)と安定した成績を残した。古馬になり、1996年の日経賞(G2)で初めて重賞を制すると、次走の天皇賞・春(G1)ではサクラローレル、ナリタブライアンに次ぐ3着と大健闘、いよいよ本格化かというところまできていた。
しかし「競走馬のガン」と呼ばれる屈腱炎で約3年を棒に振ることになる。
屈腱炎といえば当時の医療技術では今以上に完治が難しく、ナリタブライアンやダンスインザダーク、マヤノトップガンなど錚々たる名馬たちが引退に追い込まれた「不治の病」。ホッカイルソーも引退の可能性が囁かれたが、陣営の懸命の努力もあり1999年の中山記念(G2)で実に3年ぶりの復帰を飾った。
「さすがにもうキツいか…」
復帰後オールカマーまでの6戦で【0.2.0.4】と不安定な成績を残し、ファンからは諦めの声も上がっていた。
そして迎えた1999年のオールカマー。前年同レース優勝のダイワテキサスが単勝1番人気、同2着のダイワオーシュウが2番人気に推され、ホッカイルソーはそれに次ぐ3番人気だった。
レースはサイレントハンター、グランスクセーの2頭がハイペースで大逃げを打つ中、ホッカイルソーは後方待機。4コーナーから直線で早めに抜け出したダイワ2頭を強襲、最後はダイワオーシュウをハナ差で差し切った。勝ちタイムは芝2200mのコースレコード(当時)となる2分12秒0。復活勝利としてこれ以上の内容があるだろうか。
「屈腱炎から復帰するだけでも難しいのに、重賞を上がり最速でレコード制覇、しかも8歳(現在の表記では7歳)という高齢での勝利です。
G2なのにG1のような、観客席からの“ルソーコール”は鳥肌ものでした。当時の実況もアナウンサーが興奮したほどでしたからね。オールカマーでは様々な名勝負が繰り広げられてきましたが、その中でも指折りのレースのひとつです」(競馬記者)
「厩舎を開業して初めてクラシック(1995年皐月賞4着)に出走し、重賞初勝利(1996年日経賞)もこの馬だった」
ホッカイルソーを管理していた田中清隆元調教師は、今年2月に定年・引退を迎える際『サンケイスポーツ』の取材で思い出の一頭を尋ねられた際、前述のようにホッカイルソーの名を挙げた。G1を勝利したシンコウウインディやグルメフロンティア、レディパステル、ホエールキャプチャを選ばなかったことからも、田中清元調教師のホッカイルソーに対する思い入れの強さが窺える。
今年のオールカマーはソーヴァリアント、クリスタルブラック、バビットの3頭が長期休養明けでの出走を予定している。ホッカイルソーのような感動の復活劇を見られるだろうか。
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