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カフェファラオ、オメガパフューム「3歳秋」シリウスS制覇はG1級の証明

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 10月1日、中京競馬場では秋の名物ダート重賞・シリウスS(G3)が行われる。

 12月に控えている大一番・チャンピオンズカップ(G1)に向けて、実績馬と新興勢力が激突する注目の一戦。なかでも新星候補として注目を集めるのが、3歳馬のハピ(牡、栗東・大久保龍志厩舎)だ。

 同馬はデビューから3連勝で3歳限定戦の鳳雛S(L)を制し、7月に大井で開催された世代No.1ダート馬を決するジャパンダートダービー(G1)でも4着と奮闘した実力の持ち主。

 前走のレパードS(G3)では2番人気で3着に敗れたものの、スタートで他馬に寄られる不利を受けており、道中は15頭中11番手からという厳しい滑り出しに。手綱を取った藤岡佑介騎手も「コース形態を考えて4コーナーで良い位置にいるというプランでした」とコメントしたように、新潟コースで外から徐々に押し上げていくという厳しいレースを強いられた。

 それでも最後まで長く脚を使い、上がり3ハロンはメンバー中最速タイの37秒9をマーク。まさに負けて強しの内容で、世代屈指の実力を見せたと言える。

 今回のシリウスSには、園田で行われる3歳限定重賞・兵庫チャンピオンシップ(G2)を制し、JDDでも3着に入ってハピに先着したブリッツファングも登録していたが、こちらは白山大賞典(G3)に向かうことが決定。

 そんな事情もあって、今回のシリウスSに参戦する3歳馬はハピとハセドンの2頭に。なかでもハピは3歳の最有力馬として、古馬との戦いに挑むことになる。

群雄割拠の「ハイレベル世代」として脚光

 今年の3歳世代と言えば、2月のサウジダービー(G3)ではセキフウが2着、コンシリエーレが3着と健闘。さらに3月のUAEダービー(G2)ではクラウンプライドが優勝を果たすなど、日本に留まらず世界の大舞台で活躍する有望株を多数輩出している。

 その後の国内の世代別重賞でも異なる勝者が続々と出てきており、群雄割拠の「ハイレベル世代」として脚光を浴びるようになった。

 そのイメージが強いだけに、この秋以降の重賞戦線での活躍にも自然と期待が膨らむのだが、それが裏切られる形となったのが28日に船橋で行われた日本テレビ盃(G2)だ。

 交流重賞で無類の強さを誇る8歳牝馬のサルサディオーネをはじめ、昨年のJBCクラシック(G1)を制したミューチャリーといった地方の強豪も出てきた中、1番人気に推されたのがユニコーンS(G3)の勝ち馬で、JDDでも2着に入ったJRAの3歳馬ペイシャエスだった。

 さらにUAEダービー馬のクラウンプライドが3番人気、JDDの覇者であるノットゥルノが4番人気と中央の3歳馬が支持を集めたが、勝ったのは船橋所属の8歳馬・フィールドセンス。抜け出したクラウンプライドを上がり最速の末脚でねじ伏せ、波乱の立役者となった。

 クラウンプライドは2着に入ったものの、ペイシャエスは1番人気で4着と馬券内に届かず。ノットゥルノも7着と、この世代の上位馬たちが古馬の底力に屈する結果となっている。

「3歳vs.古馬」というと、斤量面の恩恵から3歳馬が活躍するイメージを抱く方も多いかもしれない。特に夏競馬では、3歳馬が自己条件で躍進するというシーンが多くみられるだけに、今の時期は尚更だ。

 しかし、その中身を見てみると、多くは芝のレースでのもの。地力が問われるダート戦においては、年下の馬よりも調教を積み、また実戦の経験も豊富な古馬に一日の長がある。

 そういったことを踏まえると、逆に3歳秋の段階でダート重賞に挑み、古馬の壁を軽々と超えていくような新星が現れたとしたら、それは想像以上の才能の持ち主だと考えることができる。

 例えば、このシリウスSで言うと、2020年にカフェファラオが初の古馬混合戦をものともせずに快勝。続戦したチャンピオンズCは6着と敗れたものの、翌年2月のフェブラリーステークス(G1)を制覇。今年も勝って連覇という偉業も成し遂げている。

 さらに2018年には、オメガパフュームがこのシリウスSで重賞初勝利。JBCクラシックは惜しくも2着、チャンピオンズCでは5着と敗れたものの、年末の東京大賞典(G1)を見事に制覇。3歳のうちにG1勝利を掴み取った。

 この他にも、ダートG1で3勝したワンダーアキュートも、3歳秋の時点でシリウスSを勝利。数多くの砂のスターを輩出してきた歴史がある。

「ハイレベル世代」の代表として、ハピも過去のヒーローたちのように明るい未来を切り開いていくことができるか。シリウスSが今後を占う試金石となる。

木場七也

木場七也

29歳・右投右打。

本業は野球関係ながら土日は9時から17時までグリーンチャンネル固定の競馬狂。

ヘニーヒューズ産駒で天下を獲ることを夢見て一口馬主にも挑戦中。

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