武豊×金子真人オーナー「期待の良血」も惨敗デビュー…ドウデュース厩舎が苦戦
15日に阪神競馬場で行われた5Rの2歳新馬は、先日のスプリンターズS(G1)を制したジャンダルムの甥にあたるエイムインライフが1着。NHKマイルC(G1)を勝ったダノンスコーピオンの弟ダノンバビルが2着と、期待の良血馬たちがワンツーを決めた。
しかしその一方で、同じく良血馬でありながら、10頭立ての7着と見せ場なく敗れてしまったのが、武豊騎手の3番人気デューデット(牝2、栗東・友道康夫厩舎)だ。
同馬はジャパンC(G1)や宝塚記念(G1)で2着したデニムアンドルビーの初仔で、オーナーは同日の府中牝馬S(G2)で単勝1.9倍に支持されたソダシの馬主としても知られる金子真人氏。下馬評では上位人気の一角を担っていたものの、最後の直線では伸びを欠いた。
そのデューデットを管理するのは、今年の日本ダービー(G1)をドウデュースで制した友道厩舎だ。これまでもマカヒキ、シュヴァルグラン、ワグネリアンなど数々のG1馬を輩出してきた西の名門である。
近年は、リーディングでも2位(2020年)→3位(2021年)と充実。今年も大阪杯(G1)のポタジェや先に挙げたドウデュースでG1を2勝するなど、随所に渡って存在感が光る。
ただ、大舞台では相変わらず存在感抜群の友道厩舎だが、全体の勝利数においては伸び悩んでいる。15日終了現在29勝でリーディング13位。昨年3位の厩舎としては、やや物足りない成績にも映る。
現2歳世代の逸材たちが揃って苦戦中
不振の原因の一つが、現2歳世代の苦戦だ。
6月から始まった2歳戦の成績は「1-3-2-6/12」勝率8.3%(15日終了時点)となっており、唯一の勝利は10日の新馬戦を制したグランヴィノスのみ。好調だった昨年同時期の2歳戦の成績「6-2-3-3/14」勝率42.9%と比較すると、その差は歴然だ。
今年は2億4200万円の高額馬シャザーン、元プロ野球選手の佐々木主浩オーナーが所有するガルヴァナイズ、武豊騎手が懇意にするインゼルレーシング所属馬として「第2のドウデュース」と期待されたドウフォルスなど、デビュー前から評判が高かった逸材たちが悉く敗戦。
これら現2歳世代の苦戦が、友道厩舎の勝利数に大きな影響を及ぼしていると言っても過言ではないだろう。
とはいえ、年末までまだ時間は残されている。2歳馬は不振続きだが、出走した12頭の内10頭(いずれも延べ数)が3番人気以内だったことを考えると、それだけチャンスがあるタレントを揃えているという見方もできる。
まだデビューを控えている中にも、昨年のセレクトセールにて2億900万円で取引されたアドマイヤイル、菊花賞(G1)や天皇賞・春(G1)を制したワールドプレミアの妹マンデヴィラ、阪神JF(G1)を制したレシステンシアの弟ジャスティンボルトなど、期待溢れる2歳馬たちがスタンバイしている。
昨年は48勝を挙げた友道厩舎。“反撃”の鍵は昨年のような2歳馬の活躍だ。
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