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停滞の5億円馬が1勝クラスで「圏外」……単勝1.9倍もコントレイル弟に完敗

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坂井瑠星騎手

 16日、阪神7Rに行われた芝2400mの3歳上1勝クラスは、三冠馬コントレイルの全弟サンセットクラウドがゴール前の競り合いを制して優勝。13着に敗れた神戸新聞杯(G2)から見事な巻き返しで、待望の2勝目を挙げた。

 この日、メインの秋華賞(G1)もスタニングローズで制した鞍上の坂井瑠星騎手はレース後「最後までよく頑張ってくれた」と愛馬にねぎらいのコメント。

 管理する矢作芳人調教師も「ステイヤーとしてじっくり育てたい」と見通しを語っている。菊花賞(G1)で距離が長いと言われていた兄とはタイプが異なるも、これから長距離界を賑わせてくれる存在になるかもしれない。

停滞の5億円馬が1勝クラスで「圏外」…

 その一方で、1番人気に推されていたリアド(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)は、まさかの馬券圏外となる4着に敗れた。

 ディープインパクト産駒の同馬は、2019年のセレクトセールにおいて約5億円の超高額で取引されたことでも話題に。昨年10月の新馬戦は期待に応えて快勝を収めたが、その後は格上クラスのレースで勝ち切れず……。春のクラシック出走を逃している。

 しかし、今夏に自己条件で再スタートを切ってからは、2戦連続で2着と惜しい内容。確勝を期された今回は、単勝オッズ1.9倍の圧倒的支持を集めていた。

 10頭によって争われたレース。リアドはスタートしてすぐに鞍上の藤岡康太騎手が気合をつけてポジションを取りに行くと、道中は前から4番手の位置でレースを進める。

 前半1000m61秒8のスローを悪くない手応えで追走しているように見えたが、3角を過ぎると手綱が追い通しに。最後の直線は特に目立った脚も見られず、1着馬に0秒5後れを取ってフィニッシュした。

「過去最高タイとなる472キロの馬体はパドックでよく見えたのですが、レースに行ってからはもうひとつ精細を欠きましたね。期待の大きな馬だけに、陣営も歯がゆいのではないでしょうか」(競馬誌ライター)

 単勝1.9倍ながら残念な結果に終わってしまった超高額馬に対し、SNSやネット掲示板などにはレース後「ここは勝てると思ったのに」「せめて馬券圏内に来てほしかった」といったコメントが寄せられている。

 中には「距離が長いのでは」という声もあった。

 本馬の上には芝1200mで4連勝を飾るなど、短距離を中心に活躍したミラアイトーンや、NHKマイルC(G1)で3着の実績を持つギルデッドミラーなどがいるだけに、芝2400mの距離がやや適性外であると思うのは当然か。

 だが一方で、芝2000mで行われた2走前の湯沢特別(1勝クラス)で手綱を取った福永祐一騎手はレース後「追走で一杯でした」とのコメントを残しているだけに、ペースが速くなる短い距離には不安が残る。陣営が今回2400mに挑戦したのもそのためだろう。

 今回もスタート後に気合を入れて行き脚をつけたり、勝負どころではズブい面などを見せていた。仮に距離を大幅に短縮したとしても、果たして対応できるのかやや気になるところではある。

「姉のギルデッドミラーは今夏、ダート転向初戦のNST賞(OP)で白星をあげると、続く東京ダート1600mのグリーンチャンネルC(L)でもレコードからコンマ1秒差の2着に好走しました。

リアドも仮に距離を短くしても結果が伴わないようであれば、いっそのこと砂を試してみるのもありかもしれません」(同)

 これで3走続けて自己条件で足踏みのリアドだが、まだ3歳。兄姉たちは古馬になってから活躍が目立っているだけに、ここからの巻き返しに期待したい。

冨樫某

冨樫某

キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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