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ゴールドアクターで再び?アッと驚く横山典弘伝説。天才が魅せた代打満塁サヨナラホームランを振り返る。

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 いよいよ間近に迫った第155回天皇賞(春)。世間はキタサンブラックとサトノダイヤモンドの対決に盛り上がっているが、もう1頭のG1馬ゴールドアクターの存在を忘れていないだろうか。

 2015年の第60回有馬記念ではキタサンブラック、ラブリーデイといった強豪に勝利。3歳時の菊花賞でも3着に好走している実力馬だ。今回そのゴールドアクターは主戦騎手であった吉田隼人騎手からベテランの横山典弘騎手に乗り替わりとなった。横山典弘騎手といえば「ポツン騎乗」で有名ではあるが、アッと言わせる騎乗で数々のビッグレースを制した職人でもある。またこの天皇賞(春)は過去にゴールドシップ、イングランディーレ、サクラローレルで3勝。そして過去に乗り替わりで数々のビッグレースを制しており、ゴールドシップとイングランディーレは乗り替わりでの勝利、サクラローレルは乗り替わり2戦目での勝利であった。

 今回ゴールドアクターで横山典弘騎手はどんな騎乗をするのか注目が集まっているが、本人はその真意を明かしていない。まさかのポツン騎乗なのか、大逃げなのか、それともロングスパートなのか、レースのカギを握るのはこの男といっても過言ではないだろう。そこで過去に横山典弘騎手が乗り替わりで見せた伝説的なレースを振り返ってみた。

 横山典弘騎手はデビューからここまでJRAと地方競馬で合わせて重賞177勝、G1レースは25勝という大記録を残している。その中でまず最初にあげるべきはやはり2004年第129回天皇賞(春)だろう。

 このレースで横山典弘騎手が騎乗したのは10番人気のイングランディーレ。芝の重賞で2勝の実績があった馬だが、直近はダートの交流重賞を主戦場としており、前走は地方交流重賞のダイオライト記念で、地方所属馬ミツアキタービンに後れを取る2着という成績だった。これまで逃げたり追い込んだりとレース内容が安定しなかった同馬だったが、横山典弘騎手はスタートから果敢に逃げ、最初の4コーナーを回った時点で2番手に5馬身ほどの差をつける大逃げを敢行。第2コーナーを過ぎるとさらにその差を広げ、向こう正面では20馬身以上の大逃げ。後続の各馬はその逃げに圧倒されたのか動けず、結局2着に1.1秒差をつける圧勝、まさに代打満塁サヨナラホームランともいえる結末だった。

 このレースは最初の1000mを61秒9、次の1000mを63秒1、最後の1000mを60秒7という絶妙なペースを作り出した横山典弘騎手の好騎乗ぶりが際立つ。特に大逃げをしているようで途中1400~1600m地点で13秒5という遅いラップがあったことに注目したい。良馬場で3分18秒4という勝ち時計は決して早いものではなかったが、他の騎手を幻惑させたその横山マジックは永遠に語り継がれるであろう。

 そしてこのレースと対照的であったのが2015年第151回天皇賞(春)でのゴールドシップだ。この時の1番人気は武豊騎手騎乗のキズナ。横山典弘騎手は前年の宝塚記念で同馬にまたがり代打騎乗で勝利しており、今回は二度目の代打騎乗。しかしゴールドシップは「京都コースが苦手」という説が蔓延していたように、2013年と2014年の天皇賞(春)で5着と7着、さらに単勝1.2倍の京都大賞典でも5着に敗退しており、京都コースでの相性は良くなかった。また以前の追い込み一辺倒ではなく、そのころのゴールドシップは先行して抜け出す競馬を身に着けており、前走の阪神大賞典や前年の宝塚記念でも好位からの競馬で勝利していたころから、ここも先行するとみられていた。しかしゲート入りを嫌がったゴールドシップはスタートから前に行くことができず、最後方17番手のまさかの「ポツン競馬」。これには多くのファンが馬券の不的中を覚悟したはず。しかし横山典弘騎手は違った。最初の4コーナーを最後方で進み、スタンド前から仕掛けはじめ、徐々に位置取りを上げていく。そして向こう正面に入ると一気にまくっていき、あっという間に先頭集団に取りついたのだ。そして4コーナーを3番手で回るとそのまま1着でゴール。常識外れのロングスパートという言葉がふさわしい、衝撃のレースだった。レース後の横山典弘騎手は

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