
横山武史「酷評」赤っ恥から1年、厩舎は「重賞0勝」の大苦戦…気合の栗東留学は実るか

「いいですね」
厩舎にとっては、勝負の2週間になりそうだ。先週、ウインマリリンのエリザベス女王杯(G1)の1週前追い切りは見守った手塚貴久調教師にとっても好感触だったようだ。
併せ馬を行った相手は、エリザベス女王杯の翌週に行われるマイルCS(G1)を控えるシュネルマイスター。手塚厩舎が誇る2枚看板による豪華な併せ馬は併入のまま終わったが、馬なりのフットワークは余力十分だった。これで3年連続のエリザベス女王杯挑戦となるウインマリリンだが、手塚調教師は「今年が一番いい」と大きな手応えを掴んでいるようだ。
昨年は共同会見で1週前追い切りの状態を聞かれた際、横山武史騎手に「きっぱりと言っちゃうんですけど、状態がかなり悪かった」と酷評された苦い記憶がある。結局、レースも16着に大敗。3番人気の支持を集めていただけに、レース後にはSNSや掲示板などで一部のファンから陣営を批判する書き込みもあった。
あれから1年、前走の札幌記念(G2)3着でようやくスランプから脱した感のあるウインマリリンだが、実は本馬だけでなく厩舎そのものが停滞に陥っている。
昨年に年間45勝を挙げ、リーディングでも5位とキャリアハイを記録した手塚厩舎。関東3位となり、初の優秀厩舎賞を受賞するなど名門の仲間入りを果たした。しかし、今年は残り2か月というところで24勝。リーディングも28位(以下すべて7日現在)と苦戦している。
ただ、勝ち星自体は2年前と3年前が共に33勝だったことを考慮すると、そう深刻でもない。問題は「大舞台」での結果だ。
手塚厩舎といえば、開業1年目にベルグチケットがフェアリーS(G3)を制して重賞初制覇を挙げるなど、コンスタントに大舞台で結果を残している。2011年に朝日杯フューチュリティS(G1)で初G1制覇(アルフレード)を飾ってからは、11年連続で重賞勝利。2018年にフィエールマンが菊花賞(G1)を勝って以降は、大レースの常連厩舎の1つになった。
特に、昨年はシュネルマイスターがNHKマイルC(G1)と毎日王冠(G2)、ユーバーレーベンがオークス(G1)、ウインマリリンがG2を2勝するなどキャリアハイの重賞7勝。G1・2勝、G2・4勝、G3・1勝の実績はリーディング5位躍進に大きな華を添えた。
しかし、実は今年は未だ重賞0勝と苦しんでいる。

これに伴って昨年13億円を超えた獲得賞金は、ここまで5億6000万円と半減。ウインマリリンのエリザベス女王杯、シュネルマイスターのマイルCSと続くこの2週間は、厩舎にとって11年間繋いできた重賞勝利のバトンが託されていると言っても過言ではない。
「看板馬のシュネルマイスターこそ今春の安田記念(G1)2着と気を吐いていますが、昨年のオークス馬ユーバーレーベン、セントライト記念(G2)を勝ったアサマノイタズラといった次世代の期待馬に苦戦が続いています。
そんな中でのウインマリリンの復調は、小さくない朗報でしょうね。先週の百日草特別を勝ったキングズレインも、今後の重賞戦線で期待できる逸材だと思います」(競馬記者)
「面白いメンバーだけど、良馬場なら十分やれそう」
「勝負の2週間」を迎える手塚厩舎は、今週末のエリザベス女王杯に挑むウインマリリンを先週の日曜日に一足早く栗東入りさせる気合の入りようだ。昨年の苦い記憶を払拭し、まずは厩舎に“今年一番星”を届けたい。
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