
デアリングタクト「中1週」ジャパンCに賛否も…陣営コメントの変化に復調予感

1番人気に支持されたエリザベス女王杯(G1)を6着に敗れたデアリングタクト(牝5、栗東・杉山晴紀厩舎)だが、27日に東京競馬場で行われるジャパンC(G1)の参戦を前向きに検討していることが分かった。
陣営によれば、「問題がなければ向かう方向で考えています」と条件付きではあるが、幸いレース後もいつもと変わらない様子とのこと。脚元の様子を見ながらではあるものの、順調なら出走に期待できそうだ。
ただ、デアリングタクトは右前肢繋靱帯炎を発症し、1年1ヶ月の長期休養を経験した過去もあり、ネットの掲示板やSNSなどでは一部のファンから強行軍にも映る「中1週」での参戦を心配する声もあった。
また、オールカマー(G2)前に結果次第でエリザベス女王杯とジャパンCを両睨みで次走の候補に入れているという陣営の話もあったため、両レースに参戦するプランが驚かれたのも無理はない。
とはいえ、この参戦が無謀かといわれると、一概にそうとは言い切れない背景もある。
なぜなら当初、出走を表明していたドウデュースが回避し、目玉となるはずだった超大物アルピニスタも故障が判明したことにより引退。さらには上位人気を確実視されていたイクイノックスも有馬記念(G1)への出走を決断したからだ。
女王復活のシナリオも十分に考えられる!?
実績的にシャフリヤールが日本の大将格といえる存在だが、前走の天皇賞・秋(G1)でイクイノックスに完敗といえる5着に敗戦。3歳馬ダノンベルーガも有力だが、こちらはまだG1勝ちがない。新興勢力のヴェラアズールも人気を集めそうだが、牝馬三冠のデアリングタクトの実績は、ここでも目を引く。
勿論、外国馬もグランドグローリー、オネスト、シムカミル、テュネスの4頭が出走する見込みだが、日本の馬場への適性は実際に走ってみないと分からないだろう。
そして、この一見ハードに思えるローテーションでも、陣営があえての出走を検討したとなると女王復活のシナリオも十分に考えられるのではないか。希望的観測を含んでという意味なら、オールカマーとエリザベス女王杯に出されたコメントに少々変化も見られていた。
「ここは楽に勝ち負けしたかったのですが、最後は前を交わすのがやっとでした」
こちらはオールカマー後に松山弘平騎手が語ったコメントだが、杉山調教師も「らしさがなかった」と話したように、本来のデアリングタクトの走りではなかったという想いが伝わる内容だった。
これに対し、同じ敗れたレースでもエリザベス女王杯の場合は、「勝ち馬は大外枠でしたし、外枠の馬が上位に来る中で、苦しい枠になってしまいましたが、最後までしっかり伸びてくれていました」と振り返っている。
直前の大雨で外枠が有利になったことを主な敗因に挙げており、デアリングタクトの走りに関しては、及第点を思わせる言葉が続いた。
となると、前走で復調気配を感じ取った陣営が、当初予定していたジャパンCで、もう一度期待したくなるのも不思議ではないはずだ。
そもそも2年前に史上初となる無敗での牝馬三冠を達成した実力の持ち主だけに、アーモンドアイやコントレイル相手に善戦した2年前のジャパンCに比べると、相手関係は楽になったという見方もできる。
前走の敗戦で終わってしまったのか、それとも復活の前兆だったのか、その答えが出る27日を待ちたい。
PICK UP
Ranking
23:30更新「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 「空前の競馬ブーム」巻き起こしたオグリキャップ…ぬいぐるみはバカ売れ、見学ツアーも大人気、「ビジネスチャンス」生かしたオーナーの慧眼【競馬クロニクル 第64回】
- 【ヴィクトリアマイル(G1)予想】ナミュールから6点で万馬券狙い! マスクトディーヴァは持ちタイムに不安ありで消し! 高速決着に対応できる穴馬で勝負
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- 有馬記念に続き東京大賞典も「記憶力」が決め手…最強フォーエバーヤングから絞りに絞った2点で勝負!
- JRA出鼻をくじかれた「16億円」の大勝負……。「神の馬」の二の舞だけは避けたい日高に朗報!? 海外からのニュースに関係者も安堵か