有馬記念は「超豪華」メンバー! エフフォーリアVSタイトルホルダー最終章?
今週17日、年末の大一番・有馬記念(G1、中山・芝2500m)に向けてのファン投票がスタートした。なお、投票はWeb限定で行われる。
昨年は3歳馬のエフフォーリアが、ここでG1・3勝目を飾って年度代表馬に輝いた。今年はまさに群雄割拠の様相を呈しており、ここまでは天皇賞・春と宝塚記念を連勝したタイトルホルダー、春の二冠牝馬スターズオンアースとG1を2勝した馬が頭1つ抜けている状況だ。
だが、この秋は前者がフランスの凱旋門賞で惨敗し、後者も三冠が懸かった秋華賞で敗戦。昨年同様、有馬記念の勝ち馬がそのまま年度代表馬に選出されることになるかもしれないだけに早くも注目度が高まっている。
そんな今年の有馬記念だが、近年屈指の好メンバーになると話題になっているようだ。
先述したエフフォーリア(牡4歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)は当初、天皇賞・秋(G1)の復帰が予定されていたが、調整の問題で有馬記念が復帰戦になることが決定。5日には、放牧先のノーザンファーム空港から外厩のノーザンファーム天栄に移動しており、復帰に向けて着々と準備が進められているようだ。
今年は不本意なシーズンとなっているが、前年の勝ち馬として15日から全国の酒類小売店およびインターネットで発売されているサッポロ生ビール黒ラベル『JRA有馬記念缶』のパッケージになるなど、この馬の復活は今年の大きな見所の一つに違いない。
そんなエフフォーリアにとって代わるように競馬界の頂点に君臨したのが、タイトルホルダー(牡4歳、美浦・栗田徹厩舎)だ。
昨年は菊花賞馬として挑んだ有馬記念で、エフフォーリアの5着。同世代の皐月賞馬に後塵を拝する格好になったが、この春に天皇賞・春と宝塚記念を連勝して本格化。今回の凱旋門賞では11着に大敗したが、年末の有馬記念で再び貫録を見せつけられるか。勝てば年間G1・3勝目で文句なしの年度代表馬になるだろう。
昨年のエフフォーリア同様、天皇賞・秋を制した3歳馬のイクイノックス(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)が世代交代を目指す。
春の二冠こそ共に2着に敗れたが、世代No.1という評価は揺るがなかった。それを証明したのが、1番人気に応えて快勝した前走の天皇賞・秋。ドバイターフ(G1)の勝ち馬パンサラッサの乾坤一擲の逃げを上がり3ハロン32.7秒の鬼脚で差し切っている。
当初はジャパンC(G1)参戦も囁かれたが、大事を取って年末の有馬記念に矛先を向けてきた。世代交代を高らかに宣言した昨年のエフフォーリアに続けるか、ハイレベルと言われる3歳世代を代表して、ついに完成した大器がさらなる真価を示す。
第2のエフフォーリアを目指すのがイクイノックスなら、第2のタイトルホルダーを目指しているのが菊花賞馬アスクビクターモア(牡3歳、美浦・田村康仁厩舎)だ。
今年の菊花賞は皐月賞馬ジオグリフ、ダービー馬ドウデュースに加え、イクイノックスも回避と春のクラシック上位陣が軒並み不在。夏の上がり馬たちにとっては、まさに千載一遇のチャンスに思われたが、下剋上を許さなかったのが日本ダービー3着馬のアスクビクターモアだった。
デビューからここまでの軌跡は、タイトルホルダーと酷似。試金石となった有馬記念で5着に敗れた先輩は今年の春に政権を握ったが、後輩は一足早く頂点に立てるか。オーナーの廣崎利洋氏も「中山が一番得意」と公言しており、楽しみな存在だ。
その菊花賞でアスクビクターモアを追い詰めた2着馬ボルドグフーシュ(牡3歳、栗東・宮本博厩舎)、3着馬ジャスティンパレス(牡3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)も面白い存在になりそうだ。
日本ダービー翌週に2勝クラスを勝ち上がり、神戸新聞杯(G2)で3着だったボルドグフーシュは菊花賞でハナ差の激闘を繰り広げ、その成長ぶりを見せつけている。3着ジャスティンパレスは、そこから半馬身遅れたが4着以下には5馬身差をつけており、菊花賞ではこの3頭のパフォーマンスが抜けていた印象だ。
勢いという点では、今月のアルゼンチン共和国杯(G2)を制したブレークアップ(牡4歳、美浦・黒岩陽一厩舎)も不気味な存在だ。
昨年の有馬記念が行われた2021年12月26日。エフフォーリアの主戦・横山武史騎手の“予行演習”に一役買ったのが、同じ中山・芝2500mで行われたグッドラックH(2勝クラス)のブレークアップだった。
結果は3着だったが、この1年で大きく成長。昨年は“前座”を務める立場だったが、今年は重賞ホースとして横山武騎手とエフフォーリアに挑戦する。初重賞制覇となった前走では、鞍上の田辺裕信騎手にその成長ぶりを驚かれていた本馬。勢いそのままにG1制覇まで突き抜けるか。
フレッシュな面々が目立つ中、忘れてはならないのが昨年の2着馬ディープボンド(牡5歳、栗東・大久保龍志厩舎)の存在だ。
昨年の有馬記念では、最後の直線でエフフォーリアとの叩き合いを演じて惜しくも2着。敗れはしたが、前年の覇者クロノジェネシスを始め、タイトルホルダーやステラヴェローチェに先着した実績は侮れない。
今年も阪神大賞典(G2)を快勝して、天皇賞・春でも2着。G1にはあと一歩届いていないが、その力は紛れもなくG1級だ。タイトルホルダー同様、前走の凱旋門賞のダメージが懸念されるが、昨年はそれを克服しての2着だった。
他にも今年の大阪杯の勝ち馬ポタジェや、昨年のエリザベス女王杯(G1)の覇者アカイイト、今秋の府中牝馬S(G2)を勝ったイズジョーーノキセキなども年末のグランプリに参戦予定だ。
例年以上の豪華メンバーが揃いそうな今年の有馬記念。ここにジャパンCを戦った強豪が合流すれば、さらなる激化は必至だ。ファン投票は12月4日まで。まずは“推し馬”に思いを託し、来たる年末の決戦を待ちたい。
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