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松山弘平「ムーアだったら」有馬記念ヴェラアズール10着大敗に厳しい声

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ヴェラアズール 撮影:Ruriko.I

 25日に中山競馬場で行われたグランプリ・有馬記念(G1)は、天皇賞・秋(G1)を制したイクイノックスが勢いそのままに優勝。一方でジャパンC(G1)を勝ったヴェラアズール(牡5歳、栗東・渡辺薫彦厩舎)は末脚不発の10着に終わるなど、今秋の古馬三冠レースの勝ち馬で明暗が大きく分かれる結果となった。

 デビューからずっとダートを使われてきたヴェラアズールは、今年3月に芝へ矛先を向けたことで覚醒。ここまで3連勝でジャパンCを制すなど勢い十分だったが、芝レースでは初の惨敗となってしまった。

「最後は苦しくなり、この馬の力を出せませんでした」

 そうレースを振り返った松山弘平騎手にとっても悔しい結果だ。10月の京都大賞典(G2)でヴェラアズールの重賞初制覇を飾ったものの、ジャパンCではR.ムーア騎手に乗り替わり。最愛のデアリングタクトとの“すれ違い”もあって、シャドウディーヴァとのコンビで挑むことになったが、相棒の晴れ舞台、そして初G1制覇の快挙を目の前で見ることしかできなった。

 今回の有馬記念は、そんな中で再び手にしたチャンスだったからこそ、松山騎手にとっても期するものがあったはずだ。

 レース3日前に行われた公開枠順抽選会では、理想的な3枠6番をゲット。自身が連載する中日スポーツのコラムでも「(一番ほしかった3枠6番が当たって)素直にうれしかったです。後はスタートをうまく切れるかが大事」と意気込みを語っていた。

ヴェラアズール10着大敗に厳しい声…

 しかし、レースではスタートを決めてこれまで通り中団やや後方から競馬したものの、1000m通過61.2秒のスローペースに泣いて10着。そこまで悪い内容には見えなかったが、4番人気で10着、さらにはジャパンCを勝ったムーア騎手からの乗り替わりということもあって、一部のファンから「最近の松山騎手じゃ……」「鞍上弱化がすべて」「ムーアだったら」といった厳しい声も飛んだ。

「隣のジェラルディーナが出遅れる難しい状況で、上手くスタートを決めたヴェラアズールですが、道中はずっと外からラストドラフトにフタをされる厳しい展開。松山騎手もスローペースは感じていたと思いますが、動くに動けない感じでした。

ただ、ラストドラフトにしても鞍上の三浦皇成騎手が『前に壁を作れず、どこかで馬の後ろに入れて最後に懸けたかった』と話しているように、ヴェラアズールをマークしていたというよりは、たまたまそうなった印象です。

ヴェラアズールにとってはアンラッキーなレースになってしまいましたが、最近の松山騎手の“流れ”を鑑みると、象徴的なレースになってしまったと言わざるを得ません」(競馬記者)

 記者がそう話すのも、最近の松山騎手はとにかく大レースで流れが悪いからだ。

松山弘平「ムーアだったら」有馬記念ヴェラアズール10着大敗に厳しい声の画像2
松山弘平騎手 撮影:Ruriko.I

 松山騎手といえば、もともと乗れる若手の代表格だったが、一昨年にデアリングタクトと史上初の無敗牝馬三冠を達成したことでブレイク。昨年の最優秀ダートホース・テーオーケインズの主戦を務めるなど、今や押しも押されもせぬトップジョッキーの仲間入りを果たしている。

 今年もここまで118勝を挙げ、今月にはJRA通算1000勝に到達するなど順風満帆。同じ関西の大先輩・福永祐一騎手が来年2月で引退することからも、今後の活躍がますます期待されているジョッキーだ。

 しかし、この秋は10月の菊花賞(G1)を1番人気のガイアフォースで8着に敗れると、11月には京王杯2歳S(G2)、エリザベス女王杯(G1)、東京スポーツ杯2歳S(G2)と重賞騎乗3連続1番人気で2着さえ確保できず……。

 悪い流れはそのまま12月も続き、単勝1.5倍に推されたテーオーケインズのチャンピオンズC(G1)で4着に敗れると、17日のターコイズS(G3)でも1番人気のママコチャで敗戦。

 今年も重賞9勝と充実しているが、だからこそこの秋の不振が目立ってしまう格好だ。

「大レースでこれだけ人気馬に乗れるのは、松山騎手が周囲からもトップジョッキーと認められている証拠。しかし、だからこそ結果が欲しいでしょうし、今の時期は松山騎手にとっても今後を左右する大事な時期だけに歯痒いですね。

平場のレースでは順調に勝ち星を重ねていますし、交流重賞のJBCクラシック(G1)を勝つなど変わらず結果を残しているのですが、やはりトップジョッキーは中央の大レースを勝ってなんぼ。まだC.ルメール騎手や川田将雅騎手のように、完全にトップジョッキーの地位が確立されているわけではないので、頑張ってほしいですね」(同)

 今年最後のJRA・G1ホープフルSには、ハーツコンチェルトとのコンビで挑む松山騎手。前走の東京スポーツ杯2歳Sでは1番人気ながらスタートで出遅れて3着止まりだったが、能力はここでも十分に通用するはずだ。

 もどかしい結果が続いている今秋の鬱憤を晴らすような騎乗、そして「結果」を期待したい。

大村克之

大村克之

稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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