「第二のイクイノックス」囁かれる大物が今季初戦。春の大舞台へ近年重要レース
先月30日、東京都内のホテルにおいて2022年度のJRA賞授賞式が行われた。
年度代表馬に輝いたイクイノックスを所有するシルクレーシングの代表・米本昌史氏は壇上で「選ばれればドバイシーマクラシック(G1)に挑戦したい」と、同馬の次戦についてコメント。
同レースには昨年の覇者シャフリヤールや、昨年12月の香港ヴァーズ(G1)を勝ったウインマリリンなども参戦を予定。すでに海外で実績を残している日本馬や、海外勢を相手にどのような走りを見せてくれるか今から楽しみだ。
「第二のイクイノックス」囁かれる大物が今季初戦
そのイクイノックスと同じキタサンブラック産駒であり、木村哲也厩舎所属、主戦もC.ルメール騎手であることから、ネット上などの一部のファンからは「第二のイクイノックス」との呼び声もあるスキルヴィング(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)が5日、東京のゆりかもめ賞(1勝クラス)で2ヶ月半ぶりの実戦を予定している。
同馬は昨年10月の東京芝2000mでデビューするも、ゴール寸前でヒシタイカンに交わされて2着。ただ、この新馬戦は掲示板を占めた5頭が後にすべて勝ち上がるという、かなりハイレベルなメンバー構成で争われた一戦でもあった。
ここでタイム差なしだったスキルヴィングは翌月、同じ舞台で開催された未勝利戦で単勝オッズ1.7倍の圧倒的な支持。道中は後方で脚を溜めると、最後の直線で上がり3ハロン33秒2の末脚を繰り出し、2着に3馬身差をつける圧勝劇を演じている。
「なお昨秋の東京開催で芝2000mのレースを勝ったキタサンブラック産駒は、天皇賞・秋(G1)を制したイクイノックスとスキルヴィングの2頭のみ。
両馬は共に1番人気に支持され、道中は10番手付近を追走しラストは上がり最速で突き抜けるなど、勝ち方にも似通った部分がありました。スキルヴィングが『第二のイクイノックス』と囁かれるようになったのは、そのあたりも無関係ではないかもしれません」(競馬誌ライター)
大物感たっぷりの走りで初白星を決めたスキルヴィングについて、騎乗していたルメール騎手はレース後「距離は2000mか、それ以上でも大丈夫」とコメント。それも参考にしてだろうか、陣営は次走に芝2400mのゆりかもめ賞を選んできた。
このレースは過去5年間の勝ち馬のうち、ブラストワンピースがその後、日本ダービー(G1)に出走。パープルレディーとリリーピュアハートもオークス(G1)まで駒を進めるなど、近年では春の東京・芝2400mで開催されるビッグレースへと結びつく傾向もある。
そのため、本馬もここで結果を出すことができれば、日本ダービーの舞台を踏める可能性は高くなってくるかもしれない。『netkeiba.com』の想定オッズでも1日現在、断トツの1番人気に推されているだけに、春を展望する上でも今回は落とせない一戦になりそうだ。
「ちなみにサトノダイヤモンドの全弟で4年前のゆりかもめ賞を3馬身差で楽勝したサトノジェネシスも、その後は脚部不安で長期休養に入ってしまいましたが、無事ならかなりの確率で日本ダービーまで駒を進めていたかもしれませんね」(同)
ゆりかもめ賞はノーザンファーム生産馬が過去10年で6勝を挙げているのも、同牧場出身のスキルヴィングにとっては追い風だろう。厩舎の偉大な先輩に近づけるような走りを披露できるか注目しておきたい。
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