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【徹底考察】NHKマイルC(G1) イモータル「皐月賞馬ディーマジェスティに迫った実力は『本物』か否か」

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imo-taru.jpgイモータル(競馬つらつらより)

「考察」

 世代屈指の”サウスポー”イモータルが、右の皐月賞(G1)をパスして左のNHKマイルC(G1)に照準を合わせてきた。

 それも、ただの左回り好きではない。前走の共同通信杯(G3)で負かされたディーマジェスティがクラシック第一弾を制し、世代の主導権を握った。

 その着差は1・1/4馬身差、僅か0.2秒差である。そう、「皐月賞でのディーマジェスティと、2着マカヒキとの着差とまったく同じ」なのだ。

 無論、だからといってイモータルとマカヒキが同等の実力を持っているとは限らないだろう。競馬は、そんなに単純ではない。しかし、このイモータルがハートレーやスマートオーディン、メートルダールらに先着し、ディーマジェスティに迫ったことは紛れもない事実である。

 そして、それはこのNKHマイルCをイモータルが制しても、何の不思議もないことを示している。

 しかし、NKHマイルCを戦う上でイモータルにとって、最も理想的な競馬が間違いなく前走の共同通信杯での「好位粘り込み」にあることは、まず間違いないだろう。

 それは同じく好位から上がり3ハロン32.9秒の脚を繰り出し、後続を5馬身ちぎった新馬戦の鮮やかな勝ち方。それとは逆に中団で競馬して、後のファルコンS(G3)2着馬ブレイブスマッシュにハナ差で競り負けたサウジアラビアRC(重賞)、同じく何の見せ場もなく9着に惨敗した朝日杯FS(G1)での走りが物語っている。

 イモータルにとって、どれだけ「好位粘り込み」の競馬をすることが大事なのか。下記の本馬の戦績を見ていただきたい。

新潟 2歳新馬      1800m 通過順位3-3  ペース37.5-33.0 1着
東京 サウジアラビアRC 1600m 通過順位7-6  ペース34.7-34.9 2着
阪神 朝日杯FS(G1)  1600m 通過順位10-10 ペース34.7-34.4 9着
東京 共同通信杯(G3) 1800m 通過順位3-3-3 ペース35.8-35.6 2着

 さらにその上で注目して頂きたいのが、「通過順位」と「ペース」特に最初の3ハロンのタイムとの関係性だ。「好位粘り込み」でディーマジェスティと0.2秒差の競馬ができたイモータルだが、実は「決してスタートが速い馬ではない」のだ。

 上記は好位で競馬した「新馬戦」と「共同通信杯」、そして中団から競馬した「サウジアラビアRC」と「朝日杯FS」の2つに分類されているが、最初の3ハロンのタイムを見ると好位で競馬ができたレースは「37.5秒」と「35.8秒」であることに対し、中団からの競馬を強いられた時は共に「34.7秒」と約1秒以上、全体のスタートが速い。

 それはつまり、イモータルの”ダッシュ力”では最初の3ハロンのタイムが「34.7秒」、いや、「35秒を切るようだと、好位を取ることができない」ということを示している。

 実は、イモータルはここまでの戦いでゲートが開いた瞬間に、後脚のトモが落ちてダッシュが上手くついていない。今後改善される可能性はあるが、現時点ではそれが原因で、スタートからの流れが速くなると、先団に取り付けない。

 そして、過去10年間のNHKマイルCの前半の3ハロンのタイムの平均は「34.4秒」であり、これはイモータルが経験したことのない速さとなる。

 また、昨年は「35.3秒」と比較的落ち着いた流れだったが、これはNHKマイルC史上、下から2番目の遅いタイムである。ちなみにハナを切ったのはレンイングランドだったが、今年はまずメジャーエンブレムが切ることになるだろう。同じ東京のマイル戦となる彼女のクイーンC(G3)における最初の3ハロンのタイムは「34.4秒」である。

 従って、イモータルが今回のNHKマイルCにおいて、前走の共同通信杯で見せたような好位からの競馬をできる可能性は「かなり低い」と述べざるを得ない。そして、それが本馬にとって如何に不利なのかは、これまでの戦績が示している。

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