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14か月騎乗停止から復帰…O.マーフィー「JRA返り咲き」の可能性は? ルール上はOK「日本が大好きです」日本語で猛アピールも再来日が困難なワケ

14か月騎乗停止から復帰…O.マーフィー「JRA返り咲き」の可能性は? ルール上はOK「日本が大好きです」日本語で猛アピールも再来日が困難なワケの画像1
O.マーフィー騎手

 1着賞金1000万ドル(約13億円)、賞金総額2000万ドルという世界最高賞金を誇るサウジC(G1)の創設以来、毎年この時期に世界的な注目を集めているサウジカップデー開催。

 昨年、4勝と旋風を巻き起こした日本勢だけに今年も同様の活躍が期待されているが、今月一杯で引退する福永祐一騎手がラスト騎乗を迎えることでも日本の競馬ファンを中心に大きな注目を集めそうだ。

 その一方で、そんな福永騎手とは対照的に長期騎乗停止からの復帰を飾るのが、英国のO.マーフィー騎手である。

 英国の若き天才ジョッキーのキャリアに大きなひびが入ったのは、昨年2月に下された約14か月という騎乗停止処分だった。

 マーフィー騎手は新型コロナウイルスの規約に2度違反して11か月、さらにはレース前に基準値を超えるアルコールが2度検出されて100日間の騎乗停止処分が追加。合計約1年2か月という異例の長期処分となった。

「過去に遡ることはできないが、私は重大な過ちを犯してしまいました」

 当時の声明で自らの行いを後悔したマーフィー騎手だが、前年12月からの処分適用となったことで今年の2月16日で復帰。25日に開催されるサウジカップデー開催には騎乗できるというわけだ。

「JRA復帰」の可能性は?

 英国で3年連続リーディングに輝いた若き天才騎手の復帰だけに、早くもその騎乗ぶりが世界中で注目されている。だが、日本の競馬ファンの注目はその後の「再来日の可能性」に違いない。

 新型コロナ対策が落ち着いた昨秋から、以前のように多くの外国人ジョッキーが参戦するようになった日本競馬、果たして再び“マーフィー旋風”は起こるのだろうか。一部のファンからは早ければ「今春にも」という期待の声も聞かれているが……。

「JRAに短期免許で騎乗する場合、まず所属国の過去2シーズンの成績が条件になりますが、2021年の英国リーディングを獲得しているマーフィー騎手が今年騎乗することは可能です。

ただ、これはあくまで『ルール上は』という話で、JRAから最終的な許可が下りるかには少々疑問が残ると言わざるを得ません。新型コロナのプロトコルにおける問題行動も然ることながら、それ以前にアルコールを巡る問題が焦点になるかと……。

過去には11度も日本参戦を果たしていたL.デットーリ騎手が、2012年にコカイン検出によって半年の騎乗停止を受けて以降、次に来日が叶ったのは8年後になるなどのケースもありました。どんな世界的な名手であったとしても、JRAがモラルを重要視していることは明らかです」(競馬記者)

 実際にマーフィー騎手は処分当時、「夜になると、また何杯もワインを飲むことができた」「飲酒に関して次第に抑えが利かなくなった」とアルコール依存症の含みを持たせる声明を発表している。同時に医療サポートを受けて節制に取り組むため、一時的に騎手免許を返上しているのだ。

 仮にマーフィー騎手がアルコール依存症だった場合、「日本新薬」の『アルコール依存症治療ナビ』によると「専門医療機関での治療を開始してからも回復には2~3年かかる場合が多い」とされている。無論、個人差はあるのだろうが、仮に約14か月の騎乗停止期間に治療を行ったとしても、日本での騎乗には慎重な判断が下されるべきだろう。

 その一方で、マーフィー騎手が再び日本で騎乗することを望んでいるのは明らかだ。

「日本が大好きです」日本語で猛アピールも…

 日頃からTwitterを利用しているマーフィー騎手だが、赤裸々に日本競馬への思いを明かしたのは、すでに長期の騎乗停止処分が決まっていた昨年3月のドバイワールドカップデーだった。

「私は日本が大好きです そして日本の皆さんのことは決して忘れていません‼️」

 自身の公式HPに「OM(オイシン・マーフィー)IN JAPAN」という日本の競馬ファン向けのページを設けるなど、親日家で知られているマーフィー騎手だが、ドバイでの日本馬の活躍を受け「関係者の皆様、騎手の皆様、本当におめでとうございます?」と日本語でツイート。「みんなお元気ですか?お久しぶりです。私は元気です。そして2023年2月に競馬場へ復帰します。それまでしばらく待っていてください」と熱い気持ちを綴っている。

 2018年にロアリングライオンとのコンビで世界的な大レースを数多く勝利し、ワールドベストジョッキーシリーズでも2位。英国の若き天才ジョッキーとして、同年暮れに日本初騎乗を果たしたのがマーフィー騎手だ。

 翌年11月にはスワーヴリチャードとのコンビでジャパンC(G1)制覇。2021年には日本のマルシュロレーヌとのコンビで米ブリーダーズCディスタフ(G1)を勝つなど、帰国後も日本の競馬ファンに強烈なインパクトを残している。

「時間を遡ることはできませんが、私は重大な過ちを犯してしまいました。私は全ての違反を認め、これからこの問題にうまく向き合っていければと思っています」

 昨年2月に約14か月という異例の長期騎乗停止処分を受けたマーフィー騎手だが、昨年の今村聖奈騎手の活躍や有馬記念(G1)の結果をリツイートするなど、その間も日本競馬に強い関心を示している。

 果たして、英国の若き天才が再び日本のターフに登場することはあるのだろうか。再来日には様々な賛否両論が巻き起こりそうだ。

GJ 編集部

GJ 編集部

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