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川田将雅も「競馬への取り組み、姿勢がいい」と活躍に太鼓判! 今村聖奈の同期が重賞初制覇で評価急上昇の舞台裏

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角田大河騎手

 先週末の土曜阪神のメインレース・毎日杯(G3)は、角田大河騎手が騎乗したシーズンリッチ(牡3、美浦・久保田貴士厩舎)が優勝。横並びになった最後の直線で馬群から力強く抜け出し、2着ノッキングポイントの猛追を半馬身差で退けた。

「久保田厩舎の馬に乗せてもらうのは初めてでしたが、こういう良い時に乗せて頂いて、チャンスを掴むことができて、感謝の気持ちで一杯です」

 初騎乗の馬で満点回答を出したレースをそう振り返った角田河騎手は、これが嬉しい重賞初制覇。重賞勝ちは幼馴染の今村聖奈騎手に先を越されたが、同期のライバルとして意地を見せた。皐月賞(G1)も視野に入る勝利だったものの、陣営は日本ダービー(G1)への直行を予定しているとのこと。角田河騎手は、G1騎乗条件となる通算31勝もクリアしているだけに、次走でコンビ継続があるかどうかも注目したい。

 話題の女性騎手ということもあって今村騎手に注目が集まっているが、角田河騎手も福永祐一騎手(現調教師)以来26年ぶりとなるデビュー2連勝を決めたように、華々しいスタートを切った若手の有望株だ。

 昨年は大ブレイクした今村騎手に新人王を譲ったものの、年間39勝(地方含む)は例年なら新人王になっていておかしくない成績。一部の関係者の間では「騎乗技術なら角田河騎手の方が優れている」という“推し”の声も出ているほど。今年も先週の開催を終えた時点で、すでに11勝と昨年の勝ち星を上回ることはほぼ確実だろう。

川田将雅騎手も活躍に太鼓判!

 最近の上達ぶりは目を見張るモノがあり、まだデビューして2年目ながら、先輩騎手に混じって落ち着いた騎乗を見せている姿に関係者からの評価は高い。騎乗に対するストイックさで知られる川田将雅騎手でさえ、「調子に乗って消えていく若い子を何人も見てきましたが、大河は競馬への取り組み、姿勢がいいですね」と太鼓判を押しているという話だから相当だ。

 自身のTwitterでも初重賞制覇に「これからも一生懸命頑張ります!応援よろしくお願いします」と喜びの声をツイートした角田河騎手だが、毎日杯のシーズンリッチは急遽の騎乗依頼だった様子。実は水曜の段階でもジョッキーが未定のままで、正式に騎乗が決定したのは木曜になってからだった。

「陣営からの打診も『もし毎日杯でトップクラスの騎手が取り消しなどで空くようなら、そちらに依頼するけど、それでも良ければ』という形での依頼でした。つまり、まだそこまで信頼があるわけではなく、優先順位の低い依頼だったのです。結局、取り消しなどもなく、そのまま角田河騎手の騎乗で確定しましたが、結果的に大正解でしたね」(競馬記者)

 とはいえ、今回の勝利も決して運だけで手に入れた訳ではないだろう。シーズンリッチは、これまで戸崎圭太騎手やC.デムーロ騎手が騎乗したことのある馬だが、彼らのようなトップクラスのジョッキーでも折り合いに苦労していた乗り難しい馬だという。

 そんな癖馬をデビュー2年目の新人が、テン乗りの重賞で見事に乗りこなした。課題のスタートを決めただけなく、道中も絶好のポジションで折り合いをつける事に成功し、直線でも空いたスペースを突いて抜け出す完璧な競馬を披露。厩舎の尽力や馬自身の成長もあるだろうが、角田河騎手の騎乗技術も大いに貢献したはずだ。

「後から聞いた話ですが、角田河騎手は毎日杯の騎乗が決まってから、これまでのシーズンリッチの競馬を何度も何度も見てイメージや乗り方を考えていたそうですよ。彼のそういう熱心さや真摯な姿勢は大したモノです。これからは減量の恩恵も1キロになるため、若手騎手が壁にぶつかる時期になりますが、彼ならスランプに陥ることもないでしょう」(同)

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角田大和騎手

 その一方で、弟の重賞初勝利に刺激を受けていたのは兄の角田大和騎手だ。こちらはTwitterで「おめでとう、兄貴頑張ります」と祝福していたが、同じ騎手という職業をしている以上は、弟とはいえ手強いライバルの一人であることに違いはない。兄の奮起にも期待したいところだ。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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