今村聖奈に続くライバルの「卒業」でチャンス到来も? 怪我を乗り越えた女性騎手に「ブレイク」の予感
先週23日、史上初となるJRA女性騎手5人の競演で話題となった福島7Rは、3年目の古川奈穂騎手が騎乗したアイヲツグモノ(牝3歳、栗東・牧浦充徳厩舎)が直線で力強く伸びて勝利した。
「馬のおかげで勝てました」と、あくまでも謙遜したコメントを残した同騎手は、前日の福島12Rに続く白星で今年の7勝目。4月の時点で早くもルーキーイヤーにマークした勝ち星に並んでいる。
藤田菜七子騎手以来、JRAでは5年ぶりの女性騎手として話題を集め、一昨年3月に栗東の名門・矢作芳人厩舎からデビューした古川奈騎手。バスラットレオンとのコンビで早々に初勝利をマークすると、初騎乗から2ヶ月弱で6勝をあげるなど、快調な滑り出しを見せていた。
しかしその後、左肩の違和感で長期離脱。約5ヶ月の休養を経て復帰したものの、その年はプラス1勝のみに終わった。2022年は10勝を記録したものの、同期の永島まなみ騎手が21勝、この年にデビューした今村聖奈騎手が51勝だったことを考えると、やや物足りない数字でもあったか。
ただ、23年は初騎乗となったタイセイグラシアでいきなりVを決めるなど幸先の良いスタート。ここまで前2年を上回る勢いで勝ち星を稼いでおり、いよいよブレイクの兆しを漂わせ始めている。
そんな古川奈騎手は来週以降、さらなる勝ち星の量産もあるかもしれない。
というのも、先述した同期の永島騎手が27日の園田競馬場で勝利をあげたことで、中央・地方あわせて通算51勝に到達。これにより、これまで平場での負担重量が4キロ減だったのが、次週から3キロ減となる。
一般的に斤量は1キロにつき、およそ2馬身違うと言われている。先週までの福島開催でリーディングを獲得するなど、ここのところ絶好調の永島騎手だが、斤量が1キロ増えることで思わぬ苦戦を強いられる可能性もあるかもしれない。
なお永島騎手と古川奈騎手の2人は、今週末から新潟競馬の参戦を予定している。仮に永島騎手が苦戦するようだった場合、同騎手に向かう予定だった有力馬が4キロ減を求めて古川奈騎手のもとに流れてくるということもあるかもしれない。
「実際に、永島騎手よりも一足早く昨年10月に4キロ減の卒業を決めた今村騎手は、その次のレースから実に59連敗を喫するなど、ちょっとしたスランプのようなものに陥りました。
永島騎手も似たような状況となるようであれば、その間隙をつくようなかたちで4キロ減・古川奈騎手のさらなる白星量産もありえるかもしれません」(競馬誌ライター)
古川奈騎手は今週末、新潟で土日あわせて9鞍に騎乗予定。日曜5Rには三冠馬コントレイルの弟インタクトも控えている。怪我を乗り越えていよいよ軌道に乗り始めた同騎手に注目したい。
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