
長距離はおまかせあレーン⁉ シルヴァーソニックに強力助っ人、天皇賞・春(G1)C.ルメールや武豊より期待したい2人に注目

先週リニューアルオープンした京都競馬場。今週末は“センテニアル・パーク”として初めてのG1競走、天皇賞・春が行われる。国内最長距離の芝3200mで施行されるG1競走であり、騎手の手腕が勝敗に影響する比率が増すことは言うまでもない。そこで注目すべきは、長距離を得意とする2人のジョッキーだ。
競馬界には昔から「長距離は騎手で買え」という格言があるように、長距離レースはトップジョッキーの方が活躍しやすいことを表したものだ。この格言ができた要因として、レース中の駆け引きの増加が挙げられる。
天皇賞・春の勝ちタイムは、3分以上要することもあり、春のスプリントG1・高松宮記念よりも、2分以上長い時間を走ることになる。そのため、どのペースで走るか、どのタイミングで仕掛けるかといった駆け引きが増えるため、技術的なアドバンテージの多いトップジョッキーほど長距離が得意な傾向となるのだ。
そんな長距離を得意とするジョッキーの1人がD.レーン騎手だ。オーストラリアから短期免許で来日中の同騎手は初来日以降、2500m以上の長距離レースに9度騎乗し、馬券外が2度しかない得意条件。その複勝率77.8%は、同じく長距離を得意とするC.ルメール騎手の複勝率64.8%と比較しても優るとも劣らない数字といえるだろう。
重賞となれば、さらにレーン騎手の手腕が冴え渡り、過去4度の騎乗で3勝2着1回のオール連対を記録している。まさに「長距離はおまかせあレーン」といったところか。
今年の天皇賞・春には、昨年のステイヤーズS(G2)でコンビを組んで勝利したシルヴァーソニックと参戦。レーン騎手は、ステイヤーズSでの勝利後も「長距離なら重賞でも強いところを見せてくれると思います」とコメントし、天皇賞・春の共同記者会見でも「いいスタートを切って、いいポジションで競馬をする自信がある」と話すなど、自信を見せていた。人馬ともに「長距離マスター」のコラボレーションが実現しただけに、レーン騎手の騎乗馬には要注意だ。

もう1人の「長距離マスター」は、馬優先主義を貫き、意表をついた騎乗を見せる姿から「本物の名手」とも評される美浦の大ベテラン横山典弘騎手である。
天皇賞・春の通算複勝率4割弱をほこる横山典騎手は、近年も長距離で存在感を示している。近年、長距離騎乗の多かった19年には、阪神大賞典(G2)で10番人気のロードヴァンドールを3着に導き、20年の天皇賞・春では4番人気のミッキースワローを3着に導いた。また、その年の年末に行われたステイヤーズSでも、7番人気のオセアグレイトを勝利させるなど「長距離に横山典弘あり」と言わんばかりの活躍ぶりを見せていた。
横山典騎手が今回騎乗するマテンロウレオは、きさらぎ賞(G3)の制覇も経験。前走の大阪杯(G1)でも8番人気の低評価ながら、見せ場十分の4着に食い込んだ。
まさに、横山典騎手とマテンロウレオのコンビは、勝手知ったる名コンビである。しかしながら、『netkeiba.com』が公開している単勝予想オッズでは、28日現在で想定6番人気とマークが薄い。それだけに、周囲をアッと言わせる大仕事を成し遂げる舞台は整った。
長距離レースで実力を発揮するベテランジョッキーといえば、天皇賞・春を8回制覇した武豊騎手を思い浮かべる人も多いだろう。ただ、近年は武豊騎手が長距離を得意なイメージが先行してしまい、人気を裏切ることが増えてしまった。
一方で、横山典騎手は近年も長距離での存在感が薄れない。長距離得意のイメージで人気が先行しやすい武豊騎手よりも、横山典騎手の方が期待できるだろう。
「長距離こそ騎手で買え」という言葉があるように、騎手の存在感が大きくなる天皇賞・春。「長距離マスター」の2人から目が離せない。
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