「傘マーク」の天皇賞・春に意外な共通点!? 過去2回はガチガチと大波乱も…“二度あることは三度ある”で浮上する激走候補は
グランドオープン2週目となる30日の京都競馬場では、古馬の長距離王を決める天皇賞・春(G1)が行われる。昨年の覇者タイトルホルダーを中心に、ジャスティンパレスやボルドグフーシュ、アスクビクターモアなどのスタミナ自慢が最強ステイヤーの称号を競う。
新装後、最初のG1とあって好天に恵まれての開催を期待したいところだが、気象庁の発表によると、週末の天気はどうやら雨模様。27日午前11時時点で、日曜の京都競馬場周辺は降水確率70%の予報が出ている。
まだレースまで数日あるため、雨予報が“空振り”に終わる可能性もあるが、もし雨中の天皇賞・春となるようなら、18年ぶりとなる。
ちなみにJRAが発表しているレース時の天候を基に過去30年の天皇賞・春を振り返ると、「雨」もしくは「小雨」の中で開催されたのは2001年と05年のわずか2回しかない。比較的好天で開催されることの多いレースとしては、レアケースに該当するのだが、過去の結果も今年の参考となるかもしれない。
過去2回のレースを簡単に振り返ってみると、01年は4着に敗れた前哨戦の大阪杯(当時G2)からの巻き返しに成功したテイエムオペラオーが1番人気に応えて勝利した。見事前年に続く連覇を達成した。馬場の悪化で波乱を期待するファンもいたが堅い決着。2着に3番人気メイショウドトウ、3着に2番人気ナリタトップロードが入った馬連の払戻は、500円というガチガチの低配当だった(当時はまだ三連複の発売前)。
しかし、その4年後の05年は前回から一転、天候と同じく馬券も大荒れとなった。先頭でゴールを駆け抜けたのは、なんと13番人気の大穴スズカマンボ。2着にも14番人気のビッグゴールドが入り、馬連は8万5020円の大波乱という結果に終わっている。
馬券的には両極端な結果となった01年と05年の天皇賞・春。雨が降っていたこと以外に共通点はなさそうだが、実はある騎手が両方のレースで馬券に絡んでいた。
それは今年で騎手生活28年目を迎えた和田竜二騎手だ。
もちろん01年は当時の現役最強馬テイエムオペラオーとのコンビ。中団追走から早めに抜け出す横綱相撲で人馬ともにG1・7勝目をゲットした。
そして4年後に騎乗していたのが、14番人気で大穴を開けた先述のビッグゴールドだ。オープンで頭打ち状態になっていた同馬とその年からコンビを組み、オープン特別を2連勝して天皇賞・春に駒を進めたばかりだったが、本番では2番手追走の競馬で大健闘の2着に食い込んだ。
大本命と超伏兵という対照的な2頭で馬券に絡んだ和田竜騎手だったが、雨が降りしきる中、どちらも道中は経済コースをうまく立ち回る好騎乗。今年、雨の天皇賞・春となるようなら、積極的に狙ってみたい騎手である。
“二度あることは三度ある”で浮上する激走候補は
そんな和田竜騎手が今年の天皇賞・春でコンビを組むのは、一昨年と昨年で2年連続2着に入った実績馬のディープボンド(牡6歳、栗東・大久保龍志厩舎)だ。
昨秋の凱旋門賞(仏G1)の18着はまだしも、近走の有馬記念(G1)や阪神大賞典(G2)の凡走も相まって、27日現在で『netkeiba.com』が公開している単勝の予想オッズは、7番人気想定と人気が急落した。しかし、2年連続で1番人気の支持を受けていたように、その実力はメンバーでもトップクラス。出走メンバー中で唯一、京都の重賞を制しているアドバンテージと得意の長距離、さらに雨の天皇賞で信頼できる和田竜騎手が鞍上なら軽視は禁物だろう。
その和田竜騎手は最終追い切り後の共同記者会見で「先週の傾向から、良馬場ではこの馬にはどうかというところがありましたので、多少渋るのはプラスに働くのではないかと思います」と週末の雨予報も歓迎していたのだから期待も高まる。
“二度あることは三度ある”という諺のように、三度目の恵みの雨を味方に和田竜騎手が相棒を激走に導く可能性は十分あるだろう。
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