タイトルホルダーはキタサンブラックの再来!? 「現役最強」奪還と7冠達成へ、行く手を阻むイクイノックス、ソールオリエンスら2世たち
30日、京都競馬場では国内G1最長距離の3200mで争われる天皇賞・春が行われる。今年の出走予定馬の中で最有力視されているのは、昨年の当レースを7馬身差で圧勝したタイトルホルダー(牡5歳、美浦・栗田徹厩舎)だ。
昨年の秋は果敢に凱旋門賞(仏G1)に挑戦。日本馬4頭の中では最先着を果たしたものの、20頭立ての11着という残念な結果に終わった。続く帰国初戦の有馬記念(G1)にはファン投票1位で選出されたが9着に敗れ、“国内最強馬”の称号をイクイノックスに譲る形で2022年を終えている。
名誉挽回を期して臨んだのが前走の日経賞(G2)。前年に続きハナを切ってレースを引っ張ると、自身初の不良馬場をものともせず、後続馬を突き放す強い競馬。揺らぎかけた評価を再び高めることに成功した。
タイトルホルダーはキタサンブラックの再来!?
持ち前の先行力を武器に長距離路線で活躍するタイトルホルダー。その姿はキタサンブラックと重なる部分も多い。実際に2頭の戦歴を比べると、競走馬としての歩みは非常に似ている。
両馬は3歳春に皐月賞トライアルを制して本番でも好走。日本ダービー(G1)は掲示板外に敗れたが、クラシック最終戦の菊花賞でG1初制覇を飾った。その後は有馬記念で敗れ、4歳時にG1を2勝したところも同じだ。
2頭の3歳春から4歳にかけての戦歴をざっくり比べると共通点が多いことが分かるだろう。
5歳になったキタサンブラックは、初戦にG1に格上げされたばかりの大阪杯を制覇。続く天皇賞・春で連覇を飾ると、秋には天皇賞・秋(G1)で春秋盾連覇を達成。そして引退レースとなった有馬記念で有終の美を飾った。
最終的にキタサンブラックが獲得したG1タイトルは7つ。そのうち4つを現役ラストイヤーの5歳時に挙げている。
そんな歴史的名馬キタサンブラックにタイトルホルダーが肩を並べるためには、5歳となった今年にG1を4勝する必要がある。長距離の圧倒的な実績や、他にG1馬が1頭(アスクビクターモア)しかいないことを考えれば、春の盾連覇を達成する可能性はかなり高いはずだ。
ただし、その後はかなり険しい道のりが待っている。
「おそらく、この後は昨年と同じく宝塚記念(G1)に向かうローテーションが濃厚です。秋には再び海外遠征に打って出る可能性もありますが、できればキタサンブラックと同じように古馬の王道路線(天皇賞・秋、ジャパンC、有馬記念)に挑戦してほしいですね。
府中の2000mはタイトルホルダーにとって距離不足と見る向きもありますが、2~3歳時に1800~2000mでも結果を出しているだけに、あっさりこなしても不思議はありません。キタサンブラックのように種牡馬になってからも高い評価を受けるために2000mのG1でスピードのあるところを示してほしいですね」(競馬誌ライター)
しかし、そんなタイトルホルダーの行く手を阻むのが、他でもないキタサンブラックの産駒である。
「最大の強敵は、昨年の有馬記念でタイトルホルダーが完敗したイクイノックスでしょうね。王道路線を歩むなら、対戦は避けられないでしょうね。3月のドバイシーマクラシック(G1)を圧勝し、世界No.1の評価も受けていますし、現在の現役最強は間違いなくこの馬でしょう」(同)
また、すでに3歳牡馬最強との評価を集めているソールオリエンスもまたキタサンブラック産駒。タイトルホルダーにとって共通点の多いキタサンブラックは大きな目標になるかもしれないが、その行く手には偉大な先輩の子供たちが立ちはだかるというわけだ。
来たるべき強敵との戦いへ、まずは今週の天皇賞・春を力強く勝ち切っておきたいところだろう。
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