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カワカミプリンセス、スイープトウショウが揃って轟沈! 「228万馬券」が飛び出したヴィクトリアマイルと三冠馬2頭の意外な交わり

カワカミプリンセス、スイープトウショウが揃って轟沈! 「228万馬券」が飛び出したヴィクトリアマイルと三冠馬2頭の意外な交わりの画像1

 14日に東京競馬場で行われるヴィクトリアマイル(G1)。左前脚のフレグモーネを発症したメイケイエールの回避は非常に残念ではあるが、16頭の古馬牝馬が府中のマイルで覇を争うことになりそうだ。

 秋のエリザベス女王杯(G1)に対し、春にも牝馬のG1をということで2006年に創設されたのが、東京の芝1600mが舞台となるヴィクトリアマイル。近年こそアーモンドアイやグランアレグリアら男勝りの女傑が勝利したため、堅いレースというイメージもあるが、2015年にJRA・G1史上最高となる3連単2070万円超という夢馬券が飛び出した。

 それより一桁少なくなるものの、今回はヴィクトリアマイル史上2番目に3連単の配当の高かった2007年を振り返ってみたい。

 初年度はダンスインザムードが優勝し、2回目の開催となった翌年で大本命に推されたのはカワカミプリンセスだ。前年にオークス(G1)と秋華賞(G1)の変則二冠を達成。1位入線したエリザベス女王杯は、直線の斜行でまさかの12着降着という悲劇も経験していたが、実質三冠馬といってもいい実績の持ち主である。

 2番人気の支持を受けたのは、2005年の宝塚記念(G1)でハーツクライを2着に下して優勝したことで知られるスイープトウショウと池添謙一騎手のコンビ。続いて3番人気が武豊騎手のアドマイヤキッス、4番人気にディアデラノビアと続いた。

 半年ぶりの休み明けでも、実質6戦無敗のカワカミプリンセスで仕方がないというムードが濃かった。また、年齢的な衰えが見られていたとはいえ、スイープトウショウも牡馬を相手に勝ち負けしていた女傑であり、2頭の馬連が5.0倍しかつかなかったことを考えても、大半のファンが両馬の一騎打ちを期待していたことが分かる。

 しかし、誰もが堅いと考えた一戦には、思いもよらぬ結末が待ち受けていた。

カワカミプリンセス、スイープトウショウが揃って轟沈!

 レースはアサヒライジングがハナを奪ってマイペースの逃げ。これをキストゥヘヴン、ブルーメンブラットが追う展開で、カワカミプリンセスやスイープトウショウは後方待機で脚を溜めていた。

 直線の長い東京コースということもあり、末脚に定評のある2頭なら問題ないと思われたものの、伸びあぐねるライバルを尻目にレースを制したのは、直線6番手から抜け出してゴールを駆け抜けたコイウタ。ほぼノーマークに近い12番人気の大穴がジャイアントキリングに成功しただけでなく、2着に逃げ粘ったアサヒライジングが9番人気なら、3着に入ったデアリングハートも8番人気という大波乱となった。

 大金星を手に入れた松岡正海騎手が「最高の気分。遅い流れだったが道中は馬の気に任せた。自分の勘を信じて乗った」と喜びを爆発させたのも無理はない。強気な男の積極的なポジション取りが実を結んだ結果だったといえる。

 注目を集めた2強はスイープトウショウが9着、カワカミプリンセスが10着と完敗。良馬場で1分32秒5の勝ちタイム、勝ち馬のコイウタが上がり3ハロン33秒4の末脚をマークしていたのだから、こればかりは相手を褒めるしかない。

 コイウタに関しては歌手の前川清さんの所有馬としても話題となったが、この年のヴィクトリアマイルには、後に三冠馬を世に送り出すことになる母馬が出走していたことでも有名だ。

 3着デアリングハートの仔デアリングバードは、無敗の牝馬三冠を達成したデアリングタクト、12着フサイチパンドラもまた、牝馬三冠をはじめ芝のG1で9勝を挙げたアーモンドアイを出している。

 今年のヴィクトリアマイルに出走する馬の中にも、もしかしたら未来のスターホースの母や祖母がいる可能性もあるかもしれない。

黒井零

黒井零

1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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