
カデナの日本ダービー制覇にはスローペースがほぼ「必須条件」?世代トップクラスの優等生が皐月賞惨敗で露呈した「課題と限界」

クラシック第一弾の皐月賞を9着に敗れたカデナ(牡3、栗東・中竹和也調教師)。昨年9月のデビュー以来京都2歳S、弥生賞の重賞2勝を含む5戦オール連対と抜群の安定感を誇っていたが、肝心のG1の舞台ではあっけないほどの惨敗を喫してしまった。
主な敗因として考えられるのは2つ。1つ目は過去に経験してこなかったG1の厳しい流れだ。弥生賞以前は前半3Fが36秒以上かかるスローペースでしか走っていなかったのに対し、皐月賞は逃げたアダムバローズの刻んだラップが35秒1。過去10年の結果と比較しても4番目に速いペースだった。
デビューから一貫して最速の上がりを計時していたカデナだが、未体験のペースでの追走を余儀なくされたとすれば、自慢の末脚が炸裂せずとも不思議はない。皐月賞で記録した上がり3Fは34.4で全メンバー中9位と平凡なもの。不甲斐ないレースだったとはいえ、原因がはっきりしているぶん馬券を買う方からすれば考察しやすいのが救いか。
2つ目は、向こう正面で必要以上に体力を消耗した点。まずまずのスタートを切った後は内枠の利を最大限に生かし、後方のラチ沿いに控えるポジション取り。そのままじっくり脚を溜められればよかったものの、前のペルシアンナイトが動いたのに反応してしまったのか、掛かり気味といった感じで前に付いて行ってしまう。
力を温存するべき道中で脚を使ってしまえば、その分直線の追い比べで遅れを取るのはある意味当然だろう。ペルシアンナイトのようにデムーロ騎手とコンタクトを取りながら動いたのであれば作戦の一部とも取れるが、そうでなかったのなら単なるロス以外の何物でもない。
以上の考察を踏まえれば情状酌量の余地はあるものの、さて日本ダービーで巻き返しが可能かとなると、問題はそう簡単ではなさそうだ。
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