
【エプソムC(G3)展望】安田記念(G1)除外の鬱憤晴らすか…ジャスティンカフェVSインダストリア! 帰国前「ラスト重賞」D.レーンにも要注意
11日、東京競馬場ではエプソムC(G3)が行われる。過去10年で1番人気の馬は「1-2-1-6」と信頼度はイマイチ。特に過去5年は、「0-0-1-4」と連対すらしていない。荒れる要素満載のレースといえるだろう。
今年は安田記念(G1)で賞金が足りず除外されたジャスティンカフェとインダストリアが中心。どちらかが1番人気の支持を集めることになりそうだ。
2頭のうち重賞未勝利ながら昨年10月の毎日王冠(G2)と今年4月のダービー卿チャレンジT(G3)で2着しているジャスティンカフェ(牡5歳、栗東・安田翔伍厩舎)が最右翼か。
実は3勝クラスを快勝して臨んだ昨年の当レースでも1番人気に支持されていたが、12頭立ての最後方からレースを進め、重馬場に自慢の切れ味を削がれた結果4着に敗れている。
前走のダービー卿CTは、道中でいつもよりやや前目の中団に位置。直線でうまく外に持ち出されると、自身初経験となる中山の短い直線を鋭く伸びたが2着に終わった。
ただ勝ち馬が56kgの斤量を背負っていたことに対し、ジャスティンカフェは58kg。それでいて3/4馬身差なら負けて強しだったといえるだろう。
追い込み脚質だけにレース展開に左右される面はあるが、直線が長い東京に舞台が替わるのは大きなプラス。良馬場でスピード決着になるようなら、重賞初制覇は一気に現実味を帯びることになる。
鞍上を務めるのは新コンビの横山和生騎手。2022年以降、美浦所属騎手の中では最多の重賞9勝をすべて1~2番人気の馬で挙げており、今回もプレッシャーをはねのける可能性は十分ある。

ダービー卿CTでジャスティンカフェを破ったのがインダストリア(牡4歳、美浦・宮田敬介厩舎)だ。
重賞初制覇の勢いで安田記念に向かいたかったが、今年は近年まれに見る好メンバーがそろったため、まさかの除外。陣営としては、その鬱憤も晴らしたいはずだ。
半兄にマイル重賞3勝のケイデンスコールがいる良血で、本馬もマイルを中心に使われてきた。実際にこれまで挙げた4勝のうち3勝が1600mでのもの。ただし、今回と同じ東京1800mは2回走り、新馬戦2着と2戦目の未勝利勝ちがある。
ジャスティンカフェと同様に鋭い末脚が自慢だが、どちらかというと小回りの中山向き。成績を比べても東京では中山ほど安定した結果を出せていないことも事実だ。
鞍上は近3走で手綱を取った戸崎圭太騎手が他馬に騎乗予定で空席だったが、3日にC.ルメール騎手との再コンビが報じられた。1年7か月ぶりの再結成で、重賞2連勝に導くことができるか。
2~3歳時はクラシックでの活躍も期待されたドゥラメンテ産駒のレインフロムヘヴン(牡5歳、美浦・堀宣行厩舎)は、久々の重賞挑戦になる。
デビュー2戦目の百日草特別(2歳1勝クラス)でエフフォーリアの2着に好走した素質馬だったが、3歳時はスプリングS(G2)、青葉賞(G2)、セントライト記念(G2)とクラシックのトライアルでことごとく惨敗を喫した。
古馬になって2勝クラスから再スタートを切ったレインフロムヘヴン。安定感ある末脚を武器にほぼ毎回上位争いに加わるも、勝ち味に遅い面があった。それでも前走の府中S(3勝クラス)で難敵キングズパレス以下に快勝し、ようやくオープン入り。セントライト記念以来、1年9か月ぶりの重賞で真価が問われる。
そんなレインフロムヘヴンの魅力は鞍上の存在だろう。前走に続き手綱を取るのは、コンビ通算「2-0-1-0」の好成績を誇るD.レーン騎手だ。短期免許で来日中のレーン騎手にとって、この日は今回のJRAラスト騎乗。自らの手で有終の美を飾り、日本を発ちたいところだろう。
重賞制覇までもう一息のエア軍団2騎にも勝機はある。

エアロロノア(牡6歳、栗東・笹田和秀厩舎)は、21年リゲルS(L)と22年六甲S(L)のリステッド競走を2勝している実力馬だ。
重賞は3走前・京都金杯(G3)の2着が最高着順だが、新コンビを組む田辺裕信騎手が新たな面を引き出せるかに注目。
同じくリステッド競走2勝馬のエアファンディタ(牡6歳、栗東・池添学厩舎)は、近2走で1800mを使われ安定した走りを見せている。
重賞では3走前のチャレンジC(G3)5着が最高着順だが、課題のスタートを決めさえすれば、上位争いは可能だろう。今回は戸崎騎手との新コンビで臨む。
この他には、姉にフローラS(G2)勝ちのミッドサマーフェアと秋華賞(G1)3着のソフトフルートがいるフィアスプライド(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)、昨年の当レースでノースブリッジにクビ差及ばず2着だったガロアクリーク(牡6歳、美浦・上原博之厩舎)、昨年のNHKマイルC(G1)を18番人気で3着に激走したカワキタレブリー(牡4歳、栗東・杉山佳明厩舎)などの伏兵陣も虎視眈々。
飛躍の秋へ向けて、“勝利”の二文字をつかみ取るのは果たしてどの馬になるか。注目のエプソムCは11日、15時45分に発走を予定している。
PICK UP
Ranking
5:30更新「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
宝塚記念(G1)団野大成「謎降板」に関西若手のエースが関係!? 武豊の不可解な登場と突然のフリー発表…関係者を激怒させた「素行不良」の舞台裏
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 未勝利ルーキーが「深刻理由」で乗鞍激減!?度重なる失態に師匠からはお灸、エージェントも契約解除の大ピンチ
- JRA「出禁」になったO.ペリエ「税金未払い」騒動!? L.デットーリ「コカイン使用」K.デザーモ「アルコール依存症」過去の”外国人騎手トラブル”に呆然……
- 【阪神C(G2)展望】武豊“マジック”でナムラクレア、ママコチャを破った重賞馬が待望の復帰戦! 短距離界の有馬記念に豪華メンバーが集結
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- 天才の息子・福永祐一は何故「天才」と呼ばれないのか? 「漁夫の利」に集約されたシュヴァルグランでの「決意」に落胆
関連記事
武豊×デルマアートマン「シンガリ負け」発進…ドウデュース友道康夫調教師が大絶賛も本領発揮は砂か
「阪神の鬼」が宝塚記念(G1)イクイノックスに挑戦状!? 「こっちを選択してよかった」名門厩舎が貫録の同一重賞7勝目
ジャックドール、セリフォスの「前任騎手」が苦戦…ローカルでも若手に敗れ「存在感が薄くなった」の声も
「勇気が足りなかった」動けなかった武豊と、動いた松山弘平。今年最初の「新馬戦」で武豊がドウデュース厩舎とタッグ! リバティアイランドと同じドゥラメンテ産駒に熱視線!?【週末GJ人気記事ぶった斬り!】
目を掛けた愛弟子の「造反」に師匠がブチ切れ!? 今村聖奈、角田大河の謹慎中に存在感発揮も…安田記念前に師弟関係で遺恨勃発か