
鈴木和幸の第84回日本ダービー(G1)最終追い切り診断

トライアル青葉賞の勝ち馬「アドミラブル」は、目黒記念に出走する古馬オープンのレコンダイトと坂路での併せ馬。残り1Fまでは並んでいたが強めに追い出されると瞬時に反応し、2馬身先着の52秒9-38秒8-12秒5。これだけやれて、これだけ動けば、激走だった青葉賞の疲れは皆無、理想的な仕上げができた。手綱をとったデムーロ騎手も「とてもよかった」とご満悦だったから、あとは皐月賞組との力関係だけである。
3頭出しの音無秀孝厩舎の残る2頭、「アメリカズカップ」、「ダンビュライト」は、坂路で併せ馬を敢行した。終始手応え楽のダンビュに対し、アメリカズは行きっぷりイマイチ。これが最後にはダンビュ半馬身の先着となって現れた。馬なりで52秒6-38秒6-13秒0のダンビュは皐月賞3着の好調キープで、強めに追って遅れたアメリカズはしんがり18着からの変わり身はなかった。
皐月賞馬の「アルアイン」は中間、ウッドの長めからの併せ馬2本を含め、長短5本の時計を出している。皐月賞の疲労などどこ吹く風といった感じで元気にあふれている。今週はウッドの短め4Fから馬なり、それでも52秒5-37秒6の時計となり、なんとラスト1Fは11秒5、まさにうならんばかりの走りだった。どちらかといえば頭が高め、それだけに鋭さは感じないのだが、その迫力たるや他馬の比ではなく、絶好調間違いなしである。
「ウインブライト」は、ウッド5F67秒0-37秒9-13秒2を馬なり。時計が平凡なら動きもパッとせず、硬ささえ感じられた。昨秋の11月以降、休みなく使い込まれているので、疲れをとるような追い切りに見えた気がする。
皐月賞で3番人気9着に沈んでしまった「カデナ」。このとき体重が8kg減り、デビュー以来の最低452kgに。中間はこの回復に務め、先週17日にウッド6F84秒9-39秒3-12秒5を出せるまでになった。今週はウッドの6Fからの併せ馬、しかし、テンの2Fは16秒6、14秒8とペースは遅く、実質4Fの追い切り。直線半ば強めに追われるとグイッと伸びて1馬身先着、82秒2-37秒6-12秒1の時計、重心の低いフォームに合格点をやっていいだろう。ただし、馬体全体は細く映り、牝馬のようにも見えた。450kg台の男馬にしては小さいせいかもしれない。その点がちょっと気になった。
「キョウヘイ」は5月7日のNHKマイルカップに出走したのでレース間隔が短く、中間は21日にウッド5F70秒5の軽めのみ。今週はさすがにウッド4F52秒1-38秒9-12秒1を馬なりでマークしてきたが、前走時と変わったところはなく、相変わらず頭の高いフォーム。強調材料が見当たらない。
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