GJ > 競馬ニュース > 「社台」の思惑からダービーの有力馬を……  > 2ページ目
NEW

これが大人の事情? 社台グループの思惑から日本ダービーの有力馬を読み解く

【この記事のキーワード】, ,

 今年は皐月賞とNHKマイルカップをノーザンファームの生産馬が制しており、日本ダービーを勝って春のクラシック二冠制覇が大きな目標となっているのはいうまでもないだろう。さらに先週のオークスは社台ファームのソウルスターリングが優勝しており、ノーザンファーム関係者にとってより力が入る一戦のはずだ。

 またノーザンファーム生産馬の中でも「クラブ馬」と「個人馬主馬」に分かれている点にも注目したい。皐月賞とNHKマイルカップは、ノーザンファームを母体とするクラブ馬主のサンデーレーシングの馬が優勝と個人馬主よりも成績がいい。

 また海外遠征を推し出していきたいノーザンファームの意向と、国内を主戦場としたい個人馬主でしばしば意見が分かれることもあり、ノーザンファーム関係者としては「都合よく海外のレースも使えるクラブ馬に勝ってもらいたい」というのが本音だろう。

 そこで絞り込まれるのはサンデーレーシングのアルアインとダンビュライト、そしてキャロットファームのレイデオロだ。キャロットファームは社台グループのクラブではないが、トップ同士で親交があり海外遠征も積極的で運命共同体のようなもの。

 さらに関係者の思惑は夏のセレクトセールにもつながっていく。実質社台グループが本体といえる日本競走馬協会が主催するセレクトセールは、国内外の大物馬主が来場して素質馬を億単位で落札する異次元の世界。

 昨年もアルアインの全弟であるドバイマジェスティの2015が2億2000万円で落札されているが、今後もこの血統がセレクトセールに上場される可能性は高く、仮にアルアインが日本ダービーを勝ち二冠馬となればその価値は昨年の2億2000万円の比ではないだろう。

 ドバイマジェスティは現役時代にエクリプス賞最優秀短距離牝馬に選ばれた名牝で、ノーザンファームがアメリカから輸入。当初活躍馬は出なかったが、アルアインが皐月賞を優勝してその価値を証明。今もっとも注目を集めている繁殖牝馬といっても過言ではないかもしれない。そういった意味からも関係者の期待度はアルアインが1番手といっていいだろう。

 また同じサンデーレーシングのダンビュライトも父が新種牡馬のルーラーシップということから上位争いが期待されているはず。ただこの馬の母タンザナイトはディープインパクトが血統から種付けできず、産駒を高額で売るのは難しいところ。アルアイン以上の期待度はなく2番手まで。

 最後にレイデオロの母ラドラーダは多くの活躍馬を輩出しているが、そのほとんどがキャロットファームで募集されているようにノーザンファームとしては扱いにくい馬。仮にダービーを勝ったとしても、その弟や妹はキャロットファームの募集馬としてラインナップされるだろうから、他の生産馬に勝たれるよりはいいが、本音を言えば3番手評価といっていいだろう。

 結論からすると社台グループ関係者の思惑から注目されるのはアルアイン、ダンビュライト、レイデオロの順で3頭。果たしてダービーはどんな決着となるのか。レースが楽しみだ。

これが大人の事情? 社台グループの思惑から日本ダービーの有力馬を読み解くのページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

23:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. J.モレイラ「出禁回避」へ負けられない戦い! 桜花賞馬ステレンボッシュは「騎乗不可」、日本ダービーでも悩ましい選択?
  2. 【オークス】「実質未勝利勝ち」4頭参戦にトライアル組は貧乏クジ? 優先出走権も事実上の無意味…トップクラスの参戦見送りに泣いた陣営と笑った陣営
  3. G2降格ひとまず回避も「微妙な立ち位置」に変わりなし?キングカメハメハ、ディープスカイがダービー馬も…「役割を終えた感」を拭えないNHKマイルC
  4. 武豊「クラシック好走」の実力牝馬と新コンビ結成! 最多勝利新人騎手にも輝いた「かつてのホープ」が2度目の降板に
  5. 【ヴィクトリアマイル】ソダシ、ソングライン、ナミュールの激走を見抜いた“マイル三冠王”が今年も完全制覇へ自信の一手!マスクトディーヴァの取捨は?
  6. C.ルメールが「過怠金」横山典弘が「騎乗停止」に賛否両論!? 覚悟の突撃と不可抗力…JRAの一貫した判断とは
  7. 35年ぶりのJRA最多勝記録更新も視野!? 川田将雅に匹敵する3着以内率62.2%…今「最も信頼できる騎手」森一馬が凄い!
  8. J.モレイラ、日本ダービー「本命」はレガレイラを破った4.5億円ホース!? 皐月賞2着コスモキュランダ乗り替わり発表から、鮮やかな優駿切符ゲット!
  9. 「プチ炎上」斎藤新の裏で踏んだり蹴ったりの苦労…三浦皇成を襲ったすれ違いの春、「C.ルメールの復帰」も関東のベテランにダメージ直撃か
  10. 【日本ダービー】「力があるね」「大したもん」田原成貴氏&安藤勝己氏も高評価!打倒ジャスティンミラノに「最大の惑星」が名乗り