GJ > 競馬ニュース > 3.8億円馬“行方不明”に心配の声…リバティアイランド&タスティエーラ世代「通信簿」。セレクトセール「高額馬は走らない」は覆されたか
NEW

3.8億円馬“行方不明”に心配の声…リバティアイランド&タスティエーラ世代「通信簿」。セレクトセール「高額馬は走らない」は覆されたか

3.8億円馬行方不明に心配の声…リバティアイランド&タスティエーラ世代「通信簿」。セレクトセール「高額馬は走らない」は覆されたかの画像1
撮影:Ruriko.I

 落札総額281億4500万円。

 今年も記録づくしとなった馬産地の祭典セレクトセールが終わった。最後の世代となったドゥラメンテ産駒や、今年から新たに“セレクトデビュー”したコントレイル産駒など話題も多く、連日多くのメディアやSNSで取り上げられ、改めてそのインパクトに驚かされたファンも多かっただろう。

 1億円以上の落札は当歳馬35頭、1歳馬28頭を合わせて63頭、最高落札額5億2000万円を筆頭に2億円以上の高額落札馬も合計26頭というから恐れ入る。日経平均株価がバブル以降最高値を記録するなど、日本経済の好調さもあってのものだろうが、それにしても物価の上昇や光熱費の上昇などどこ吹く風、やはり天上の世界は別格なのである。

 今年の傾向を見てみると、新種牡馬コントレイル産駒の評価が高く、イクイノックスの活躍で大きく株を上げたキタサンブラック産駒も絶好調。不振が囁かれたエピファネイアも面目を保ち、2日目の当歳市場の落札額上位10頭はこの3頭の種牡馬が占めた。

 ただ高額落札馬がすべて走るのかといえば、実はかなりリスクが高いと言わざるを得ない。なぜなら過去のセレクトセールをみても、高額落札馬はあまり活躍しないという傾向があるからだ。

 そこで今回は、今年のクラシック戦線を戦った現3歳世代が落札された2020~2021年のセレクトセールにて、2億円以上で落札された馬の成績を調べてみた。

 2020~2021年に行われたセレクトセールにおいて、2億円以上で落札された2020年生まれのリバティアイランドやタスティエーラ世代は以下の12頭。

 

■2020セレクトセール当歳市場

ヒルダズパッションの2020 3.8億円 小笹芳央(馬名ホウオウリュウセイ)未出走
シーズアタイガーの2020 2.7億円 ダノックス(馬名ダノンザタイガー)4戦1勝
シーヴの2020 2.1億円 三輪HD(馬名ムジェロ)5戦0勝
ファイナルスコアの2020 2.0億円 大塚亮一(馬名ホペロア)4戦0勝

 

■2021セレクトセール1歳市場

ゴーマギーゴーの2020 3.0億円 長谷川祐司(馬名オープンファイア)3戦1勝
ファイネストシティの2020 3.0億円 藤田晋(馬名リプレゼント)2戦0勝
ギエムの2020 2.6億円 国本哲秀(馬名ショウナンバシット)7戦3勝・若葉S
エピックラヴの2020 2.4億円 ダノックス(馬名ダノンタッチダウン)5戦1勝・朝日杯フューチュリティS(G1)2着
クイーンズリングの2020 2.2億円 金子真人HD(馬名シャザーン)5戦2勝・すみれS
ヴィンテージローズの2020 2.0億円 藤田晋(馬名チャンスザローゼス)3戦2勝・アイビーS
ジペッサの2020 2.0億円 金子真人HD(馬名ユティタム)5戦3勝・青竜S
スイープトウショウの2020 2.0億円 池田豊治(馬名スイープアワーズ)4戦1勝


 シャザーンとショウナンバシットは、オープン特別を勝利してなんとか皐月賞(G1)と日本ダービー(G1)に出走したが、1勝馬が4頭で3頭が未勝利、そして今なおデビューすらできていない馬もいる。朝日杯FS・2着のダノンタッチダウン、重賞好走のダノンザタイガーが頑張ったといえるが、2億円以上の期待に応えられたかと言えば、誰も納得していないだろう。

 特に3億円以上の高額落札馬は、悲惨な状況と言わざるを得ない。

 3億8000万円で落札されたヒルダズパッションの2020(ホウオウリュウセイ)は、現時点でデビューどころか厩舎にも入っておらず、ファンから「行方不明」と心配されている状態……。そして3億円のゴーマギーゴーの2020(オープンファイア)は、最後のディープインパクト産駒として話題になったが、きさらぎ賞(G3)2着後は休養に入り、春のクラシックには出走できなかった。

 同じく3億円のファイネストシティの2020(リプレゼント)は2戦0勝で未勝利。デビュー戦は川田将雅騎手が騎乗し、2番人気で16着という結果であった。3億円を超えて当時大きな話題となった3頭ではあるが、厳しい状況にある。

 またジャパンダートダービー(Jpn1)に出走した2億円のユティタムは、2021年の北海道サマーセールにて“わずか500万円”で落札された地方競馬の大井所属ミックファイアに完敗。競馬とは得てしてそういうものと言わざるを得ない。

 もちろん、これらはあくまで過去の傾向によるものであり、今年落札された馬達が新たな時代を切り開くかもしれない。特にディープインパクトの後継種牡馬として大きな期待を集めるコントレイル産駒は関係者の評価も上々で期待は大きい。

 中でもノースヒルズが落札し、福永祐一調教師に預託すると宣言した「コンヴィクションⅡの2023」に関しては、新種牡馬として規格外の5億2000万円という評価。騎手時代に福永調教師がクラシック三冠へ導いたコントレイルの産駒が活躍すれば、大きな話題となるだろう。

 いずれにせよ、どの馬も無事にデビューを迎え、そして過去の傾向を吹き飛ばすような活躍を見せて欲しいものだ。

GJ 編集部

GJ 編集部

真剣勝負の裏にある真実に切り込むニュースサイト「GJ」の編集部です。これまで作成した記事は10000本以上。競馬歴10年超えの情報通が業界の「しがらみ」を取り払った「本音」や「真実」にも臆することなく、他のサイトとは一線を画したニュース、サービス提供を行っています。

真剣勝負の真実に切り込むニュースサイト「GJ」

Twitter:@GJ_koushiki

Instagram:@goraku.horse.racing0505

3.8億円馬“行方不明”に心配の声…リバティアイランド&タスティエーラ世代「通信簿」。セレクトセール「高額馬は走らない」は覆されたかのページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

23:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 【菊花賞(G1)展望】ダノンデサイル×横山典弘VSアーバンシック×C.ルメール!淀の3000mで長距離の名手が激突
  2. 【富士S(G2)展望】ジャンタルマンタルVSセリフォスの新旧マイル王対決! 待望のG1制覇へソウルラッシュも虎視眈々
  3. JRA元騎手・藤田伸二氏の「引退理由」を日本経済新聞が痛烈批判!?「木を見て森を見ない典型」と述べた騎手リーディングの本質とは
  4. 戸崎圭太「我ながら酷い」「本当に情けなくて」どん底に落ちた…元クラシック候補の近親はステレンボッシュ、レガレイラ、アーバンシック
  5. 「助手席に誰も乗っていない」「同乗者は制止不可能だった」謎多きJRAの説明…憶測飛び交う角田大河の函館コース侵入
  6. 武豊の続投すら脅かした佐々木大輔と快進撃!関西の名トレーナーが「過去最高ペース」で勝ち星を荒稼ぎ
  7. ルガルは「ロードカナロア級」の超大物!? 武豊も嘆き節の超ハイペースを見切ったプロの目
  8. 「秋華賞定番」桜花賞馬VSオークス馬対決の行方…データではステレンボッシュ優勢もチェルヴィニアに見逃せない反撃材料
  9. 【南部杯(G1)展望】王者レモンポップ連覇なるか! 新ダート王ペプチドナイルの巻き返しにも期待
  10. 「13票生存」も1番人気でわずか1票!荒れに荒れたWIN5の怪…なくなったに等しいキャリーオーバーの魅力