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地方競馬の名手が「JRA初勝利」で存在感、ミルファームの全面バックアップで関係者の評価急上昇中

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地方競馬の名手が「JRA初勝利」で存在感、ミルファームの全面バックアップで関係者の評価急上昇中の画像 先日の大井競馬場で行われたジャパンダートダービー(G1)を制して無敗の三冠を成し遂げたミックファイア。鞍上の御神本訓史騎手の好騎乗も光る快挙だった。南関東の名手が武豊騎手や川田将雅騎手を相手に素晴らしい腕前を披露した。

 元JRA騎手の安藤勝己氏や岩田康誠騎手、内田博幸騎手、戸崎圭太騎手らのように地方からJRAに移籍した騎手たちの腕達者ぶりは広く知られているが、園田競馬に所属する吉村智洋騎手も兵庫の名手として注目される存在だ。

 3月1日から地方競馬との交流競走における騎手の騎乗について、当日免許を有する地方所属騎手が全ての競走(若手騎手競走および障害競走を除く)への騎乗が可能となったこともあり、16日の日曜福島で吉村騎手に多くの騎乗依頼が舞い込んだ。

 騎乗馬の多くは二桁人気の穴馬だったものの、1RでJRA初勝利を挙げた同日に2勝目も挙げたのだから悪くない成績である。上位人気馬でしっかりと馬券に絡み、6番人気馬で勝利と結果もついてきた。

ミルファームの全面バックアップで関係者の評価急上昇中

 兵庫にある園田競馬の騎手ということもあり、関東の関係者にはあまり馴染みのない騎手だったが、計11鞍もの依頼が集まった。トップジョッキーの多くが重賞のある函館や中京で騎乗していたため、騎乗馬の確保がしやすかったとはいえ、影の立役者となったのが所有馬5頭を依頼したミルファームの清水敏氏だった。

「清水社長は吉村騎手の手腕を高く買っていて、数週間前から自身の所有馬を含めて関係者に吉村騎手を乗せるように通達していたようです。JRA初勝利を挙げた馬も手塚貴久厩舎の管理馬でミルファームの生産馬でした。随所にさすがと思わせる騎乗がありましたし、彼の持ち味であるアクションの大きさでしっかり追って動かしていましたね。

一部では、ムチを多用してガッツリ追うタイプの吉村騎手だけに、ムチの連続使用による制裁を危惧していましたが、本人も注意しながら乗っていたため、制裁を受ける事なく終わりました。アウェーでもきっちり勝つ辺りはさすが兵庫のナンバーワンジョッキーですね」(競馬記者)

 また、インタビューでも話していたが、息子の誠之助くんが競馬学校の騎手課程に在籍しており、順調にデビューすれば中央での親子競演も数年後に見られるだろう。

 元々関西圏では知名度の高い騎手だが、今回の福島遠征で関東の関係者にも乗れる騎手として名前が知れ渡ったはず。本人も積極的に中央へ挑戦する予定ということで、今後の騎乗依頼も増えていくのではないか。

 元地方競馬の騎手で息子が中央の騎手というケースは、岩田康騎手を父に持つ岩田望来騎手と同じ。誠之助くんが無事デビューすれば、何かと比較されそうな岩田望騎手にとっても、気になる後輩となりそうだ。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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