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岩田望来、菅原明良、団野大成ら35期「主席」迎えた正念場。「特別な馬」と挑むクイーンS(G3)は逆襲の分水嶺

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岩田望来、菅原明良、団野大成ら35期「主席」迎えた正念場。「特別な馬」と挑むクイーンS(G3)は逆襲の分水嶺の画像1
ドゥーラ 撮影:Ruriko.I

 先週からスタートした夏の札幌開催。その最初の重賞として30日に行われるのが、クイーンS(G3)だ。

 真夏の札幌を舞台に行われる芝・1800mの牝馬限定戦。今年はオークス(G1)で3着に入ったドゥーラ(牝3歳、栗東・高橋康之厩舎)が登場する。

 1年前に同舞台の札幌2歳S(G3)を制した実績を持つ若き有望株。暮れの阪神ジュベナイルF(G1)で6着に敗れた後、今年はチューリップ賞(G2)と桜花賞(G1)で15着・14着と崩れたものの、前走のオークスでは15番人気の低評価を覆して3着に食い込む激走を見せた。

 陣営も『中日スポーツ』の取材に対して「秋華賞(G1)やエリザベス女王杯(G1)まで視野に入れている馬」と語ったように、今回の一戦はあくまでも通過点。賞金加算はもちろんのこと、秋に向けて弾みをつけるようなパフォーマンスに期待がかかる。

 そんな有力馬がメンバー中最軽量タイの51キロで出走できるとなれば、注目を集めるのも仕方がない。1番人気が予想される中で、結果だけでなく内容も求められる一戦。鞍上を任されたのが、この馬に特別な想いを抱いているデビュー5年目の22歳・斎藤新騎手だ。

「特別な馬」と挑むクイーンS(G3)は逆襲の分水嶺

 昨年はじめて夏の北海道滞在を敢行した同騎手にとって、最大の出会いと言えるのがこのドゥーラだろう。ちょうど1年前の札幌でコンビを組み、新馬戦こそ4着に敗れたが、続く未勝利戦と札幌2歳Sを連勝した。

 その存在の大きさについて、斎藤騎手は後に『日刊スポーツ』の取材で「北海道滞在の不安や苦しさを救ってくれた」と振り返っており、「年賀状の写真もドゥーラにしたくらい思い入れのある馬」とも語っている。

 それだけに、自身の手から離れていた今年の春の惨敗には、もどかしい気持ちがあったはず。3走ぶりに手が戻った前走のオークスは、まさに自らが認めた相棒のポテンシャルを改めて見せつける結果となった。

 しかし、当の本人はTwitterで「この悔しさをバネに、もっと良いエスコートしてあげるから一緒に頑張ろうね」とつぶやいており、G1の3着という結果にも満足した様子はない。ドゥーラとともにさらなる高みを目指す意気込みを示している。

 間もなく7月も終了という現時点で、斎藤騎手が積み上げた勝利は22勝。昨年は7月を終えた段階で16勝だからペースとしては前年を上回っているものの、重賞は未勝利とそろそろ新たなタイトルがほしいところだ。

 同騎手と言えば、かつて競馬学校時代には模擬レースの成績などで競うチャンピオンシップで総合優勝を果たし、成績優秀者に贈られるアイルランド大使特別賞に加えて模範賞も受賞した有望株。1年目から42勝を挙げて2019年のJRA賞最多勝利新人騎手賞にも輝いた。

 ところが、気が付けばその42勝がこれまでのキャリアハイとなっており、昨年も自身初となる重賞の複数勝利を達成しながら、勝ち星は35勝に留まっている。

 一方で、競馬学校騎手課程第35期の同期を見てみると、岩田望来騎手は昨年はじめて年間100勝超えを達成し、今年も現在のところ全国リーディング3位につける71勝をマーク。菅原明良騎手も昨年まで2年連続で70勝以上を挙げて、関東を代表する若手ジョッキーへと飛躍した。

 加えて今年は3月の高松宮記念(G1)ではファストフォースに騎乗した団野大成騎手が、同期の中で一番乗りのG1制覇を成し遂げてみせた。この世代を牽引することが期待された斎藤騎手にとっては、3人に逆転を許す格好となってしまっている。

 デビューから10年目以内の若手の中で、今年すでに20勝以上を挙げている騎手が4人もいる期というのは他になく、現デビュー5年目・35期生のレベルが高いというのは間違いない。だが、やはり卒業時に「主席」級の成績を残した斎藤騎手にとっては、このままで良いというわけにはいかないだろう。

 まずは「特別な馬」とともに挑むクイーンSで約1年ぶりとなる重賞勝利を掴み取り、秋冬の活躍につなげていきたいところだ。

GJ 編集部

GJ 編集部

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