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【関屋記念(G3)展望】「神騎乗」松山弘平不在でもセルバーグが主役! 逆転狙うは「充実一途」ディヴィーナら実力派牝馬たち

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セルバーグ 撮影:Ruriko.I

 13日、新潟競馬場ではマイル重賞の関屋記念(G3)が行われる。国内で最も直線が長い新潟の外回りコースで開催されるため、序盤はスローペースになり、直線だけの上がり勝負になることも珍しくないこのレース。ただし、ウインカーネリアンとシュリがワンツーを決めた昨年のように、道中で超スローになれば、前残りの展開になることもある。

 今年は7月の中京記念(G3)を逃げ切ったセルバーグ(牡4歳、栗東・鈴木孝志厩舎)が、重賞2連勝を飾れるかに注目が集まる。

 前走の中京記念は、2走前の米子S(L)で12着に敗れていたこともあって、8番人気まで評価を落としていた。しかし、鞍上の松山弘平騎手が取ったのは逃げの策。好枠から積極果敢にハナを切ると、前半3ハロン34秒6のよどみない流れを作った。

 当日の芝は外差し傾向が顕著で先行馬にはやや厳しい条件だったが、セルバーグは最後まで後続馬に並ばせず。結果的にやや強引にハナを奪ったことも功を奏した。

 前走を含めて逃げた時の成績を「3-0-2-0」としたセルバーグ。自分のペースで逃げることができれば、しぶとい粘り込みが期待できる。

 今回も同じ手を打つ可能性が高いが、近2走で手綱を取った松山騎手は同日の小倉記念(G3)でマリアエレーナに騎乗。今回はテン乗りの吉田豊騎手が手綱を取る予定だ。

 今年わずか10勝と、かつてのような勝利数を伸ばせていない吉田豊騎手だが、現役では屈指と呼べる逃げの名手。JRAの重賞を通算36勝しているが、そのうちの11勝を逃げ切りで収めている。

 今年2月にはパンサラッサとのコンビでサウジC(G1)を制したのは記憶に新しい。セルバーグとは初コンビになるが、不安より期待の方が大きいかもしれない。あとは直線の長い新潟外回りで、どんなラップを刻むかだけだろう。


 後ろからセルバーグを目標にするのは、切れ味鋭い末脚が魅力の牝馬たちだ。

 その筆頭格が中京記念でセルバーグの2着に入ったディヴィーナ(牝5歳、栗東・友道康夫厩舎)である。

 母は11年前の牝馬三冠レース全てでジェンティルドンナの後塵を拝し、オール2着したヴィルシーナ。古馬になってからは、ヴィクトリアマイル(G1)を2連覇し、宝塚記念(G1)でも3着に健闘した名牝だ。

 その3番仔となる本馬は、デビューがオークス(G1)前日とかなり遅め。しかし、その一戦で既走馬相手にいきなり勝利を収め、大器の片鱗を見せた。

 その後は条件クラス突破に時間を要し、オープン入りしたのは4歳となった昨年の3月。昇級後は重賞で苦戦続きだったが、2走前のヴィクトリアマイルでブービー人気を覆す好走で4着に追い込み、改めて重賞級の力を示している。

 前走・中京記念は無事に抽選を突破し、ルージュスティリアに次ぐ2番人気に支持されたが、惜しくも差し届かずの2着に敗れた。それでも賞金加算には成功。今秋の飛躍を誓って、狙うは勝利だけだ。

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プレサージュリフト

 プレサージュリフト(牝4歳、美浦・木村哲也厩舎)は、新馬、クイーンC(G3)を2連勝し、桜花賞(G1)でも4番人気に推された素質馬である。

 牝馬三冠レースには皆勤したが、最高着順はオークスの5着。遠征競馬だった桜花賞と秋華賞(G1)はそれぞれ11着と9着に敗れている。古馬となった今年は、京都金杯(G3)と東京新聞杯(G3)で牡馬相手に連続3着に好走。引き続き「2-0-2-0」と得意にする左回りのマイル戦が舞台なら、あっさり勝ってもおかしくないだろう。

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ロータスランド 撮影:Ruriko.I

 メンバーの中で頭一つ抜きんでた実績を誇るのがロータスランド(牝6歳、栗東・辻野泰之厩舎)だ。

 2年前に当レースで重賞初Vを飾ると、昨年の京都牝馬S(G3)で重賞2勝目をマーク。さらに高松宮記念(G1)でクビ差の2着に入るなど、短距離路線でそのスピードを如何なく発揮してきた。

 その後は7戦して掲示板が1回だけとやや苦戦しているが、近2走は高松宮記念とヴィクトリアマイルで連続6着とまずまず。G3なら力は間違いなく上位だろう。


 16年のダービー卿チャレンジT(G3)を制したマジックタイムの娘エターナルタイム(牝4歳、美浦・中川公成厩舎)も注目の1頭。

 母は同年夏の関屋記念で1番人気に推されたが、ヤングマンパワーの3着に惜敗している。その時と同じC.ルメール騎手を背に、7年前の借りを返せるか。

 この他には、父ドゥラメンテ、母は重賞2勝のアルビアーノという良血アヴェラーレ(牝5歳、美浦・木村哲也厩舎)が京王杯スプリングC(G2)4着以来の出走。今年2月の京都牝馬Sを勝利したララクリスティーヌ(牝5歳、栗東・斉藤崇史厩舎)と、昨年の福島牝馬S(G3)覇者のアナザーリリック(牝5歳、美浦・林徹厩舎)も侮れない。

 セルバーグ以外に名前を挙げた7頭はそろって牝馬だったが、「夏は牝馬が強い」という格言の通りなら、彼女たちが上位を独占してもおかしくはないだろう。マイルCS(G1)にもつながる注目の関屋記念は、13日15時45分に発走予定だ。

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