M.ミシェル「最多勝記録」は風前の灯火…!? 「元記録保持者」R.クアトロが6馬身圧勝でメインジャック!
先月27日、地方競馬全国協会はアメリカ・カナダを主戦場とするフランス人のR.クアトロ騎手に短期騎手免許を交付したと発表した。期間は7月31日から10月30日まで。南関東のみでの騎乗が可能とされている(ただし他地区の交流競走に出走する南関東所属馬に騎乗する場合は除く)。
2017年に同免許を取得して29勝を挙げ、当時の地方競馬における短期免許外国人騎手の最多勝利記録を打ち立てた実績を持つクアトロ騎手。あれからさらにパワーアップし今回はマカオやカタールでのG1勝利の実績を引っ提げ、6年ぶり2度目の来日となった。
早くも“ミシェル超え”見えた?
「ミシェル騎手が持つ最多勝記録を超えることが目標です」
“元”記録保持者のプライドが垣間見える一言だった。2017年に短期免許の最多勝29勝を記録したクアトロ騎手だったが、2020年に同じフランス人ジョッキーのM.ミシェル騎手が30勝を挙げて更新。今回の挑戦では、先輩の意地を見せたいところだろう。
ちなみに前回の来日では、6鞍目で日本初勝利を記録。最終的には269鞍に騎乗して、勝率10.8%・複勝率30.9%とハイアベレージを残している。あれから6年も経っているだけに、最初の数日こそブランクを感じさせたが、4日にあっさりと2勝。来日から5日間で14鞍に騎乗しての2勝は、前回よりも良いペースだ。
「メインレースの東京スポーツ賞競走(B1)では、1番人気の馬を置き去りにする6馬身差圧勝。その手腕も然ることながら、やはりたくさん勝つには『強い馬』に乗ることが第一ということを踏まえても、収穫のあるレースだったと思います。
周囲の関係者の期待も大きいですし、予定通り10月30日までフル参戦するなら大幅な記録更新も狙えるでしょうね。大井に再び“クアトロ旋風”を起こしてくれるか、楽しみです」(競馬記者)
前回の来日は秋から冬にかけての時期だったが、今回は真夏での参戦。勝負服の素材もメッシュで対応するなど、暑さ対策にも万全を期している。南関東の所属馬であればJRAとの交流競走など他場でも騎乗できるだけに、秋には大きなレースでその名を見ることがあるかもしれない。
過去には名手も不合格…超難関の壁
その一方で、公式会見で「日本語を学びたい」と日本文化への興味も示したクアトロ騎手。ネット上の一部のファンの間では、早くも「JRAの通年免許挑戦も視野に入っているのかも」と、ちょっとした話題になっていたようだ。
「6年ぶりの日本参戦というとベテランのように聞こえるかもしれませんが、クアトロ騎手はまだ31歳。ジョッキーとしては若手から中堅に差し掛かる年齢ですし、具体的な話はまだ何も聞いていませんが、今回の挑戦が上手くいけば将来的にはそういう選択肢も出てくるかもしれませんね」(同)
ただ、前述のミシェル騎手は2022年にJRA通年騎手免許取得に挑戦するも1次試験で不合格。2018年には“合格間違いなし”と言われた香港の世界的名手J.モレイラ騎手でさえ1次試験で不合格だった。「とても残念で心が折れた」とモレイラ騎手が悲痛なコメントを残すほど、外国人騎手にとってJRAの騎手試験合格は決して簡単ではない。
いずれにしても、今のクアトロ騎手が優先したいのは日本語のレベルアップよりも記録更新だろう。まずは今回の挑戦で、日本の競馬ファンに大きなインパクトを残すことに期待したい。
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