
エルムS(G3)武豊「26年ぶり」制覇の大チャンス?セキフウと2年前の勝ち馬の共通点

6日の札幌競馬場ではエルムS(G3)が行われる。夏の北海道開催における唯一のダート重賞で、2歳時の兵庫ジュニアグランプリ(G2)以来となる重賞2勝目を目指すのがセキフウ(牡4歳、栗東・武幸四郎厩舎)だ。
かつての有望株が武豊騎手との新コンビで復活の勝利を期す。3歳時にはサウジダービー(G3)の2着やユニコーンS(G3)の2着、コリアC(G3)での3着など日本だけにとどまらず様々な国でタイトル獲得に挑んだが、あと一歩のところで優勝には手が届かなかった。
4歳になった今年は初戦のすばるS(L)で3着に入ったものの、その後は3走続けて掲示板外という屈辱も味わった。気が付けば2021年11月の重賞勝ちの後は13連敗中とトンネルの中に迷い込んでいるが、戦いの場を北海道に移した直近の2走は2着・3着と立ち直りの気配を漂わせている。
この歩みを見て思い出されるのが、2年前のエルムSを制したスワーヴアラミスという馬だ。2020年のマーチS(G3)で重賞初制覇を果たしたものの、その後は1年以上も勝利どころか馬券絡みもなし。スランプに苦しむ中で迎えた6歳夏の北海道滞在がひとつの転機となる。
大沼S(L)では59キロという斤量を背負いながら2着と踏ん張ると、続くマリーンS(OP)では57.5キロを背負いながら勝ち切り、ついに連敗をストップ。そして続くエルムSで待望の重賞2勝目を挙げた。
今回のセキフウは当時のスワーヴアラミスと全く同じローテーションであることに加え、大沼Sでは59キロを背負っての奮闘、続くマリーンSでも57.5キロを背負い、エルムSは57キロで出走と、重賞に向かって徐々に斤量が減って行っている点も共通点となる。
直近で味わった厳しいレースの経験を糧に、スランプからの脱出へ。“スワーヴアラミスの再現”に期待が膨らむ。
「26年ぶり」制覇の大チャンス?
また、手綱をとる武豊騎手にとって、エルムSは1年前のリベンジを期す舞台にもなる。昨年のレースはウェルドーンとのコンビで挑み、先行押し切りを図るも最後にフルデプスリーダーの強襲に遭った。
レース後は「理想的なレースができました」と振り返った武豊騎手だけに、2着という結果には「あそこまで行ったら勝ちたかったのですが……」と唇を噛んだ。
JRAの重賞では通算355勝を挙げているレジェンドだが、実は札幌競馬場での重賞勝ちは長らく遠ざかっている。最後の勝利を調べてみると、今から13年前の2010年にアプリコットフィズとのコンビで制したクイーンS(G3)までさかのぼる。
エルムSに限れば、なんと初参戦だった1997年にバトルラインとのコンビで勝利したのが最後。もし今年勝つことができれば、「26年ぶり2度目」のエルムS優勝ということになる。
先週のクイーンSは同じ兄弟タッグだったライトクオンタムと挑むも9着に終わり、札幌の重賞での連敗は「23」まで伸びた。約1年8カ月に渡って白星から遠ざかっているセキフウともども、今回のチャンスで嫌な流れを断ち切りたいところだろう。
先週果たせなかった兄弟タッグでのリベンジを果たし、人馬ともに連敗ストップを叶えることができるか。セキフウと武豊騎手の新コンビに注目だ。
PICK UP
Ranking
17:30更新【ヴィクトリアマイル(G1)予想】ナミュールから6点で万馬券狙い! マスクトディーヴァは持ちタイムに不安ありで消し! 高速決着に対応できる穴馬で勝負
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「空前の競馬ブーム」巻き起こしたオグリキャップ…ぬいぐるみはバカ売れ、見学ツアーも大人気、「ビジネスチャンス」生かしたオーナーの慧眼【競馬クロニクル 第64回】
- JRA出鼻をくじかれた「16億円」の大勝負……。「神の馬」の二の舞だけは避けたい日高に朗報!? 海外からのニュースに関係者も安堵か
- 武豊騎手「パドック意味なし」発言に仰天……馬券購入セオリー「完全否定」のトップ騎手たちが語るパドック必勝法とは