永島まなみ「末脚一閃」で歴代3位の好タイムV! 藤田菜七子の恩人ともいえる「大物個人馬主」とタッグ初白星

この白星をきっかけに急接近となるか。
19日に行われた小倉6Rの2歳新馬戦(ダート1700m)は、後方からレースを進めた永島まなみ騎手とコパノアントニオ(牡2歳、栗東・梅田智之厩舎)が直線差し切って勝利。9番人気の低評価を覆してデビューVを決めた。
フルゲート16頭が揃った一戦。コパノアントニオは出遅れこそしなかったものの「スタートで砂を被って嫌がっていた」と永島騎手が振り返った通り、行き脚がつかず後方からの競馬を余儀なくされる。
ただ向正面に入り馬群の外目に出されると、徐々に追い上げを開始。3~4コーナーでも砂を被りやや頭を上げるシーンも見られたが、永島騎手が上手く直線入り口でコパノアントニオを大外へと持ち出した。
鞍上のステッキが飛ぶと、コパノアントニオもそれに応えて鋭く脚を伸ばす。先に抜け出した松若風馬騎手のジャスパーロブストが粘り込みを決めたかと思われたが、ゴール寸前でわずかにハナ差捕らえ切った。
「前半の位置取りを見るとこれは厳しいかと思ったのですが、メンバー最速の上がりをマークするなど見事な末脚一閃でした。調教の段階から前向きさがなかったようで、永島騎手もレース後『使いつつだと思っていた』と話していましたが、実戦に行っていいタイプなのかもしれません。
なおマークした勝ちタイムの1分48秒2は、小倉ダート1700mの2歳新馬でヤマニンウルス、ダノンハーロックに次ぐ歴代3位の好タイム。ヤマニンウルスはここまで2戦無敗、ダノンハーロックもオープンまで出世しているだけに、コパノアントニオもかなりの活躍が期待できそうです」(競馬誌ライター)
「大物個人馬主」とタッグ初白星
なお永島騎手は、これがコパノアントニオのオーナーである“Dr.コパ”こと小林祥晃氏の所有馬での初白星にもなった。
「コパノ」の冠名でおなじみの小林オーナーといえば、本馬の父であるコパノリッキーやコパノリチャードなどのG1馬を所有してきた大物馬主であると同時に、「騎手を育てて競馬界を盛り上げたい」という信念も持った人物である。
2019年には『藤田菜七子に重賞を獲らせよう』というテーマを掲げると共に、コパノキッキングの手綱を藤田騎手に依頼。それに際して同オーナーは、同馬を管理する村山明調教師に対し「1年間(コパノキッキングに)菜七子を乗せるけど、我慢して使ってやってほしい」と、自らお願いする経緯まであったようだ。
また藤田騎手もオーナーの期待に応え、同馬とのコンビで重賞2勝を挙げる活躍。同馬が引退する際には「コパノキッキングとオーナーのコパさん、村山先生をはじめ関係者の皆さんに感謝しています」と思いを語るなど、藤田騎手にとって小林オーナーは恩人のような存在となっていることは間違いないだろう。
「実はコパノアントニオの永島騎手と小林氏がJRAでタッグを組むのは、意外にも今回がわずか2回目だったんですよね。
藤田騎手との例などもあるだけに、永島騎手も同オーナーの所有馬で白星を挙げられたことは、今後の騎手人生にとって大きくプラスと働くかもしれません。そう考えると今回の勝利は、ただの1勝以上に価値のあるものとなってきそうです」(同)
なお永島騎手はレース後、コパノアントニオについて「3、4コーナーで促したらハミを取って走ってくれた。外へ出してからは伸びてくれました。かなり幼いところがあるので、成長の余地はあります」と、今後にかけて伸びしろ十分と評価している。
次走は未定のようだが、このコンビが継続することはもちろん、永島騎手×小林オーナーのタッグを見かける機会が増えることにも期待したい。
PICK UP
Ranking
23:30更新
「正直なところ辟易としています」武豊が巻き込まれた29年前のアイドルホース狂騒曲…レース前に明かしていた「コンビ結成」の裏話
JRA調教師の目標は「餌やり」からの卒業!? 競馬界の「影の王」ノーザンファーム外厩大成功に存在意義ズタズタ……
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- 高知競馬10年間で「売上10倍」の快挙! かつてハルウララ騎乗の武豊騎手が「悲惨」と憂いた競馬場が「時代の風」に乗る
- JRA「パワハラ裁判」木村哲也調教師が復帰。大塚海渡騎手への暴言、暴力行為による調教停止処分から約3か月…若手実力派調教師の汚名返上に期待
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- JRA有馬記念(G1)「伝説の逃走劇」はキタサンブラックでも、ダイワスカーレットでもなく、あの馬!? 前走4馬身圧勝から狙うレジェンドの再現
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
















