【キーンランドC(G3)展望】「スプリント重賞3勝」ナムラクレアVS「洋芝巧者のスプリンター」キミワクイーン!北の大地に快速馬が勢ぞろい!
27日、札幌競馬場では芝1200mのキーンランドC(G3)が行われる。スプリンターズS(G1)の前哨戦としても重要な役割を担うこのレースは、過去10年で牝馬が7勝している牝馬優勢の一戦でもある。さっそく有力馬を中心に展望していこう。
ナムラクレア(牝4歳、栗東・長谷川浩大厩舎)は、これまでスプリント重賞を3勝している実績馬。G1では「0-1-1-3」の成績で、掲示板を外したのは8着に敗れた前走のヴィクトリアマイルだけという堅実さが売りだ。
札幌コースは未経験だが、昨年の函館スプリントS(G3)で洋芝を経験済み。その時は50kgの軽斤量も味方に3番手から抜け出して、古馬相手に2馬身半差をつけて快勝した。
昨年はその後に北九州記念(G3)を経由してスプリンターズSに向かったが、今年の夏はここ一本に照準を定め、1度叩いてから秋の大一番に向かうプランを描いている。
すでに栗東で追い切りを重ねており、ある程度仕上がった状態で北海道入り。1週前には函館・芝で追い切られ、同厩のヴァトレニと併せて貫禄の1馬身先着を決めている。悲願のG1制覇に向けて、まずは今回のメンバー相手に勝負付けを済ませておきたいところだろう。
そんなナムラクレアに立ちはだかるのは、同世代のキミワクイーン(牝4歳、美浦・奥村武厩舎)だ。
かつて、阪神ジュベナイルF(G1)とフィリーズレビュー(G2)で対決しているが、どちらもナムラクレアに先着を許している。1年5か月ぶりとなる3度目の顔合わせで、目下の充実度を示したいところ。
先行力を武器にしていた同馬だが、前走・函館SSはキャリアで初めて中団から後方に控える競馬。それまで重賞では4戦全敗で、掲示板すらなかったが、4角10番手から豪快に差し切り、新味を発揮した。これには元JRA騎手の安藤勝己氏も自身のX(旧Twitter)に「いかにも洋芝巧者のスプリンターで、他馬とは適性が違ってた」とポストし、高い洋芝適性を評価している。
今回は前走以上の好メンバーがそろったが、2戦2勝の洋芝なら好勝負を演じることは可能だろう。1週前追い切りでも絶好の動きを披露しており、状態面に不安はない。
同年の函館SS→キーンランドCを連勝した馬は10年ワンカラットと11年カレンチャンの2頭いるが、どちらもキミワクイーンと同じ4歳の牝馬だった。「3-2-0-0」とコンビ相性抜群の横山武史騎手を背に重賞2連勝を飾って、スプリンターズSに駒を進めたい。
牝馬2頭をまとめて負かすとすれば、メンバー唯一のG1ウイナーでもあるナランフレグ(牡7歳、美浦・宗像義忠厩舎)だろう。
昨年の高松宮記念(G1)を渾身のイン突きで制したのは記憶に新しいが、その後は6戦して勝利なし。馬券圏内も昨秋のスプリンターズSの3着のみである。
今年は始動戦のオーシャンS(G3)で59kgを背負って9着に敗れたが、続く高松宮記念で4着に入り、意地を見せた。
前走・安田記念(G1)はブービー17着に敗れたが、やはり距離が長かったか。1200m戦に戻る今回は展開の助けがあれば、1年5か月ぶりの勝利も十分視野に入る。
鞍上を務める丸田恭介騎手は北海道・旭川市出身で、函館では16年函館SSをソルヴェイグで勝利している。ところが、札幌の重賞は16戦して未勝利。17度目の挑戦で、札幌での重賞初Vを飾れるか。
ウインマーベル(牡4歳、美浦・深山雅史厩舎)も秋の飛躍を目指す。
3歳時の昨年は当レースとスプリンターズSで連続2着に好走。その後はシルクロードS(G3)7着、高松宮記念10着とやや精彩を欠いたが、前走の京王杯スプリングC(G2)で2着と巻き返しに成功した。
3か月ぶりの実戦となる今回は、今月上旬に札幌競馬場に入厩。1週前にダートコースで一杯に追われたが、追い切り後に右前脚に挫跖を発症してしまった。陣営は回避の可能性にも言及しているが、出走に踏み切るようなら当然無視できない存在となる。
トウシンマカオ(牡4歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)は、昨秋の京阪杯(G3)で重賞初制覇。その後は不良馬場で行われた高松宮記念で15着に敗れたが、その前哨戦のシルクロードSで4着、前走の函館SSで3着と上位を確保している。
昨年の当レースは1番人気に支持されたが、外々を回らされる距離ロスもあり4着に敗れた。1年越しのリベンジに期待したい。
シュバルツカイザー(セ5歳、美浦・大竹正博厩舎)は、UHB杯(3勝クラス)、しらかばS(OP)を2連勝中。鞍上に短期免許を取得し来日中のJ.モレイラ騎手を迎えて一気の重賞獲りを狙う。
この他には、前走・青函S(OP)を武豊騎手との初コンビで快勝し、今回も同騎手が継続騎乗予定のゾンニッヒ(牡5歳、栗東・池江泰寿厩舎)、その武騎手からU.リスポリ騎手に乗り替わるウォーターナビレラ(牝4歳、栗東・武幸四郎厩舎)、昨年の函館2歳S(G3)を制したブトンドール(牝3歳、栗東・池添学厩舎)などもスタンバイしている。
ナムラクレアとキミワクイーンの牝馬2頭を中心に粒ぞろいのメンバー構成となった今年のキーンランドC。発走は27日の15時35分を予定している。
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