
【3歳馬診断】新潟記念ノッキングポイントとの違いは明白!? セントウルSのビッグシーザーとドルチェモア、京成杯AHのグラニットなど3歳馬の取捨選択

先週行われた新潟記念(G3)を3歳馬ノッキングポイントが勝利したことで、今週末に行われる京成杯オータムH(G3)、セントウルS(G2)に出走する3歳馬にも注目が集まっている。
この夏はクイーンS(G3)を3歳馬ドゥーラが勝利し、新潟記念も3歳馬が勝利。この勢いもあり、今週末の重賞レースも3歳馬が優勢と考えるファンやマスコミも少なくないだろう。
だが、果たしてそうだろうか? 確かに斤量面の有利さと若さ、夏の成長が3歳馬に与える影響は大きい。しかし、今夏は過剰人気の3歳馬がことごとく負けたレースも少なくない。
そこで今回はセントウルSに出走するビッグシーザー、ブトンドール、ロンドンプラン、ドルチェモア、京成杯AHに出走するグラニット、トーセンローリエといった3歳馬が古馬に通用するのかどうか、さまざまな視点で検証したいと思う。
まずセントウルSを見てみると、過去10年の3歳馬成績は【1.3.1.10】となっており、決して悪くない。だが今年の3歳短距離路線を見てみると、そのレベルが垣間見えてくる。例えば今年のサマースプリントシリーズを見てみると、3歳馬は合計5頭が出走しすべて5着以下に敗退しているのだ。
・函館スプリントS(G3)
3頭出走で最高着順5着
・北九州記念(G3)
2頭出走で最高着順8着
特に象徴的なのは、唯一の3歳限定1200m重賞である葵S(G3)の優勝馬モズメイメイの大敗だろう。同馬はチューリップ賞(G2)を勝ち、葵Sでロケットスタートから逃げ切っているように、3歳トップレベルの実力を持つ。だが、初めて古馬と対戦した北九州記念は、2番人気に推されながら持ち前のスピードが通用せず、見せ場なく10着に大敗している。3歳トップスプリンターが手も足も出なかった事実は、ショッキングな出来事でもあった。
また函館SSに出走した函館2歳S(G3)優勝馬ブトンドール、ファンタジーS(G3)優勝馬リバーラ、フィリーズレビュー(G2)2着ムーンプローブも完敗。さらに北九州記念に出走した小倉2歳S(G3)優勝馬ロンドンプランも、同様に古馬の壁に跳ね返された。
重賞実績のある3歳馬がまったく歯が立たなかった結果からも、葵Sでモズメイメイに完敗だったビッグシーザー、すでにサマースプリントシリーズで力の差を見せつけられたブトンドール、ロンドンプランは厳しいレースになりそうだ。
またマイル路線からの参戦となる朝日杯フューチュリティS(G1)優勝馬ドルチェモアだが、得意のマイル戦ですら大敗続き。果敢に古馬へ挑戦した安田記念(G1)も最下位の18着に大敗しているように、現時点で古馬に通用する下地はない。初の1200m戦もプラスに働くとは思えず、苦戦必至だろう。
続いて京成杯AHを見てみよう。過去10年の3歳馬成績は【1.1.3.15】となっており、古馬に引けを取らない。ただ最後に勝利したのは2016年ロードクエストで、他に20年2着のスマイルカナを含め重賞勝利実績があった。3歳馬がこのレースで勝ち負けを演じるには、最低でも重賞勝利実績が必要といえよう。
なお、今年のサマーマイルシリーズは、米子S(L)も中京記念(G3)も関屋記念(G3)も3歳馬の出走はゼロ。さらにNHKマイルC(G1)を制したシャンパンカラーとドルチェモアが安田記念(G1)で手も足も出なかったように、3歳馬のマイル路線は全体的にレベルが低く、かなり手薄な印象。それを象徴するかのように、京成杯AHに出走する3歳馬は1勝馬でサウジアラビアロイヤルC(G3)2着の実績があるグラニット、リステッド勝ちのトーセンローリエのみと寂しい状況だ。
確かに51~52kgの斤量、グラニットによる単騎逃げ濃厚のメンバー構成、開幕週でフルゲート割れと条件は揃ったかもしれない。しかし、重賞勝利実績がない2頭がここで好走するには、枠順や展開などでかなり恵まれる必要がある。だが、今年の古馬はかなり強力なメンバーが揃い、サマーマイルシリーズの最終戦も相まって楽な展開は望めそうにない。ここでも苦戦は必至だろう。
現時点で3歳馬が古馬と互角以上に戦うには、昨年に天皇賞・秋(G1)と有馬記念(G1)を勝利したイクイノックスのように、もっとも層が厚いクラシック路線に近い条件(芝2000m以上)ではないか。実際に新潟記念だけでなく、札幌記念(G2)では3歳馬トップナイフがプログノーシスの2着に好走している。
1200~1600mの路線において現3歳馬が古馬を相手にするには、まだまだ力不足と言わざるを得ない。となればセントウルSも京成杯AHも古馬中心の馬券勝負で良さそうだ。
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