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【アルテミスS(G3)展望】昨年リバティアイランドが敗れたレースで「新女王候補」が一騎打ち! 阪神JF(G1)見据えたハイレベルなメンバーが集結

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 28日、東京競馬場では阪神ジュベナイルF(G1)の重要な前哨戦、アルテミスS(G3)が行われる。

 過去10年のキャリア別成績に注目すると、キャリア1戦の馬は「3-3-1-38」で、単勝回収率30%、複勝回収率26%と今一つ。一方で、同2戦以上の馬は「7-7-9-76」で、単勝回収率145%、複勝回収率85%と、キャリア1戦組を大きく上回っている。

 今年はキャリア2戦以上の馬が上位人気を占める様相を呈しており、データ的には平穏な決着になりそうだが、果たして。さっそく展望していきたい。

 主役候補は半兄に新潟記念(G3)勝ち馬ノッキングポイントがいるチェルヴィニア(牝2歳、美浦・木村哲也厩舎)だ。

 6月東京の新馬戦(芝1600m)でボンドガールに敗れたが、8月新潟の未勝利戦(芝1800m)で勝ち上がった。単勝オッズ1.1倍の圧倒的人気を背負った2戦目は、新潟の外回りコース特有の超スローの流れを2番手で先行すると、直線で力強く抜け出して最後は後続に6馬身もの差をつけている。

 陣営が戦前に「(1600mから1800mへの)距離延長はプラス」と話していたようにマイルはやや忙しかった印象もある。ハービンジャー×チェッキーノという血統からも、将来的には2000m以上での活躍が期待される。

 今回はデビュー戦と同じく東京マイルが舞台となるが、過去2戦の手綱を取ったC.ルメール騎手は前走後に「能力があります。(初戦に比べて)パワーアップしていましたし、伸びしろがあります」と話しており、来春の桜花賞(G1)まで続くマイル戦線で改めて期待したい。ルメール騎手はこのレースで通算「0-4-0-3」と勝ち切れていないが、8度目の騎乗で初勝利を挙げられるかにも注目だ。


 距離適性という点では、サフィラ(牝2歳、栗東・池添学厩舎)の方がマイル向きかもしれない。

 全兄がサリオス、半姉がサラキアという超良血馬のサフィラ。デビュー戦は夏の新潟・芝1600mだった。道中は3番手の内を進んだが、直線でなかなか前が開かず、内回りコースとの合流地点を過ぎた辺りで内ラチに接触する痛恨のアクシデントに見舞われた。それでも最後はしぶとく脚を伸ばし、勝ち馬から0秒3差の3着に入っている。

 2戦目は2か月後の阪神・芝1800m戦。6頭立ての最内枠から、内目の5番手を追走すると、勝負所でうまく外に出され、最後は大外を鋭く伸びて3馬身半差で完勝を収めた。

 このレースでも「2完歩目で他馬と接触して、少しポジションが後ろからになりました」と、鞍上の松山弘平騎手が話していたように不利を受けていたが、それをはねのけての勝利。「これから先、楽しみな馬で、とにかく無事にいって欲しいですね」と、同馬に期待を寄せていたが、無事に3戦目を迎える。

 全兄のサリオスは4年前に2歳マイル王に輝いたが、妹のサフィラはここを勝って2歳女王を決める暮れの一戦に向かえるか注目だ。


 2戦目で勝ち上がったチェルヴィニアとサフィラに対し、ショウナンマヌエラ(牝2歳、栗東・高野友和厩舎)は初戦Vを飾り、2戦目で敗れている。ただし、2戦目の新潟2歳S(G3)でも2着に好走しており、実績的には頭一つ抜けた存在ともいえるだろう。

 その前走は、初戦に続き好ダッシュを決めるとマイペースの逃げ。最後は中団から伸びたアスコリピチェーノに交わされたが、直線でしぶとさを見せた。

 過去10年の当レースで逃げ馬は「0-2-2-6」と勝ち切れていないが、4頭が馬券に絡んでいる。今年は上位2頭に人気が集中することが予想されるため、ノーマークの単騎逃げになるようなら大いに粘る可能性もありそうだ。

 過去データからキャリア1戦の馬は苦戦傾向にあるが、出走馬の多くが1戦1勝馬であることも事実。今年はキャリア1戦の馬の中にも激走候補がいる。

 筆頭格が新馬戦でサフィラを破ったニシノコマチムスメ(牝2歳、栗東・橋口慎介厩舎)だ。

 その初戦は、3番手の好位から直線で堂々と抜け出しての勝利。手綱を取った幸英明騎手は「ゲートを上手に出てくれたし、直線に入っても余裕があり、手応え通りの競馬をしてくれた」と語れば、橋口師も「調教から能力を感じていたけど、実戦でもその通り発揮してくれた」と絶賛。

 ゲートセンスの良さや折り合い面の不安のなさなど、2歳牝馬離れした完成度の高さは大きな武器。良血馬を一刀両断し、デビュー2連勝を飾れるか。


 8月の札幌・芝1500mで初戦Vのラヴスコール(牝2歳、美浦・加藤征弘厩舎)は、デビュー前に横山武史騎手が「今年乗った2歳の中でも、ずば抜けている」と話した逸材。その言葉通りの内容で完勝を収めたが、軽い馬場の東京で真価が問われそうだ。

 この他には、近親にG1馬のディーマジェスティやタワーオブロンドンがいるライトバック(牝2歳、栗東・茶木太樹厩舎)、同じく近親に2歳女王のローブティサージュがいるエピファネイア産駒のエリカリーシャン(牝2歳、美浦・国枝栄厩舎)、重賞4勝のミスパンテールを姉に持つギヴイットアゴー(牝2歳、栗東・昆貢厩舎)など、いずれもキャリア1戦ながら伸びしろが期待できる馬もスタンバイしている。

 昨年の当レースで2着に敗れたリバティアイランドはその後、圧倒的なパフォーマンスで三冠牝馬に輝いた。今年のメンバーの中にも来春のクラシックを狙える逸材はいるのか。注目のアルテミスSは28日、15時45分に発走予定となっている。

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