
【天皇賞・秋】最強馬決戦は納得も「第3の馬」にこそ妙味あり! プログノーシス、ジャスティンパレス凌ぐ配当的魅力…「逆襲必至」のお宝馬を猛プッシュ
いよいよ決戦の日が迫ってきた。
それは勿論、世界最強馬に上り詰めたイクイノックスと、本馬を昨年の日本ダービー(G1)でクビ差の2着に退けたドウデュースの直接対決となる天皇賞・秋(G1)が行われる29日のことである。
これまで両者の対決は、皐月賞(G1)が2着イクイノックスで3着ドウデュース、ダービーがドウデュース1着でイクイノックス2着と1勝1敗のイーブン。3度目の対決で白黒をつけるどころか、ジャパンC(G1)でも4度目の対決が見られそうなのだから、競馬ファンにとっても今秋最大の関心事といえるかもしれない。
競馬において、どう考えても力の突出した2頭の決着となりそうな際、いわゆる「銀行レース」といわれるケースはよくある。配当は安くてもわずか数分で賭け金が増えるのなら、借金をしてでもやりたいというファンもいるだろう。
ただ誰もがそう考えたレースだったとしても、意外と一騎打ちで終わらないのがまた競馬の怖さ。もし1点勝負を予定している場合、馬券の購入は自己責任ということを念頭に最後の最後まで色々なパターンを想定しておきたいところだ。当日の天気や枠順、予想外の展開や落馬に出遅れ競走中止と何があっても驚けない。
某故人が生前に残した「出る前に負ける事考えるバカいるかよ」という名言も背中を押してくれそうだが、今回はあえて2頭以外で配当的な妙味のある馬を探ってみたい。
というのは、仮に人気確実の2頭が3着以内の馬券圏内に入ったとしても、複勝や3連系の馬券で穴馬を狙い撃てれば、思わぬオイシイ配当にありつける可能性は十分に残されているからだ。
二強撃破の有力馬として注目を集めたスターズオンアースの回避は非常に残念だが、川田将雅騎手とのコンビで無敗の続くプログノーシス、藤岡佑介騎手に手綱の戻ってきたジャックドール、関東の若武者・横山武史騎手を迎えたジャスティンパレス、2度目の来日で存在感の光るJ.モレイラ騎手が騎乗するダノンベルーガなど、多士済々な穴馬候補がスタンバイ。イクイノックスとドウデュースの2頭をセットにして、これらをヒモで買おうと考えているファンは決して少なくないはずだ。
ただ、出走予定馬の中でG1級の実力を持ちながら、前走の敗戦で思いのほか人気の急落しそうなアノ馬は、25日現在に『netkeiba.com』が公開している単勝予想オッズで、なんと8番人気の低評価。ここまで人気薄なら1、2番人気の2頭との組み合わせでも、配当的な妙味は十分にありそうだ。
「逆襲必至」のお宝馬を猛プッシュ

もったいぶらずに説明すると、それはガイアフォース(牡4、栗東・杉山晴紀厩舎)のことである。
前走のオールカマー(G2)でタイトルホルダーに続く2番人気の支持を得ながらも、3番手の好位から伸びあぐねて5着に完敗。昨年のセントライト記念(G2)で3馬身以上の差をつけて一蹴した相手のローシャムパークに敗れたのだから、もう上積みがないと考えられてもおかしくはない。
しかし、この敗戦に何かしらの理由があったなら話は別だ。
よく思い出してみて欲しい。この馬は春の安田記念(G1)に出走してジャックドールを上回る4着。3着シュネルマイスターとはクビ差でしかなかった。本馬の馬券を買っていなかったファンは、8番人気の激走に相当肝を冷やしたに違いない。
マイルの距離や東京コースの適性を疑問視されて半信半疑だった相手が、ポテンシャルの高さを証明したため、「次走は買おう」と考えたファンもいたはず。それがオールカマーで2番人気に評価された背景ではなかったか。
だとしても「実際5着に負けたじゃないか」といいたい気持ちは分かる。こちらについては色々推察してみたのでこの場を借りて説明してみたい。
実は……というよりガイアフォースは明らかに高速、いや“超速馬場”の申し子なのだ。
小倉開催だった昨年のCBC賞(G3)でテイエムスパーダが、1分5秒8などという規格外のレコードをマークしていたが、同時期の国東特別(1勝クラス)で芝2000mを1分56秒8でレコード勝ちしていたのもガイアフォース。コースは違えども今回の出走メンバーで断トツの持ちタイムとなる。
そして思わぬ完敗を喫した菊花賞(G1・8着)、アメリカジョッキークラブC(以下AJCC、G2・5着)、オールカマー(5着)は、すべて上がり3ハロンのタイムが35秒台を超えていた。これらを考慮すると一瞬の切れで勝負するタイプではないとはいえ、極限までスピードを要求される馬場でこそ実力を発揮するタイプといえないだろうか。
結果論を承知の上で分析すると、菊花賞の敗戦は距離が長かったことに加えて、レコード勝ちした次のセントライト記念を制したことで、本番前にピークを過ぎていた可能性が高い。
ハイペースで先導して3000mをレコード勝ちしたアスクビクターモアが低迷した理由のひとつとも考えられるほどの消耗戦だった。冬場の時計が掛かる中山で疲れも抜け切っていなかったとしたら、AJCCで人気を裏切ったのも納得がいく。
それから3ヶ月また休養を挟んだマイラーズC(G2)、安田記念は1分31秒台の時計が出る馬場で復調。そして前走の時計が掛かったオールカマーで敗戦したという理屈だ。
安田記念の好走で手のひらを返したファンが、前走の敗戦で「やっぱり大したことなかった」と再び見捨てそうな今回こそが逆襲必至のタイミング。マイルから2ハロン延びる天皇賞・秋の舞台は、長くいい脚を使う馬に合っている。予想されている高速馬場も2000mのレコードホルダーにとっては大歓迎だ。
高配当を的中する秘訣は、大多数が考えていない逆の発想でこそ。幸いにも好タイムが連発している現在の東京コースは、速い上がりが目立っている。週間の予報でも日曜まで晴れが続きそうなだけにパンパンの良馬場が予想されるのも好都合。後は鞍上の西村淳也騎手が、どこまでパートナーの能力を信頼できるかに懸かっている。
上位人気を予想される馬は、後ろから差すタイプが多数。今年は強力な逃げ馬であるパンサラッサが不在のため、マークが後方の馬に集中するようなら逃げ先行組に前残りのチャンスも生まれる。3連単で勝負を考えている人には、3着馬の候補として猛プッシュしたい1頭である。
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