横山武史「馬は頑張っている」“継承”に戸惑う関係者も…危惧されていた「横山家のDNA」が表面化? コメント拒否騒動と現場の評価に温度差ありあり
先週末の菊花賞(G1)は、春のクラシックに出走の叶わなかった4番人気のドゥレッツァが、皐月賞馬ソールオリエンスとダービー馬タスティエーラを退けて圧勝。重賞初挑戦のハンデをモノともしなかった「令和のメジロマックイーン」が世代最強の座に就いた。
その一方、今年のクラシック戦線を引っ張ったソールオリエンスと横山武史騎手のコンビにとっては、ほろ苦い三冠となったのではないか。
2番人気で挑んだ皐月賞(G1)は、最内の1枠1番から後方に下げる大胆な作戦で一気の差し切り勝ち。最後の直線で17番手という絶望的なポジションから突き抜け、3戦全勝で一冠目のタイトルを勝ち取った。
他馬を圧倒する走りに「無敗の三冠」を期待する声も出たが、大本命に推された日本ダービー(G1)は皐月賞2着のタスティエーラに逆転を許した。そして秋に復帰したセントライト記念(G2)でも上がり馬レーベンスティールの2着と敗れ、ラスト一冠も着順を一つ落としての3着。連勝時の勢いに陰りが見え始めているのが現状である。
これに対し、タスティエーラはD.レーン騎手でダービーを優勝、J.モレイラ騎手とも菊花賞2着に好走。神騎乗と称えられたドゥレッツァの菊花賞圧勝もC.ルメール騎手の手腕が際立つ内容だった。
また、菊花賞の前日に行われた土曜東京のメイン・富士S(G2)でも横山武騎手にとって手放しで喜べない結末が待っていた。
このレースを完勝したナミュールは、約1年7か月ぶりの勝利。かつてデビュー4戦目から横山武騎手とコンビを組み、昨年の牝馬三冠やエリザベス女王杯(G1)、今春のマイルG1で注目を集めた実力馬でもあった。
「調教師をはじめクラブ関係者など、ナミュールの陣営は本当に喜んでいましたね。クラシックで無冠に終わりましたし、近走は力を出し切れない消化不良の競馬が続いていただけに喜びもひとしおでしょう。
テン乗りであっさり結果を出したモレイラ騎手の手腕も素晴らしかったです。ゲートや道中の折り合いも完璧で、最後の直線でも外を回さず狭いところを割って出てきました。レース後には『更なる高みを目指せる』と絶賛していました」(競馬記者)
これに対し、横山武騎手はコンビ初戦のチューリップ賞(G2)こそ優勝したものの、その後はあと一歩のところで勝ち切れない惜敗が続いていた。
ネットの掲示板やSNSで一部のファンから手厳しい意見も…
落馬寸前の不利があったヴィクトリアマイル(G1)や最後の直線で他馬の斜行のあおりを受けた安田記念(G1)で見せ場なしの惨敗。想定外の事象に不満を残すコメントを出したことも、ネットの掲示板やSNSで一部のファンから「技術で回避できなかったのか」「言い訳が多い」と手厳しい意見も出た。
実力があってこそリーディング上位に名を連ねているとはいえ、結果を出せなければ、敗因のヤリ玉に挙げられるのがジョッキー。その逆、好騎乗をすれば称賛される訳であり、非難の声に晒されることもない。こればかりは目を背けることのできない現実だ。
“事実上のクビ”となった横山武騎手は、キラーアビリティに騎乗してシンガリ負け。2021年の年度代表馬エフフォーリアとのブレイクで、本馬が所属するキャロットファームからの評価が上がり、ナミュールに抜擢された経緯があったが、期待に応えることが出来ないまま、ついには乗り替わりとなってしまった。
不完全燃焼で自身が勝利に導くことが出来なかった馬の優勝は喜べても、その背中に他の騎手が乗っていたのでは胸中は複雑かもしれない。
精神面でのストレスが溜まっているのか、1番人気で敗れたセントライト記念など、最近ではレース後のコメントを拒否する機会が増え、マスコミ関係者を悩ませている始末。富士Sや菊花賞の結果を受けて、風当たりが徐々にきつくなり始めているようだ。
「ナーバスになって本人が更にヘソを曲げないか心配する記者は多くいます。現場でも最近は雰囲気がノリさん(父の横山典弘騎手)に似てきて、横山家のDNAなんじゃないかって話も出てきました。
“馬は頑張っている”という父の定番といえるフレーズを含んだコメントも出しており、大敗したキラーアビリティのコメントも出ていなかったようです。
普段の彼は陽気な性格でトレセンでの受け答えもしっかりしていますが、競馬となると人が変わってしまうところもあります。間違いなくこれからの競馬界を背負っていくジョッキーの1人ですし、父のようにマスコミ嫌いにならないで欲しいと願うばかりですね」(同)
ただ記者の話によると、ネットなどで批判をしているのは、その多くが競馬ファンや馬券をハズした人たちであり、競馬関係者ではない様子。関係者としては一緒くたにされてマスコミやメディアにまで素っ気ない態度を取られるのは不本意とのこと……。気持ちよくコメントを出してもらうには、本人に頑張ってもらうしかないと頭を抱えてもいた。
今週末の天皇賞・秋(G1)のジャスティンパレスをはじめ、まだまだ信頼を取り戻すチャンスは残されているだけに、これからの奮起に期待したいところだ。
PICK UP
Ranking
5:30更新- 【日本ダービー】武豊「何とか間に合いました」キタサンブラック弟と挑む最多7勝目…乗り替わりでも不気味なエコロヴァルツの底力
- 三浦皇成「これはモノが違う」悲願のG1初制覇が目前で霧散…「今後、ダート界を引っ張る馬になってほしい」宿敵レモンポップへ1年越しの挑戦状
- 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
- 【NHKマイルC】C.ルメール「一鞍入魂」アスコリピチェーノと必勝態勢!オークス、日本ダービーも騎乗馬決定か…シックスペンスとはコンビ解消
- 藤田菜七子「日本ダービー騎乗」は幻に!? 武豊シュガークン×エコロヴァルツ「究極の二者択一」ダービー鞍上問題はスピード決着
- 【天皇賞・春】「横山典弘マジック」に翻弄された敗戦の弁?大敗でも爪痕残した名手の存在感…テーオーロイヤル、ディープボンドの好走にヒント
- 【オークス】石川裕紀人が滑り込みでラストチャンスをゲット!?血統的に距離延長歓迎の穴候補に浮上…カワカミプリンセス、カレンブーケドールに続けるか
- 「信じた俺がアホ」天皇賞・春(G1)大本命テーオーロイヤル優勝も「自信の1点勝負」は空振り…藤田伸二氏が前夜に感じ取っていたドゥレッツァの危険な前兆
- 【天皇賞・春】ドゥレッツァでもタスティエーラでもない光明!? レベル疑問の4歳世代に「惑星ステイヤー候補」が登場
- 日本ダービー馬は運が良いだけ!? 天皇賞・春(G1)J.モレイラ「完璧騎乗」もタスティエーラ惨敗の絶望感…G1「2勝以上」上積みは2007年ウオッカが最後
関連記事
【天皇賞・秋】スターズオンアース「回避」も重度に至らず。「指示通り乗れなかった」苦笑のM.デムーロと秋の女王決定戦「緊急参戦」はあるか
【天皇賞・秋】最強馬決戦は納得も「第3の馬」にこそ妙味あり! プログノーシス、ジャスティンパレス凌ぐ配当的魅力…「逆襲必至」のお宝馬を猛プッシュ
「関東の問題児」がバチバチの叩き合いで痛恨の騎乗停止…被害馬の騎手からもクレーム? 降着の裁決に「迷惑をかけてしまい申し訳ない気持ち」
非業の死を遂げたスキルヴィングの妹がC.ルメール背にデビュー!母系には二冠牝馬ベガの名も…早くも「第二のソングライン」と期待がかかるワケ
’15 チャレンジCを制した「おがわじゅり」さんのイラストでお馴染の人気者は、人懐っこさ全開の、かまってちゃんに!|フルーキー