戸崎圭太「緊急代打」で値千金のタイムリーV! ドウデュース不発も武豊のお手馬に2年ぶり白星…今週末はソングラインといざ世界へ
緊急事態が告げられたのは、午後1時45分を少し過ぎたあたりだった。
先月29日に開催された天皇賞・秋(G1)。ドウデュースに騎乗予定だった武豊騎手が負傷のため、戸崎圭太騎手に乗り替わり。ファンの誰もが衝撃を受けた瞬間だったが、一番驚いたのはダービー馬に急遽騎乗することになった戸崎騎手本人だったかもしれない。
レースでは先行するイクイノックスを見るような形で4番手を追走。しかし、ライバルが馬なりで上がって行ったのに対し、ドウデュースは早々に手応えを失い、7着でゴール。イクイノックスに1秒4もの差をつけられた完敗だった。
「道中は少し力むような感じがあり、その部分が最後に影響した」「もう少しリラックスさせてあげられればよかった」とはレース後の戸崎騎手の弁。約8ヶ月の休み明けでレコード決着もさすがに厳しかったか。対抗格と目された2番人気の期待に応えることはできなかったが、緊急の代打騎乗を勤め上げた戸崎騎手を責めることは誰にもできないだろう。
「緊急代打」で値千金のタイムリーV!
惜しくもドウデュースでは結果を出すことはできなかった戸崎騎手だが、天皇賞・秋のひとつ前に行われたペルセウスS(OP)でヘリオス(セン7歳、栗東・西園正都厩舎)を勝利に導いた手綱さばきは、見事としかいいようがなかった。
こちらも負傷した武豊騎手の代打で、ドウデュースと同じくまったくのテン乗り。戸崎騎手にしてもまさかヘリオスにまで騎乗することになるとは、この日6Rで年間100勝を挙げ、ウィナーズサークルでインタビューに答えていた頃は夢にも思っていなかっただろう。なぜなら先述の午後1時45分過ぎに第一報が出た際、ヘリオスの鞍上は未定だったからだ。
レースでは1枠1番からスタートを決めてハナへ。前半600m通過35秒3のマイペースに持ち込むと、直線に向いても持ったままの手応え。ラスト1ハロンで満を持してステッキが入ると、最後はアタマ差で後続の追い上げを振り切っている。
「急遽の代打だったので大丈夫かなと思って見ていましたが、これがテン乗りとは思えないような人馬一体の走りでした。レースの約1時間前に騎乗が決まったにもかかわらず、ほぼ完璧といっていい手綱さばきを見せたのですから、本当に素晴らしいの一言につきますよね。
ちなみにヘリオスは一昨年、ペルセウスSと同じ東京ダート1400mのオープンクラスを連勝。その後は当初乗る予定だった武豊騎手とコンビを組み続けていましたが、重賞で12戦連続の黒星。今回は再度オープンでメンバーレベルも多少楽になっていたとはいえ、戸崎騎手は同馬に約2年ぶりの白星をプレゼントしたのですから、これには陣営の喜びもひとしおでしょう」(競馬誌ライター)
戸崎騎手は、まさに値千金のタイムリーVといえる好騎乗を見せたレース後のコメントで「すごく乗りやすくて、いいスピードがあります。この斤量(58.5キロ)で押し切るのですから、強かったと思います」とヘリオスをベタ褒め。この白星で今年101勝目となり、現在関東トップの横山武史騎手とわずか1勝差。2年連続となる関東リーディングの座も射程圏内に入ってきた。
今週末は日本での騎乗はお休みし、春にヴィクトリアマイル(G1)と安田記念(G1)を連勝したソングラインとのコンビで、いよいよ大一番のブリーダーズCマイル(米G1)に挑む。世界の大舞台であっと言わせる騎乗を見せてくれることを期待したい。
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