
武豊の戦線離脱で「代役」チャンス到来騎手が続々!?

先週の天皇賞・秋(G1)はイクイノックスが圧倒的な強さで最強馬の貫禄を見せつけた。
一方、ライバルのドウデュースは、主戦の武豊騎手が直前の負傷で騎乗できず、乗り替わりの影響もあってか7着に敗退。人馬揃ったベストな状態での対決ではなかったといえるだけに、本当の意味での両馬の決着はジャパンC(G1)へ持ち越されることとなった。
その後、武豊騎手は公式サイトでコメントを発表し、「再来週のマイルCSの週には戻ってこれるように、治療とリハビリを頑張ります」と語っている。つまり今週末そして来週末の2週間は武豊騎手の騎乗はなく、早くてもマイルCS(G1)での復帰を目指していることになる。万全な状態でイクイノックスと戦うためにも、しっかりと治療に専念してもらいたい。
一方、突然のアクシデントによる武豊騎手の不在による影響は少なくなく、関係者は代役探しにてんやわんやだろう。武豊騎手ほどのトップジョッキーであれば、数週間先まで有力馬の騎乗が埋まっているもの。今週末と来週末は乗り替わりの手配にエージェントが駆け回っているはずだ。
だが、それは同時に代役となるジョッキーにとっては絶好のチャンスとなる。
武豊騎手の騎乗馬となれば多くが有力馬。その騎乗依頼が舞い込んだとなれば、チャンスは逃したくないに違いない。特に大きいのは11月3日に行われるJBCの3競走(JBCクラシック・JBCスプリント・JBCレディスクラシック)だろう。
まずJBCスプリント(大井ダート1200m)はリメイクに騎乗を予定していた。同馬は昨年のカペラS(G3)で重賞初制覇を決めると、海外で好走し帰国後はクラスターC(G3)、さらに韓国のコリアスプリント(G3)を連勝。JBCスプリントでも最有力の一頭であった。
今回乗り替わりとなったのは、大井競馬所属の御神本訓史騎手。南関東三冠馬ミックファイアの主戦騎手であり、大井競馬を知り尽くすベテランだ。大井競馬場はこの秋から砂を入れ替え、以前とは傾向が大きく異なっている。武豊騎手からの乗り替わりは大きなプレッシャーとなるだろうが、昨年の優勝馬ダンシングプリンスや地方の強豪イグナイターらを相手にどんな競馬を見せるか、その手綱さばきに注目だ。
次にJBCクラシック(大井ダート2000m)は、昨年のジャパンダートダービー(G1)を制したノットゥルノに騎乗予定だったが、今回は船橋競馬所属の森泰斗騎手に乗り替わりとなった。森騎手は7月に通算4000勝を達成し、今年はすでに239勝(11/2現在)。昨年が318勝だったことから、いかに多くのレースを勝利しているかわかるだろう。御神本騎手同様に大井競馬を知り尽くしているだけに大きく評価が落ちることはなさそうだ。

そしてJBCレディスクラシックは、有力馬の一頭であったアイコンテーラーに騎乗を予定したが、今回はJRAの松山弘平騎手に乗り替わりとなった。
同馬は前々走のオープン特別を初ダートながら快勝すると、牡馬相手のシリウスS(G3)でも2着に好走し、ダートで素質を開花させた。メンバー的にもかなりのチャンスがあったと思われるだけに、武豊騎手とすれば断腸の思いだろう。しかしながら、JBCクラシックでテーオーケインズ、JBCスプリントでモズメイメイの騎乗がありながら、JBCレディスクラシックに騎乗馬がいなかった松山騎手からすれば、まさに棚から牡丹餅。この強運がどんな結末を導くのか興味深い。
さらに武豊騎手は、JBCの翌日11月4日に、オーストラリアのザ・ゴールデンイーグル(ローズヒルガーデンズ競馬場・芝1500m)にオオバンブルマイの騎乗を予定していた。
同馬は京王杯2歳S(G2)とアーリントンC(G3)を勝利し、NHKマイルC(G1)も3着の実績馬。このザ・ゴールデンイーグルは世代限定戦なので同馬にとっては最後のチャンスだったが、残念ながら乗り替わりとなった。
世界高額賞金レースランキング6位というビッグレース、1着賞金は525万豪ドルで日本円にしておよそ5億円。武豊騎手にとっても未勝利のレースだけに、こちらも残念な乗り替わりだ。代役は地元で通算1100勝のベテランであるジョシュア・パー騎手。G1も9勝の実力があり、武豊騎手の代役として申し分ないといえよう。
さらに来週末のエリザベス女王杯(G1)はククナに騎乗を予定していたが、こちらは浜中俊騎手に乗り替わりが発表された。
実績的にジェラルディーナやハーパー、ブレイディヴェーグらには見劣るものの、伏兵的な存在であった同馬。浜中騎手にとっても絶好のアピールの場となろう。他にもデイリー杯2歳S(G2)のジューンブレアなど、武豊騎手が騎乗していた有力馬は何頭もおり、誰に乗り替わりとなるか非常に興味深い。
そして、乗り替わった騎手がそのチャンスを手にすることができるか。それも見どころの1つとなりそうだ。
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