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2017.06.21 05:30
武豊復活の裏側に19年前の運命の「出会い」キズナにキタサンブラック……キャリア最大の逆境に2つの「幸福」を届けた偉大な胡蝶蘭
文=浅井宗次郎

競馬は「馬」と「人」が織り成す物語だ。今から19年前、武豊にとって1998年は騎手人生における極めて重要な1年となった。
その代表的なものは、やはり自身初の日本ダービー制覇だろう。当時、ここまですべてを手にしてきた天才騎手が唯一「ダービーだけは勝てない」といわれ続けてきた。そんな”汚名”を晴らしたのがスペシャルウィークだった。この勝利を皮切りに以後、武豊は前人未到の日本ダービー5勝を達成している。
だが、そんな輝かしい大記録の礎となった初制覇よりも、”ある意味”ではそれ以上に大きな出会いがあった。「胡蝶蘭」を意味する名牝ファレノプシスとの出会いだ。それは「彼女との出会いがなければ、今の武豊はない」といえるほど、極めて重要な巡り合わせでもあった。
武豊が初めてファレノプシスに騎乗したのは、その年の桜花賞だった。ビワハヤヒデなどを管理した名伯楽・浜田光正を始めとした陣営がクラシックに備え、主戦の石山繁を降板させ武豊にスイッチしたのだ。
当時、全盛期にあった天才騎手は、その起用に応えて桜花賞を制覇。この勝利はノースヒルズを設立した前田幸治にとって初のG1制覇となり、これが後に大きな意味を持つようになる。その後、ファレノプシスは武豊の手綱で秋華賞も制覇し、その年の最優秀3歳牝馬に選出。引退レースのエリザベス女王杯も制して、堂々のG1競走3勝を上げてターフを去った。
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