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【阪神JF】「一発を狙うなら」12番人気の激走に大物感プンプン!? 「差し馬天国」で逃げて5着が意味するもの
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10日、阪神競馬場で行われた2歳女王決定戦・阪神ジュベナイルF(G1)は、3番人気のアスコリピチェーノが勝利。今夏の新潟2歳S(G3)で、鞍上の北村宏司騎手に5年ぶりの重賞勝利を届けた孝行娘が、今度はキタサンブラックの菊花賞以来、約8年ぶりのG1制覇をプレゼントした。
上がり3ハロン1位のステレンボッシュが2着、同2位のアスコリピチェーノが1着と、今年も例年通りの切れ味勝負となった阪神JF。というのも近年の本レースは差し、追い込み馬が圧倒的に好成績を残しているからだ。
ちなみに過去10年で4角先頭から馬券圏内に食い込んだのは、2019年の勝ち馬レシステンシアと、2015年の勝ち馬メジャーエンブレムの2頭だけ。後者は翌年のNHKマイルC(G1)の覇者であり、前者は後にG1で1着こそなかったが、5度の2着がある紛れもない名牝に成長している。
それだけに、この2歳女王決定戦で「逃げ」を打つことは厳しく、逆に上位に食い込むことができれば輝かしい未来が待っている可能性が高いということになる。
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その上で、今年の阪神JFでハナに立ち、先頭のまま最後の直線を迎えたのはシカゴスティング(牝2歳、栗東・庄野靖志厩舎)だった。
1400mの未勝利戦と、1200mのフェニックス賞(OP)を勝っているシカゴスティングだが、前走のファンタジーS(G3)で3着に敗れている上に、唯一の1600m経験だったデビュー戦でも3着に敗退。
鞍上の鮫島克駿騎手が「テンションの高さが課題の馬。距離延長がプラスになるイメージがあまりない」と話していた通り、実力・距離ともに不安が残る戦績で単勝67倍の12番人気は、ある意味妥当な評価と言えただろう。
勢いよくハナに立ったものの最初の600mが34.4秒、道中も常に後続からプレッシャーを受け続けるなど、決して楽な逃げではなかったシカゴスティング。最後の直線を先頭で迎えた段階で後続との差はほぼなく、多くのファンが例年の逃げ馬のように「ここまでが見せ場」と思っていたはずだ。
しかし、2番手を追走したナナオやテリオスルル、ミライテーラーといった番手組がズルズルと後退し始めているのを尻目に、シカゴスティングがリードを広げていく。結局、最後は上位陣の切れ味に屈した格好だが、残り200mまで先頭を走っての5着は十分に胸を張れるものだろう。
「差し馬天国」で逃げて5着が意味するもの
「鮫島駿騎手が『一発を狙うなら……という乗り方をした』と話していましたが、想像以上に強い競馬だったと思います。今回の庄野厩舎は2頭出しでしたが、永島まなみ騎手が初のG1挑戦ということもあって、戦前はもう1頭のスウィープフィートの方が目立っていましたが、シカゴスティングも頑張ってくれましたね。
ちなみに上位10頭の最終コーナーの位置取りだけをフォーカスすれば、勝ったアスコリピチェーノ(8番手)と3着のコラソンビート(5番手)以外は、軒並み10番手以下の後方集団。今年も典型的な阪神JFの流れだったと思いますが、そんな中で逃げての5着は数字以上に立派だと思います。
最後は残り200mで止まってしまいましたが、実は戦前に庄野調教師が『まだ非力な面があるので、坂のある阪神でどうか』とゴール前の急坂を気にしていました。陣営も今回のレースで手応えを掴んだでしょうし、これからパワーがついてくればもっと楽しみな存在になると思います」(競馬記者)
もちろん、現時点のシカゴスティングが冒頭で挙げたレシステンシアやメジャーエンブレムと肩を並べたわけではない。だが、シカゴスティングもまた非凡なものを持っていることは確かだ。ファンタジーS、阪神JFはいずれも12番人気の大穴だったが、どこかで大仕事をしそうな雰囲気があるだけに、名前を覚えておきたい1頭だろう。
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